DNA型鑑定を元に無理な自供を導いた捜査の誤りを指摘した宇都宮地裁の無罪判決。事件にかかわった当時の捜査関係者や弁護士らは重い口調で取材に答えた。

 他方、菅家さんの無罪を信じてきた支援者らは、胸いっぱいの思いで、判決の日を迎えた。

 「真犯人を捕まえるという警察の使命を果たせなかったことは無念だ」と、栃木県警の元捜査幹部は伏し目がちに語った。「40年の刑事人生で一番の事件だった」と振り返りながら、「菅家さんを真犯人だと思って逮捕して最高裁も断定したのに、(捜査陣は)天国から地獄に落ちてしまった。申し訳ないことをした」と述べた。別の元捜査幹部も「私に言えることはない」とぽつり。

 1審で菅家さんの弁護を担当した1人、梅沢錦治弁護士(79)は「無罪判決がもらえるのは良いことだと思う」と淡々と話した。菅家さんの「自白」の真偽を見抜けなかったことを「疑うのは無理だった。当初は、首尾一貫していた」とする一方、「人間関係が築けていなかったのかもしれない」とも打ち明けた。

 26日の宇都宮地裁には、16年間にわたって菅家さんを支援してきた栃木県足利市の主婦西巻糸子さん(60)が姿を見せた。2人とも幼稚園バスの元運転手。拘置所で面会して冤罪(えんざい)だと確信し、1994年、「菅家さんを支える会・栃木」を結成。チラシ配布などの活動を続けてきた。

 控訴審、上告審、宇都宮地裁の再審請求審……、その都度がっくりしたという。「自分が落ち込むというより、なんと言って菅家さんを慰めたらいいかと思って」。

 7回の再審公判をすべて傍聴。この日は午前6時に、菅家さんを乗せて車を運転、足利市を出発した。道中、菅家さんは、「(亡くなった両親に)つらい思いをさせた」とうつむいていたという。

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