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  わけではない / by 岡本信一


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「有機農業に、エセ科学がぴったりはまる」という小見出しから、

「心から善意で無農薬とか有機農業を信じている人たちがいる。善意は、たちが悪い。勉強熱心で努力家の有機農家が、エセ科学にころっとやられる姿を僕はずっと見てきたんで、やばいな、と思います。」と続く。有機栽培農家の久松達央氏談。


以上の言葉は、以下のリンク先の対談よりの抜粋。


「奇跡のリンゴ」から考える日本農業論~農家、商店主が本音で語る食の未来 第1回
http://www.foocom.net/latest-topics/

先日も紹介しましたが、新しいそしてごく当たり前の思考を持った有機農家の登場です。

この対談も連載ということで、今後が楽しみです。


農業において特にこのエセ科学的な話は多い。

現代の日本において、有機栽培で新規就農するなどというのは、相当の変わり者でなければ実行できないわけで、その根性、気持ち、やる気は素晴らしいのだが、真面目で純粋だからこそエセ科学にハマってしまう傾向がある。

また、農業というのは、実は大して科学的ではないので、エセ科学と科学の間の境界が非常に曖昧でもある。

このエセ科学と科学の境界は一体どこにあって、はまらないようにするにはどうしたら良いのか考えてみよう。


実際、農業現場では、科学的に認められていない現象など、ありふれていると言ってよいです。

ですので、学会に認められていないからと言ってエセ科学であるとは思っていません。

問題なのは、久松達央さんがリンク先で述べていることに集約されます。

「今、出回っている農薬は、危険ではなくなってきている。だったら、「自分たちは有機的なアプローチをしている」で済ませればいいのに、有機が優れていると思いたい、という心理が人間にはあるんですよね。そこに、エセ科学がうまくはまっちゃう。」


自らを正当化するために、おかしな理論にハマって主張してしまうという点にあります。


農薬の危険性←消費者に対しては危険は非常に少い

農薬に関連して環境ホルモンのような作用があり、極微量でも危険←既に環境ホルモンに関する危険性は、調べられておりかなり否定されている

化学肥料による害←適正使用の問題で、有機肥料でも殆ど問題は変わらない

F1品種の増殖に関する危険性←俗説で提唱者ですら、可能性として語っただけ

近代農法による農産物の栄養価は低い←根拠なし

放射性物質に対する過剰な反応←一部の過激な論文などを元にした反応が多い

遺伝子組み換え←今後、詳しく触れる予定


多くの安全性・正当な結果は無視して、場合によっては、一度提出され、多くの反証もされている論文を元に理論を構築していることが多すぎるのです。危険というのは、わずかでもあれば主張出来るだけに、それを覆すのは面倒ということを逆手に取った主張が多いということを理解してほしいと思います。


例を上げて書きます。市販されている農薬で発ガン性が確認されたという論文が一つ発表されたとする。

そうすると、この農薬は発がん性があって危険だということを言い募ることが出来る。

仮に反証する論文が10個でたとしても、御用学者の論文だとか、企業の陰謀だとか、政府の圧力だ、様々な理由をつけて反証論文を認めない、などということが日常的に起こっているわけです。

この場合、どちらを信用するのかというのは、試験内容などを見極めた上で判断するしかないわけですが、多くの場合、反証する論文のほうがはるかに多ければ反証論文のほうが妥当性が高いことが認められ、科学者の間では発がん性はないだろう、という結論に至るわけです。


このような面倒な話は、一般的に我々は調べません。そのために、最初の発がん性がある、という論文のみを取り上げ、発がん性があるというような主張が可能になる、と言う寸法です。

確かに常識と考えられてきたことが過去に覆されてきた歴史があるので、これまで常識であったことがある日突然ひっくり返ってしまうこともあります。ですから、ただひとつの論文が常識をくつがえすような内容であったとしても無視するわけにはゆきません。

そのため常識をくつがえすような発表があると、多くの場合、すぐに追認ための調査が行われます。本当に発がん性があるのかを調べる科学者が大勢いるわけです。

仮に様々な方法で検証した結果、発がん性が確認されなかった10の論文が発表されたとしても、報道もされないために、最初の論文の内容のみが記憶に残るというわけです。

調べるのが面倒な我々は、最初の発がん性の話のみを聞かされるということになります。


上記のような場合、科学的態度は、発がん性があるとの報告もあるが、現状では多くの科学者から発がん性が認められないと報告もされている。というような書き方になります。

しかし、これを、○○と言う農薬から発がん性があるとの論文発表があったから非常に危険だ、とだけ書くといかにも正しいことのように勘違いするということになります。

危険を言い募るためには、それなりの根拠を持って行うべきだと思いますが、上記のようなセンセーショナルな取り上げ方をする場合、多くは何らかの意図が含まれており、多くの方をミスリードしようとしているわけです。このミスリードに多くの方がハマってしまう、ということです。そして、これを人に語るということは、ミスリードを誘っているということになります。


更にいえば、危険があるから使用すべきではない、などという単純過ぎる理論は、全く科学的ではありません。


包丁で殺人事件が起きた→包丁危険

入浴剤を利用して自殺が多発→入浴剤危険(ムトウハップという長年使用されてきた入浴剤が、自殺多発による糾弾を受け製造元が製造をやめた)

自動車事故で数千人が毎年なくなっている→自動車危険

飛行機事故が起きた→飛行機危険

水道水には、塩素が入っている→水道水危険(殺菌されていない水道水のほうがはるかに危険)

トラクター特にPTOで亡くなる人がいる→トラクター・PTO危険


ほとんどすべてのものに危険はあり、危険を犯してでも使用する場合、どのように適正に使用すればリスクを最小限にすることが出来るかを考えるのが、理性的、科学的態度でしょう。危険があるということを認め、その危険性に比較して、メリットが小さすぎる場合、使用しないという選択になるわけです。

個人的にこれらの危険性を勘案して、使用しない、というような選択は当然あってしかるべきです。個人の自由ですから尊重されるべきものです。それについてとやかくいうことのほうがおかしいです。

しかし、エセ科学を振り回し、ミスリードを誘うような論理を用いて危険を言い募るということは、科学的な態度とはいえないでしょう。


ですので、本文にあるように、エセ科学を利用しておかしな主張を展開するよりも

「自分たちは有機的なアプローチをしている」

これで充分です。むしろ、このような考え方の方が今後の有機栽培における広がりが望めると思います。

有機栽培をおこなっているということは、上記のような言葉で十分消費者にアピールできますし、むしろ、ミスリードを誘うような言葉を弄するよりも信頼が増すでしょう。

有機栽培を行っている方から、このような過激な言葉が出てくるとは時代は変りました。

今後、このように科学的な態度で主張をする方は大勢出てくるでしょう。これからは、楽しい時代になりそうです。


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