徒然草 第24段 | 古文教室オフィシャルブログ

古文教室オフィシャルブログ

面白いことと、古文とかをのせていきまーす。
漢文もね。
無料メルマガもよろしくでーす。
http://melma.com/sp/backnumber_197937/

斎宮の、野宮におはしますありさまこそ、やさしく、面白き事の限りとは覚えしか。「経」「仏」など忌みて、「なかご」「染紙」など言ふなるもをかし。 

すべて、神の社こそ、捨て難く、なまめかしきものなれや。もの古りたる森のけしきもただならぬに、玉垣しわたして、榊に木綿懸けたるなど、いみじからぬかは。殊にをかしきは、伊勢・賀茂・春日・平野・住吉・三輪・貴布禰(きぶね)・吉田・大原野・松尾・梅宮。

現代語訳

斎宮(伊勢神宮に奉仕する未婚の皇女)が、伊勢神宮に下る前に心身を清めるための野宮(仮所)に滞在しておられるご様子は、優美であり、非常に趣き深いものに感じられました。伊勢神宮の神域では、仏教や経文を忌み嫌っており、「染紙」「なかご」などと違う言葉に言い換えられていたのも趣きがある。 

そのように、すべての神社は捨て難いものであり、魅惑的なものなのだ。鬱蒼と古木が生い茂った森の景色も普通ではない。石垣が張り巡らされていて、榊の木に御幣がたなびいている状況は、神秘的な情趣を感じさせる。特に素晴らしい神社は、伊勢、賀茂、春日、平野、住吉、三輪、貴布禰、吉田、大原野、松尾、梅宮である。