2006年02月13日

藤原正彦  『国家の品格』

テーマ:新書
藤原 正彦
国家の品格

アメリカを模倣しろとばかりに、身も蓋もない功利主義が横行し、格差社会が止まるところをしらないご時世にあっては、必ず本書のような類をテーマにしたものが出版され、結構売れたりする。


この本は、講演禄に加筆したものなので、全体的に粗いというか雑な感じがある。かつ論理的な整合性もない。

というか独断と偏見に満ちている。

例えば、こうだ――。

「戦後、祖国への誇りや自信を失うように教育され、すっかり足腰の弱っていた日本人は、世界に誇るべき我が国古来の「情緒と形」をあっさり忘れ、市場経済に代表される、欧米の『論理と合理』に身を売ってしまったのです」

「小学校から英語を教えることは、日本を滅ぼす最も確実な方法です」

「本当に重要なことは、親や先生が幼いうちから押しつけないといけません。たいていの場合、説明など不要です。頭ごなしに押しつけてよい」

「「いじめに対して何をなすべきか。カウンセラーを置く、などという対症療法より、武士道精神にのっとって『卑怯』を教えないといけない」

「人間にとっての座標軸とは、行動基準、判断基準となる精神の形、すなわち道徳です。私はこうした情緒を育む精神の形として「武士道精神」を復活すべき、と二十年以上前から考えています」


すっかりアメリカナイズされた日本の現状に対して、苦々しさを感じている人たちには、よくぞ言ってくれた、と溜飲の下がる思いがするのだろう。

だからなのか、この本はベストセラーになっている。


それにしても、本来あるべき日本、あるいは日本人の理想像を、いまだに新渡戸稲造の『武士道』に求めなければならないというのは、ちと寂しいような気もする。



切れ味: 可


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