ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」


テーマ:

しばらく、出張やら、脳神経外科の総会やなにやらと、

移動が多く忙しかったため、


更新が滞っておりました。


今回は一般的な話です。


最近、ふと思うことがあるのですが、

このブログを読んでくださっている方は、何歳くらいの方がおおいのでしょうか?


インターネットで検索をする世代でないと、

このブログにたどり着くことはあまりないと思いますので、


きっと、

ご高齢の方はあまりご縁はないのかもしれません。


おそらく、

20代から50、もしくは60代くらいまでの年代の方が主な読者かもしれません。


そうすると、

今回のような記事の内容はあまり、直接的には関係がないかもしれませんが、


もしかすると読者の方々の親の世代が直面している問題かもしれません。


そのテーマというのは、

内服薬です。


1日5-10錠の薬を飲んでいるかたも、この国では少なくありません。


よくある例としては、


心臓の薬、血圧の薬、糖尿病の薬、高脂血症の薬というセットに加えて、


胃薬、眠剤、精神安定剤、下剤、


と加わっていくと、もう10種類近くなりますね。


他にも、たとえば頻尿の薬や、腰痛などでの痛み止めが加わっていくと、

もっと増えていくのですが、


こういった薬の中でも、

決して欠かせないものと、そうではないものがあります。


たとえば、

心臓の薬や、血圧の薬、糖尿病の薬、高脂血症の薬、


というのは常に常用薬として必要なものでしょう。


どれも内服を続けることで予防の効果があるものが多いはずです。


胃薬に関しても、胃炎や胃潰瘍の場合や、

痛み止めを飲み続けている人などは必要とは思いますが、


これは胃の状態が回復すればやめることが出来る薬と思います。


この例に挙げた中では、

眠剤や安定剤、痛み止め、下剤については、


これは果たして本当に毎日飲み続ける必要があるのか?


と首をかしげてしまう種類の薬ですね。


下剤については、

薬に他よならなくても食事や生活習慣でなんとか努力できるのであれば、

代替できるようにも思われます。


そして、

眠剤、安定剤、痛み止め、などに関しては、


これらはどれも連続で使用することで、次第に体に耐性ができて効果が弱まってしまうものです。


常に効果を得るためには、薬を増量するようななってしまいますし、

そうすると副作用が大きくなったり、意に反する効果が出てしまうこともあります。


よって、

あまり常用すべきではないと思われますが、


ところが実際にはこういった薬を常用している方というのは、

想像以上に多いものです。


中には、特に効果はなくなっているのに飲み続けていたり、

むしろマイナスの影響が出ていることすらあります。


何故こうなってしまうのか?


というと、

一度飲んで効果があった薬をやめることが、

難しいからです。


飲んだ状態に慣れてしまうと、

やめるのが不安、となってしまうのです。


医師にしても、まあ、いつも飲んでいる薬だから、そのままで、

となってしまうものですから、


薬を減らすことには双方にとってエネルギーが必要なんですね。


そうやっているうちに、

実は常用しなくてもいい薬というのがどんどん嵩んでしまい、


必要な薬と合わせると10種類以上になってしまっている、ということが起こるのです。


いくら保険が適応されて3割以下の負担となったとしても、

これでは患者本人の金銭的負担も、


そして医療経済への影響も大きいと言わざるをえません。


医療費が先日初めて40兆円を超えて問題になっていましたが、

この大部分を使っているのは、やはり高齢者の方々で、


その原因の一つとして、

不要な薬を多数処方されているということがあります。


これは患者さん側にも、そして何より、我々医師に大きな責任があることでしょう。


皆さんも、

自分やそのご家族が飲んでいる薬が、


はたして本当にどれも毎日飲む必要があるのかどうか?


自分の為にも、社会の為にも見直してみるとよいかもしれません。



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最近、盛り上がっているので、

タイトルを見ただけで何の話題か分かった方もいらっしゃるかもしれません。


そう、

ラグビーです。


僕は自分がラグビーをやっていたわけでもなく、

ただルールがわかって、たまに大学の選手権をみている程度のにわかファンですが、


今回のワールドカップは大変、興奮しています。


中でも、

よくメディアでも注目されているのが、


五郎丸選手のキックの際のルーティンではないでしょうか?


二回、くるくるとラグビーボールを投げて、セット、

3歩後ろに、2歩左に、

両手を合わせて体の中心を意識したのちに、8歩の助走でキック!


というのが五郎丸選手のキックの際のルーティンです。


練習の時から常にこのルーティンを確実に遂行することだけに集中することで、

試合の時も余計な緊張や外的な影響を減らし


キックの精度を高める!


ということです。


ルーティンという言葉は、

ともすれば、


ルーティンワークという言葉もあるように、


同じことの繰り返し、つまりは、退屈な仕事、という印象すら抱いてしまう言葉です。


ところが、

この五郎丸選手のルーティンであったり、


あのイチロー選手のバッターボックスに入る際のルーティンであったり、


トップアスリートというのは誰しも、

特に精度の要求される動作の前に、一連のルーティンを徹底している人が少なくありません。


これはやはり、

特定の動作の正確性を高める上で、


日ごろから一連の動作を徹底することが有効だからなのでしょう。


そう考えると、

手術についても同じことが言えることに気づきました。


とはいっても、

手術の手技一つ一つに、ラグビーのキックのように、

寸分たがわぬ全身運動が必要なわけではありません。


全身の運動というより、手術の場合はやはり手と腕の動きにおおよそは限られるからです。


アスリートほど、精密に複雑に全身を操れる能力は当然、

僕ら医師には備わっていないからです。


しかし、


定まった術式を、

常に一定の手順で行うことによって、ミスを最低限に減らすという意味で、やはり似ているのです。


何もこれは手術だけに限ったことではありません。


一連の工程を正確に進めるためには、


やはり同じ手順を繰り返すということが、

最も確実なのでしょう。


これは物事を習うときにも同じです。


たとえば、

手術の上手な先生の手順をそっくりそのまま真似て、

それを繰り返す。


繰り返すことによって、自分のものにするのですね。


もちろん、

何事にせよ、臨機応変に対応するという、


その場その場の対応力は必要です。


しかしながら、

トップアスリートのキックなどのワンプレーのように、

定まった一連の動作を極限の集中力で精密に行う上では、


愚直に同じルーティンを徹底することが何よりも効率的なのかもしれません。


全く仕事は異なりますが、

勉強になるなぁと思ってしまいます。


それはそうと、

そんな五郎丸選手はまだ29歳!


もちろん、

スポーツの世界では若いということはないのだろうと思います。、


しかし、

僕らみたいなおっさんからすれば、

何か一つのことを極めようと、絶え間ない情熱と努力を注いでいる彼らのような若者を見ると、


俺はこんなんでよいんだろうか?

何かを極めようと、追求できているだろうか?


と自問自答してしまいます。


全く、本当に、立派な選手たちです。


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何度かパーキンソン病の治療の話を書いてきました。


後一回くらいは、

その続きを書こうかと思いますが、


また今回は閑話休題です。


さて、


皆さんは辛い食べ物は好きですか?


ひーひーするような食べ物です。


僕は、ほどほどに好きです。


しかし、こういった辛い食べ物が体によいのか?


どうか?


というと、


どうも悪いような気がしていました。


なんだか胃や食道に刺激が強くて、


たとえば胃癌や食道がんなどの原因になるんじゃないか?


などと、


思っていたからです。


ところが、


唐辛子に入っているから辛さの成分、カプサイシンには様々な健康効果があることが以前から知られているようです。


カプサイシンには、


抗肥満作用、抗酸化作用、抗炎症作用、抗がん作用と、


もういいことずくめじゃないか?!


というような効果があるという報告があり、


唐辛子以外の香辛料に関しても、同様に健康に良い!とする報告が多いようです。


さて、


そんな背景の中で、


今回は中国での約50万人を対象にした研究で、


スパイシー料理と死亡リスクの関連が調査されたということです。


その結果、


日常的に辛い物を食べる人は最大で14%も死亡リスクが低かったというのです。


男女共に同じ結果が見られて、


アルコールを飲まない人では特にその傾向がおおきかったとのことです。


しかも、


がん、虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡リスクも低かったようなのです。


また、


ちょっとびっくりすることとして、


乾燥した唐辛子より生の唐辛子の方がカプサイシンやビタミンなどの栄養素が多く含まれていて、


よいとのことでした。


でも、


あまり生の唐辛子って食べませんよね。



本当に直接的にスパイシーな料理が健康にいい、とこの研究から言えるわけではないようですが、


それでも、そういう傾向がある、ということは言えるのかもしれません。


かといって、


きっと物には”適度”という言葉がありますので、


やみくもに辛い物ばっかり食べれば健康にいいというと、


それは違うだろうと思います。


適度に日常的に、スパイシーなものも食べるといいのかも、という程度のお話だと思いますので、


変に過信しないようにしてください。


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