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第3問



次の文章は『夢の通ひ路物語』の一節である。男君と女君は、人目を忍んで逢う仲であった。やがて、女君は男君の子を身ごもったが、帝に召されて女御となり、男児を出産した。生まれた子は皇子(本文では「御子」)として披露され、女君は秘密を抱えておののきつつも、男君のことを思い続けている。その子を自分の子と確信する男君は人知れず苦悩しながら宮仕えし、二人の仲介役である清さだと右近も心を痛めている。以下の文章は、それに続くものである。これを読んで、後の問い(問1~6)に答えよ。(配点 50



 かたみに恋しう思し添ふことさまざまなれど、夢ならで通ひぬべき身ならねば、現の頼め絶えぬる心憂さのみ思しつづけ、大空をのみうち眺めつつ、もの心細く思しわたりけり。男の御心には、まして恨めしう、(ア)あぢきなき嘆きに添へて、御子の(注1)                                   御気配もいとつつましう、(注1)鏡の影もをさをさ覚ゆれば、いよいよ「(イ)あきらめてしがな」と思しわたれど、ありしやうに(注2)語らひ人さへ聞こえねば、「人わろく、今さらかかづらひ、をこなるものに思ひまどはれむか」と心置かれて、(注3)清さだにだにも御心とけてものたまはず、いとどしき御物思ひをぞし給ひける。

こなたにも御心に絶えず思し嘆けど、何かは漏らし給はむ。(注4)御宿直などうちしきり、おのづから御前がちにて、(ウ)御こころざしのになきさまになりまさるも、よに心憂く、恐ろしう、人知れず悩ましう思して、いささか御局に下り給へり。人少なう、しめやかにながめ給へる夕暮れに、右近、御側に参りて、御かしらなど参るついで、かの御事をほのかに聞こえ奉る。

「この程見奉りしに、(注5)御方々思しわづらふもむべにa侍り。げに痩せ痩せとならせ給ひ、こよなく御色のさ青に見奉り候ひ ぬ。清さだも、久しううちおこたり侍りしを、(注6)いかに思しとぢめけむと、日頃いぶかしう、恐ろしう思ひ給へられしに、なほ忍びはて給はぬにや、昨日文おこせし中に、かかるものなむ侍りける。『まことに、うち悩み給ふこと、日数へて言ふ甲斐なく、見奉るも心苦しう。(注7)東宮のいとかなしうまつはさせ給へば、とけても龍らせb給はぬを、この頃こそ、えうちつづきても参り給はで、ひとへに悩みまさらせ給へ』と侍りし」

とて、御消息取う出たれど、なかなか心憂く、そら恐ろしきに、

 「いかで、かくは言ふにかあらむ」

とて、泣き給ひぬ。

 「こたびは、とぢめにも侍らむ。御覧ぜざらむは、罪深きことにこそ思ほさめ」

とて、うち泣きて、

 「昔ながらの御ありさまならましかば、かくひき違ひ、いづこにも苦しき御心の添ふべきや」

と、忍びても聞こゆれば、Xいとど恥づかしう、げに悲しくて、振り捨てやらで御覧ず。

   A 「さりともと頼めし甲斐もなきあとに世のつねならぬながめだにせよ                                               

   (注8)雲居のよそに見奉り、(注9)さるものの音調べし夕べより、心地も乱れ、悩ましう思ひc給へしに、ほどなく魂の憂き身を捨てて、君があたり迷ひ出でなば、結びとめ給へかし。惜しけくあらぬ命も、まだ絶えはてねば」など、あはれに、つねよりはいとど見所ありて書きすさみ給ふを御覧ずるに、来し方行く先みなかきくれて、御袖いたう濡らし給ふ。うち臥し給へるを、見奉るもいとほしう、「いかなりし世の御契りにや」と、思ひ嘆くめり。

 「人目なき程に、あはれ、御返しを」

と聞こゆれば、御心も慌しくて、

   B 「思はずも隔てしほどを嘆きてはもろともにこそ消えもはてなめ遅るべうは」

とばかり、書かせ給ひても、え引き結び給はで、深く思し惑ひて泣き入り給ふ。「かやうにこと少なく、節なきものから、いとどあはれにもいとほしうも御覧ぜむ」と、Y方々思ひやるにも、悲しう見奉りぬ



(注)

1 鏡の影もをさをさ覚ゆれば――鏡に映った男君自身の顔も御子の顔にそっくりなので、ということ。

2 語らひ人――相談相手となる人。ここでは女君の侍女の右近を指す。

3 清さだ――男君の腹心の従者。右近とはきょうだい。

4 御宿直などうちしきり――女君が帝の寝所にたびたび召されて、ということ。

5 御方々――男君の両親。

6 いかに思しとぢめけむ――どのようにあきらめなさったのだろうか、ということ。

7 東宮――帝の子。

8 雲居のよそに見奉り――女君が入内して男君の手の届かないところに行ってしまって、ということ。

9 さるものの音調べしタベ――男君はかつて帝と女君の御前で、御簾を隔てて笛を披露したことがあった。そのときのことを指す。












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