リヤカー付きの店がガタガタと音を立てて揺れ動いていた。強風にあおられたわけではない。店内にいる大人たちが腹を抱え、声を張り上げて笑っているからだ。
福岡市博多区須崎町。博多川沿いの一角にある屋台「月しゃん」。2009年の大みそか、話に花を咲かせる4人の男性客を見つめ、大将の月岡政紀さん(40)は、ある思いにふけっていた。
屋台は見ず知らずの客が寄り添い、何げない話題で語り合い、友だちになれる“空間”でもある。時には笑い、時には涙する。それを共有できる自分がいる。
「独りぼっちにされた過去があるから、人と人との触れ合いを見ているだけで幸せなんです」
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部屋が静まり返っていた。中学3年の9月のある朝。目を覚ますと、飼っていた5匹の犬がいない。「かあちゃん、かあちゃん…」。何度、呼んでも返事はない。物心ついたとき両親が離婚。一緒に暮らしていた母の姿も見当たらなかった。
たんすを開けて見た。母の洋服がない。犬を連れて蒸発したのだ。
カネがない。食事もできない。空腹に耐え、夜明けを待った。日がたつにつれ、孤独との闘いに疲れた。裏切られた怒りと寂しさがこみ上げ、万引にけんか…。ワルさを繰り返した。大人が信じられなかった。
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福岡市東区の児童養護施設「和白青松園」で5カ月過ごした後、転機が訪れた。市内の寿司(すし)かっぽう料理店で住み込みの仕事を始めた。
「つらくても、前を向いて歩きなさい」。親代わりとなった大将とおかみさんから、こう言われ続けた。あいさつの仕方や料理の作り方。生きる術(すべ)を教えてくれた。「自分を本気で思ってくれる人と初めて出会えた」
夢中で働いた。「将来、おれも人が集まる仕事がしたい」。給料5万円の中から貯金。7年かけてためた110万円を元手に1992年9月、知人の紹介で屋台を始めた。23歳のときだった。「家族の愛に飢えていた少年時代と違い、人のぬくもりの大切さをつくづく感じさせられる」
全国からさまざまな職業の人が訪れる。悩みを口にする人がいれば励まし、逆に勇気づけられることもある。子どものころから野球好き。休日は仲良くなった常連客とソフトボールで汗を流す。
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景気の後退とともにここ数年、売り上げは減った。それでも商売をやめようとは思わない。
「うちの屋台は12人の客で満席。もっと大勢の人が集まり、喜びを分かち合える場所を提供したい」。3年前から温めていた夢。それをかなえるため、17年間続けてきた「月しゃん」の大将の座を1月いっぱいで退き、今春、博多区に40人を収容できる料理店を開く。
店の名前には「上」の1文字を入れようと考えている。心を込めて作った料理を食べてくれた人が、空を見上げ生きていけるように、との願いを込めて。
人は言う。「先の見えない世の中だ」と。そうかもしれないが逃げたくはない。「新しい店がうまくいくか不安もあるけど、僕は人生の打席に立ったとき、見逃し三振だけはしたくないんです」
元日の朝、バットを持って博多湾が見える丘に登った。新たな旅立ちへ-。自分を信じ、思い切りフルスイングした。
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皆さんは、社会的養護という言葉を知っていますか?
社会的養護とは、まだまだ聞きなれない言葉ですが、なんらかの事情で家庭での養育・保護が得られない子どもを社会で養育・保護する仕組みのことです。
両親の離婚後、この社会的擁護を受けなければならない子どもたちがたくさんいることを多くの皆さんに知っていただきたいと思います。
離婚の際、当事者たち(父母子ども)のみでは、離婚に至るまでの様々な過去のいきさつに縛られてしまい、起こっている問題に気がつけなくなってしまいがちです。
そのため、私たち第三者の立場の人間が冷静に問題点を見出して離婚後も父母のお互いがお互いを尊重しあい共同育児をしていきたいという想いになっていただけるように促していきます。
お父さんも、お母さんも、子どもたちも、それぞれが、それぞれにとって大切な人なのです。
面接交渉とは、
別居・離婚に際して子どもに父母が親としての配慮をするという概念の基に行われます。
面接交渉の仲介支援とは、
父母の対立が激しくて、子どもの意思が尊重されないということがないよう、子どもの健全育成のための親子交流を実現させ、父母の皆さんが自己選択・自己決定・自己責任において共同育児ができるようお手伝いをする子育て支援です。
もしも万が一、父母の一方が子どもの意思を操作したり、もう一方の親子関係を破綻させようとするなどの精神的虐待、父母並びに義父母からの身体的虐待など子どもの福祉が危険にさらされている場合には、第三者という立場で客観的に児童相談所や臨床心理士・精神科医との連携をとらせていただきます。
離婚後も協力育児をしていきたい両親を応援します。
面接交渉(面会交流)仲介支援の
NPOびじっと・離婚と子ども問題支援センター


