ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」


テーマ:
いつも医療系ドラマをみていると、
 
「〇×教授の患者だぞ、教授の誤診を明らかにして、なおかつ手術なんてしたら、、、、」
 
というような下りがありますよね。
 
要は、お偉い教授の誤診を見つけてしまった医師や病院がその患者の今後の診療方針について、アタフタするという話です。
 
では、実際、
 
〇×教授が何も異常はないと診断しているのに、
この病院で手術なんてできるわけがない! というようなことが起こりうるのでしょうか?
 
この設定はテレビドラマの世界では医学会の権威主義を表すためにたびたび用いられておりますが、
権威のある教授のご機嫌をとるために、患者の重大な不利益に目をつぶって治療を行わない、というようなことは実際にはまずありません。
 
それはなぜかというと、
医師の道義的な問題はもちろんのこと、
治療が必要とわかっていながら、治療を行わなかった方がよっぽど医師にとっては深刻な事態をもたらすからです。
 
治療が必要とわかりつつも、お偉いさんのご機嫌をうかがうために治療を怠り、結果として患者に不利益が生じたとしたら、
これが明らかになったときには必ず訴えられるでしょうし、その際にはまず間違いなく訴訟に負けます。
 
こちらのリスクの方が医師にとっては、はるかに高いのです。
 
ですから、実際にはドラマにあるように、ご機嫌伺いでアタフタするということはありません。
正しい治療が必要とわかっていれば、それがたとえ、どこかのお偉いさんが誤診した患者であったとしても、治療を行います。
 
そこで治療をしたからといって、ドラマのように論文が受け付けられなくなる、ということや、専門医や指導医が取れなくなる、というようなことはまず普通はありません。
現代の医師がそのような心配をすることもあまりないと思います。
 
もちろん、学会の会長をやっているようなお偉い教授が学会の様々な活動に影響力を持っていることは事実ですが、
論文の査読や資格の審査などはさすがに一人のお偉いさんが行うのではなく、通常は明文化された規定に従ってリベラルに行われるからです。
 
お偉いさんは怒らせないに限りますが、
一人の権威の匙加減で可否や合否が決まるというような時代ではさすがにないと思います。
 
そういう意味では少し時代錯誤ぎみのドラマが未だに多いかもしれません。
まあ、その方がドロドロした医者の世界を描けて面白いというのはわかりますけどね。
 
ただ、名前は知っているけど面識のないお偉いさんが誤診した患者の治療をすることにはそれほど過剰に気を遣うことはないと思いますが、
むしろ気を遣うのは、そのお偉いさんが直接の上司であったり、知り合いだった時です。
 
こういった場合にも、もちろん、患者さんを治療しないということはないのですが、
なるべくそのお偉いさんを煩わせることがないようには配慮するのが常識です。
 
つまり、
「あーこれは誤診ですねー」
 
というようなことは間違っても患者さんに言わず、
 
「こちらで検査をしたところ、〇×だとわかりました。しかしこれは前の病院での結果が誤診だったというわけではなくて、検査のタイミングによって正しく診断がつくこともあれば、そうでないこともあるのです」
 
というような感じで、そのお偉いさんをかばうような説明をする、つまりは空気を読むことが多いです。
 
まあ、これはどこの世界でも同じですよね。
ここではっきり誤診だと言ってしまうような人は、
正直ではありますが、世渡りがうまくないタイプです。
 
誤診をしたお偉いさんに気を遣いつつ、患者さんにも変に疑念を持たせることなく、治療へと進める。
これが一番賢い方針で、実際にこういうパターンのときには最もよく見られる対応です。
 
そういうわけで、
お偉いさんの誤診患者を巡って紛糾するというようなことは、
ドラマではよく見られても、医療ではほとんどないのが実際なのです。
 

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