逆日影計算2棟高層の可能性検証 3 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

11月5日土曜日 東京は今にもふりだしそうな曇り空の朝から一転、お昼前には陽が燦々とさしてきた。今日は暖かい一日になりそうだ。

 

今年も残り2月となりました。

 

今週始めの日曜日、渡良瀬渓谷に行ってきまして・・まずはその報告から

恒例のツーリングで今年は渡良瀬渓谷鉄道トロッコ電車で山まで輪行し颯爽と下ってくる予定であったが・・・

 

 

 

 このところ全国の山間地域で熊目撃情報、でかける直前に青梅ではなんと冷蔵庫を開ける熊が撮影された。鳴り物鈴程度ではごまかせそうもなく熊と戦う空手マンでもないゆえ電車は乗るだけで観光を楽しむ事とした。

 

これはすれ違ったトロッコ電車。当方が乗車したのはこれほどの迫力はない。

 

 

まさに渓谷そして

 

紅葉には若干、早かったが日本の里山原風景が広がる。・・・熊まちがいなくいる感じ。

 

終点駅で10分程停車。窓がなくフルオープンの座席もあったがもうさぶい。団体のお年寄りたちがはしゃいでフルオープン座席に乗り込んできたが5分程で一斉に窓有車両に移動してきた。事前の予約が必要だが温かいお酒に、するめで観光するにはお勧め。鉄道鉄ちゃん達のフラッシュを浴びるなど気分も良い。

 

 翌日・・・月曜日だが快晴のチャリ日和。寒さを心配したが気温は前日の真冬並み気温から絶好のチャリ日より。そして全域サイクリングロードの楽勝コース。

 

 

桐生から古河までの約60Km、距離はまあまだがなにせフラットなんとかなる。

 

 

一泊した桐生町中か渡良瀬川に到着するとサイクリングロードが始まる。いざ出発

 

 

いけどもいけども真っ直ぐで平坦道が続く。もはやチャリはこれに限るネ。

 

 

気温17度快晴。もう雨男と呼ばせない。ルンルンだがまだ真っ直ぐ。

 

 

渡良瀬遊水地のススキが風にゆれる。チャリもあきてしばらくススキの中をお散歩。

 

残り2k程でタイヤがパンクくさい。空気をいれると30分程は持つのでだましだましで古河駅無事到着。東北本線古河から小山、両毛線に乗り換え桐生に到着。愛車で一路東京へ。今年も無事終了。そろそろ輪行もしんどくなってきた、来年からは遠方に送り付けて観光ツーリングに変更だ。

 

 

 そして明けて火曜日からまじめにお仕事。行政の方と天空率研究会を2時から5時まで行った。これも恒例でもう5年程続いたかな

 

 従来申請された図をスキャンしチェックしていた事をCADデータからTP-PLANNERデータに変換しチェックする方式に変更。より精度の高いチェックを実現している。するどいまなざしで正確な審査が行われる。・・・らしい。

 

 

 

 さて疲れも残る今週末だが講座を開始したい。日影規制とくに逆日影の実証実験も3回目となる。

 前回は北側の用途地域が1種低層住居地域で日影規制が3/2、受影面が1.5mで区分される場合を検証した。やはり発散方式が土地の有効活用には有効で2棟高層の場合、発散規制ラインの場合閉鎖型と比較しより規制位置が遠くになる為さらに有効に機能する事がわかった。

 

 

 

今回は、北側の用途地域がさらに区分され

 

この様に3区域に区分された。事案の検証を行ってみたい。今回検証の為用途区分線が単線で区分されているが下図の様な曲線あるいは屈曲した線分で区分される場合、その線分を連続線(ポリライン)で作図し上側の用途地域を「連続線切断」する事で前回解説した単線同様に区分され区分される。

 

 

JWCADなど連続線が作図できないCADデータの場合、TP-PLANNER補助線読み込み後、補助線モードで連続線にしたい線分すべてを選択(ドラッグなど)後「合成」を実行する事により連続線にする事が可能になる。

 

 区分された北側の用途地域を選択後、右ボタンめぬいーから「切断」「連続線切断」でさらに北側を2区域に切断する。連続線の端部のベクトルで選択された区域が区分される。区分後はその区域を選択し用途地域を変更後「現在の値適用」で他の区域を設定する。

 

 この屈曲用途堺の方がおもしろそうなのでそのまま検証を続けたい。

まずは1棟高層で解析

 

 

 ダイアログボックス内の「規制ラインポイント間隔」の「発生」ボタンをクリックすると規制時間の幅から対象となる規制ライン上で規制の影響を受ける部分にチェックポイントが発生する。この機能で事前にチェックポイントを発生する事により影響を受ける規制ライン上の部分を把握する事が可能になる。そして「1棟高層型」を指定後、画面内をドラッグし逆日影チャート図をドラッグしながら高層位置を確定後「計算開始」する。

 

 この図でわかるのがそれぞれの規制の時間幅がどの様に建物形状に影響を与えるかを逆日影計算を行う前に把握する事が可能となる。計算は一瞬だ検証しよう。

 

 

前回用途地域北側がすべて一種低層の場合は

 

前回は、カットされた西側円弧側が今回可能幅が広がった様だ。東側のボリュームは変わらない。西側のみ条件が良くなった効果はある様だ。

 

 等時間線で確認しよう

 

 

北西の赤破線分が2時間線でその部分は2時間30分まで可能な為問題なし。発散規制ライン上は3時間の規制ラインいっぱいである事がわかる。用途堺で指定点日影時間が受影面1.5mで2時間規制に対して1時間56分。その位置から半天空図で眺めてみると

 

1時間56分の時間幅による高層棟とその東西赤破線部が1.5mの受影面で確定しておりその高さを若干でも超えると規制時間オーバーとなる事がわかる。

 

 

 今度は2棟高層でチェックしてみよう

これは解析結果の等高線と逆日影チャートを重ねているがやはり西側の可能幅が広くなっている。結果は

 

等時間線と指定点日影では

 

やはり円弧で示す発散規制ライン上の3時間規制が厳しい北側の用途堺は1時間50分で10分のクリアランスを半天空図で確認すると

円弧で示す部分が受影面1.5mの高さ制限で確定するゾーンでその高さを若干でも超えると10分のクリアランスは消滅する事がわかる。

 

 さて本日は最後にさらに近隣商業地域が商業地域で日影規制がない場合も検証しておこう。

 

 

この場合の日影規制は北西側 1種低層 受影面1.5mの2時間、第2種中高層 受影面4mの2時間30分により商業地域のボリュームが確定する。2棟高層でチェックしてみよう。

 

 

結果はほぼ同じ結果となった。がブロック図を確認すると中央部円弧で示す部分のボリュームが前回の結果と比較すると増加している事がわかる。

 

発散規制ライン上の3時間とそれより遠い位置にある用途堺の2時間および2時間30分の時間幅の可能空間がほぼ同じ幅を有していた事よりそれぞれの高層幅はほぼ同形状だが中央部が発散規制ライン上の規制で制限されていた様だ。今回の結果で日影チェックすると

 

 

発散規制ラインと重ねてみたが、日影規制が無い事より無視されている事がわかる。さらにその北西側は2時間30分のラインが用途境界線に近接している事が確認された。

 

念の為一棟高層では

商業地域側は規制ラインを無視しており北西側は2時間30分の規制時間内におさめている事がわかった。

 

 用途地域が異なる場合には、日影チャートの達人でも可能範囲を算出するには容易ではないが今回これらの各逆影計算は一瞬で解析される。

 

CMがはいったところで本日はここまでとしよう。

 

次回は北側の地盤が上がった場合、受影面が高くなった場合にどの程度緩和されるのかなど逆日影計算の能力検証を続けたい。では次回までお元気で!

 

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