2011-12-30

大和魂の面影

テーマ:ダイアローグ@society

2011年ももう終わり、早いものだ。

その慌しい師走、そんな中だからこそ、心のゆとりと他者を思う気持ちの大切さを感じる。



■12/21(水)


山手線に乗り少し離れた場所に行く時は、事故が起きないよう、思わず祈ってしまう。それくらい遅れが頻繁で、ついつい心の余裕もなくなってしまいがちだ。
朝のこと。品川に向かっていると、渋谷辺りで、自分の前にひとりの老人が現れた。年齢は多分八十歳ぐらい、足元がおぼつかず、それに目も少し不自由そうだった。そこで、早速立ち上がって「お座りください」と声をかけた。
ところが老人は、「いえいえ、次で降りますので」と、丁重に辞退されました。そればかりか、降りぎわにはわざわざ「ありがとうございました」と会釈までして静かに立ち去られた。


この老人の紳士然とした一連の立ち居振舞いは、ずっしりと心に響くものがあった。
今は元気な自分が同じくらいの年齢になり、逆の立場になった時、果たして同じようにできるだろうかと。
病を抱え、身体も思いのままにならない。そればかりか、親族友人の多くが先立って孤独が深まり、自分の死も近づいてくる。そんな中でも赤の他人に対して深い配慮を持って接することができるだろうかと。
察するに、こうした高貴な態度の裏側には、この方が身に付けた確かな倫理感とそれを長い人生の中で保持し続けた深い教養があるのだろうと思えた。



■12/28(水)


いつもジョギングのため公園に向かう途中そして帰り、一人の初老の男性を必ず見かける。その朝もそうだった。

何をしているのかというと、夜のうちに酔っ払いや心無い人たちが散らかしたゴミをひとつひとつ残さず拾って下さっているのだ。
雨の日も雪の日も欠かさず毎日、たった一人で。しかもその範囲は駅を中心に私の住む「4丁目地区」のおよそ半分にも及ぶ。燃えるゴミと不燃ゴミに分けるため2つの袋を持ち、ゴミだけでなく落ち葉や場合によっては吐瀉物のようなものに至るまで一切をきれいにしてくださっている。そのため、その「清掃時間」は多分1時間から2時間近くにも及んでいると思われる。

また、その清掃の姿が実に印象的だ。

まず、動作、身のこなしが極めて静かで丁寧なのだ。掃除だからせかせかと早く済ませてしまおうという雰囲気は微塵もない。ゆったりとしている。しかし、ペースを崩さず着々と進めていく。

いでたちは、まあ普通の服装なのだが、鎖つきの眼鏡をされているのが印象的だ。つまり、知的な雰囲気なのだ。
この方が一体何のためにこのような奇特なことをされるのか、その動機はまったく謎だし、また知る必要もないことだろう。ただ、何ものにも代えがたい高貴な行いがそこにあるというだけだ。自分は、ただただ敬意を持って感謝の会釈をしなかがらその傍らを通りすぎることしかできない。


今年は東日本大震災もあり、世間には雨後の竹の子のように、にわかボランティアマニアも多く登場している。また、日頃地域でも、ことさらお揃いのユニホームまで作って時々「清掃隊」のような活動をしている人たちも見かける。
ただ、この初老の男性の活動は、そうした人たちとはまったく似て非なるものだ。
だれにも認められず、だれからも評価されず、何の見返りもない。まして歴史に名を刻むようなことはなくても、自ら信ずるところをひたすら継続する。これこそが、わが国に歴史的に培われた価値、大和魂の姿だと、毎朝この男性を見かけるたびに強く思える。



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コメント

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4 ■katouさん

たしかに、まだまだ捨てたものではありません。おっしゃるように肩の力を抜いて、大切なことを見逃さないようにしていたいものです。

3 ■無題

世の中 捨てたもんじゃないですね。いろんな方がいて。
人の評価にも色んな尺度があるとも 感じさせられました。
大和魂、肩の力を抜いて やっていきたいものです

2 ■naoさん

そうですよね。
昔は各町内にこういう方がいました。
しかし現代は平気でゴミを散らかす不届き者が増加して悲しいかぎりです。
そういう自分も5S(整理整頓、清潔清掃、躾)が苦手につき、別の貢献できないか思案中です。

1 ■無題

そうなんです。
20年ぐらい前に走り始めたときに、早朝にゴミを拾っている老人の方がいて感心しました。

今もランコースに同じく毎朝、ゴミをかたずけている方がいます。

自分もいつか引き継がなければと思っています。

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