認知症の高齢者らの財産管理を親族などが行う成年後見制度で、2010年6月から昨年3月までに、石川県内で後見人による着服が3件280万円あったことが分かった。
金沢家裁によると、成年後見制度が始まった2000年に許可した後見開始数は95件だったが、10年には426件と増加。高齢化や本人の財産を使わないと養えない親族が増えたことが要因と見られている。
一方で、着服も判明。最高裁が10年6月~昨年3月間で全国で確認した着服は184件で、被害総額は18億円にのぼった。うち金沢家裁の管内でも3件見つかったことが、同家裁への取材で明らかになった。
背景には、後見人が家裁の許可無く本人の財産を引き出せる仕組みのため、流用を未然に防げない制度上の問題がある。
最高裁は2月から、信託銀行を利用し、財産を管理する「後見制度支援信託」を始める予定。本人の生活費を除く一定額の資産を信託銀行に預け、引き出す際は、家裁の審査・許可が必要となる。金沢家裁では、今月から弁護士や司法書士などの専門家への説明会を始め、準備が整い次第、「後見制度の選択肢の一つとして利用者に提示する」としている。
後見制度の相談を受け付ける「県社会福祉士会ぱあとなあ石川」は「支援信託は強制的でない上、信託できるほどの多くの財産がある人しか利用できないのではないか。弁護士や市民など第三者後見人を増やしていくべきだ」と話している。
2012年1月14日 読売新聞


