音楽家松岡徳郎の日々ありんくりん

「ありんくりん」とは沖縄の方言であれこれの意。沖縄病を患う奈良在住のある音楽家の思うところを専門家、知識人の見解に振りまわされることなく、ありんくりん自由奔放に語ります


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週刊文春7月25日号の記事「『激安ニセモノ食品が危ない』②回転寿司チェーン店編」の全文を打ちました。














「うちの店は、シャリに乗せるだけでいい形に調理加工された寿司ネタを仕入れています。


半分は外国産冷凍パックのものです。


中国やタイ、ベトナム、ロシアや南米など、世界中から運ばれてきます。


カットされている白身魚やイカなどは、見た目では種類はわかりません。


従業員は袋の表示で何の魚かを判断するだけ。


ネギトロ用のパックにはネギトロとしか書いていないので、何のマグロなのかわかりません。


店には魚の目利きが出来る職人なんて存在しません。


海外で作られた冷凍食品を解凍して出しているようなものですから」


こう語るのは、都内の回転寿司チェーンに8年間勤めているA氏だ。


別の回転寿司チェーン店関係者もこう打ち明ける。


「うちは衛生管理には細心の注意を払っていますが、店には寿司職人と呼べる人はいません。


大手ならどこも同じだと思いますが、ロボットが握ったシャリに、パートがカットされているネタを手際よく乗せていくだけです。


店で切るのは、マグロとはまちなど一部の白身魚くらいです」






えんがわはヒラメではない






回転寿司が庶民の外食の定番となって久しい。


日本の外食産業の市場規模は約23兆円だが、寿司店はそのうち約1兆3千億円を占める。


その中で年々成長を続ける回転寿司チェーンの市場規模は約5千億円にのぼると見られている。


庶民にとっては、1皿100円程度で食べられる安さは大きな魅力だが、なぜそんなに安く提供出来るのか。


多店経営に伴うスケールメリットも大きいが、他にも理由が3つある。


安価な代用品の使用と安い外国産のネタの使用。


そして、着色剤や食品添加物などを加えて安い魚介類を寿司ネタに加工していることだ。


まず、代用品の問題から見ていこう。


7年程前までは高級魚を誤認させるような代用魚が多く出回っていた。


例えば、深海魚のアカマンボウをマグロとして出していたり、テラピアという外来魚がタイに化けたりしていた。


また、巻貝であるロコ貝をアワビと表示して出していた店も珍しくなかった。


だが、2007年に水産庁が「魚介類の名称のガイドライン」で表示基準を細かく定めてからは、代用魚のネタは減少してきているという。


それでも、現在も消費者が誤解を招きかねない表示は散見される。


食品化学や魚介類に詳しいサイエンスジャーナリストの中川基氏が解説する。


「寿司ネタのえんがわは、本来はヒラメを使うものですが、回転寿司で出ることはまずありません。


ヒレを動かす筋肉の部分であるえんがわは、1匹のヒラメからは4貫ほどしか取れない。


なので、多くの回転寿司店では、巨大魚のオヒョウやカラスガレイを代用魚にしています。


ただ、ヒラメのえんがわと表示していなければ、違法ではありません」


人気メニューのサーモンも本来はキングサーモンのことを指すが、回転寿司のサーモンの多くは、アトランティックサーモンとトラウト(ニジマス)だ。


これらは本来身肉が白いのだが、天然魚は赤い色素が含まれるアスタキサンチンを含む甲殻類を捕食することから、身肉がオレンジ色になっていく。


回転寿司のサーモンの多くは養殖魚なので、本来ならば身肉はきれいなオレンジ色にはならない。


合成化学物質の着色剤を塗り込んだ餌を食べさせて身肉に色をつけているのだ。


いくらも、鮭の卵より一回り小さい鱒子(ますこ)が使われていることが多い。






養殖魚には様々な薬剤を使用






穴子もいわゆる江戸前の穴子が出てくることはまずない。


ほとんどが中国で養殖されたもので、体長150センチ以上にもなるクロアナゴという巨大アナゴを養殖しているところもある。


また、南米で獲れるウミヘビの仲間のマルアナゴを中国で加工して寿司ネタにするところもある。


今回、取材班は主な回転寿司チェーン12社にアンケート調査を実施した。


代用魚の使用や寿司ネタの原産地、カット加工されている寿司ネタの種類などを尋ねてみた。


だが、アンケートに回答したのは、「海鮮三崎港」、「元気寿司・すしおんど」、「すし銚子丸」の3社のみだった。


回転寿司市場の約6割を占めるトップスリーの「スシロー」、「かっぱ寿司」、「くら寿司」は、揃って回答を拒否した。


取材班は表にある店すべてに足を運び、主な寿司ネタを実際に食べてみたが、概して価格の安い店ほど、代用魚の使用や外国産の使用、加工の割合が多いという印象を持った。


ネタの産地に関しては、ホームページに記載している店も多い。


詳しくは表を見ていただきたいが、外国産の割合は4分の3から5分の4ほどとなり、ほとんどが外国産と言ってもいい。






外国産の問題と添加物などの使用を伴う加工の問題は密接に関連しているので、ここからはこの2点について見ていきたい。


寿司業界には、「ネタ屋」という寿司ネタの卸しを専門に扱う水産加工業者が多数存在する。


業者が加工を委託する工場は、中国を中心に、ベトナムや台湾、韓国などアジア諸国に点在している。


中でも中国での加工が圧倒的に多い。


ヨーロッパや南米、北米などから中国に魚介類を運び、寿司ネタに加工しているのだ。


ある水産加工会社社員は企業秘密ともいえるコストの内訳を説明してくれた。


「例えば、チリ産のサーモンは中国でカットされることが多い。


サーモンを100円で出す場合、店舗の人件費や経費が10円、シャリが8円。


日本でネタを加工した場合の加工代が10円で、ネタが一切れ20円以上だとすると、原価率が50%を越えることもある。


ところが、あらかじめ中国で加工すれば、加工代は3円程度で済む。


1円でもコストを抑えたいというのが経営側の本音ですから、外国で安い魚を買い叩き、加工は中国で行って原価率を低く抑えているんです」


中国食品の危険性の問題は本誌でも再三取り上げてきたが、中国や東南アジアの加工工場の衛生状態には個々に大きな差がある。


日本の企業が資本参加しているような大きな工場は衛生管理が行き届いているが、小規模工場の衛生状態は決していいとは言えない。


「魚をさばくことなど、どうしても人の手で行わなくてはいけない作業は、沿岸部の小さな加工工場で行うことが多い。


そういう工場は浄水も不十分で、大腸菌などの心配があります」(食品メーカーの中国担当者)


実際、厚生労働省が発表している「輸入食品等の食品衛生法違反事例」を見ると、中国、ベトナム、インドネシア、タイ、韓国から輸入された魚介類から大腸菌などの細菌類が検出されているケースが相次いでいる。


エビ、イカ、フグ、タコ、えんがわ、ウナギ、ウニ、しめさば、ホタテ貝、穴子、サーモンなどで違反例が見られ、衛生面では大きな不安がつきまとうのだ。


また、養殖される穴子やウナギ、エビ、カレイなどは、養殖や加工の段階で様々な薬剤が使われている。


中国やベトナムの養殖場は、下水が流れ込む川の水をそのまま引いたり、狭いイケスで短期間に人口飼料で大きく育てるため、魚のストレスや餌の食べ残しによる水質汚染が原因で病気が発生しやすい。


それらを防ぐために、大量の抗生剤、ホルマリンなどの薬剤が使われている。


最近では、ベトナムの養殖場でエビの病気が大量発生した。


「回転寿司のエビは養殖物だから、いろんな薬剤が使われています。


やせ細ったエビでもポリリン酸ナトリウムという添加物を加えると、甘エビや蒸しエビがプリプリになるんです」(前出・水産加工会社社員)


ポリリン酸ナトリウムとはリン酸塩の一種で、海老の保水剤として用いられているが、摂り過ぎると、体内のカルシウムとリンのバランスが崩れて、骨の成長を阻害し鉄の吸収異常などを引き起こす可能性がある。


この薬剤は加工助剤なので表示義務がなく、pH調整剤として一括表示されていることから、その存在を知る人は少ないのだ。


養殖エビは、黒変防止剤として次亜塩素酸ナトリウムを使うケースもある。


これは、強酸性物質と混合すると有毒な塩素ガスが発生する薬品だが、食品添加物としても基準内の使用が認められている。


漂白効果と保存効果があり、酸化防止剤として使われている。


添加物に詳しいジャーナリストの安部司氏が語る。


「寿司ネタの蒸しエビには20~30の添加物が使われているのではないでしょうか。


加工煮穴子も添加物が多く、人の手が入るというのはそういうことです」


ウニにも食品添加物が使用されている。


身崩れや変色を防止するミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)という食品添加物で、使用すると苦味が出やすい。


東京・渋谷区ですべての食材を無添加で提供している「鮨大内」の店主である大内久司氏は、ミョウバンを使用していないウニを探すのが難しいと話す。


「近年は、塩水ウニという、海水と同じ濃度の塩水に漬けられたミョウバン無添加のものが人気です。


でも、これも本当は無添加ではなく、ミョウバン液を薄く塩水に混ぜて苦味が出ないようにしているだけのものが多い。


また、安いウニは輸入物が多いですね」


近年、ウニは中国からの輸入量が増えているが、昨年中国産の生食用ウニから、食中毒菌の腸炎ビブリオが基準値の14倍以上も検出されたことがあった。


また、ある回転寿司店の経営者は、奇形魚を出荷している業者もいると話す。


「『フィーレ』というおろした状態やサク取りした状態で流通しています。


おろしてしまえば、奇形かどうかはわかりませんから。


日本の養殖の現場でも、ホルモン剤や合成抗菌剤を使っているところもあるので、どうしても一定の割合で奇形魚が出てしまうのです」


養殖魚はイケスの中で過密に育てられるため、周囲の網でどうしても魚体が擦れてしまう。


鱗がはがれたり、ヒレに傷がついてしまうキズモノが出やすい。


そうした商品価値が低い魚を専門に買い取る業者が、奇形魚も引き取るのだという。


「バレなければいいという悪質な水産業者がまだまだいるのが実情です。


日本では禁止されている有毒ガスの一酸化炭素を外国でマグロやブリに吹きかけて輸入する業者もあります。


実際にその現場を見たことがありますが、あれはすごい。


品質が悪くなって黒ずんだマグロに浴びせると、見る見るうちに赤みを帯びてきて、うまそうな血合いの色に変わっていくんです」(前出・水産加工会社社員)


マグロには「うたれ」という皮下出血や血栓が出る場合がある。


漁法やシメの方法、放血、冷凍などの過程が悪いと出るものだ。


今回、取材した中でも、こうした「うたれマグロ」を、大トロとして出していた店があった。


「一般の寿司店では返品するか、生で出さないで調理してしまいます。


お客様にそんなものを出すと怒られますから」(前出・大内氏)






ネギトロは人口油脂でとろみ






こうして返品されたマグロは、大量に安く仕入れる回転寿司店に再び卸されることがあるという。


マグロに関しては、人気メニューのネギトロが要注意だ。


本来のネギトロは中落ちと言われる部位で作るものだが、回転寿司店では安価な赤身の部位を使用することが多い。


脂が少ないため、ショートニング(クリーム状の食用油脂)や雑魚の魚油などを混ぜるのだ。


「ショートニングはトランス脂肪酸の含有率が高いことが問題です。


心臓疾患や血栓の原因になり、アメリカや韓国では、ショートニングの使用は外食店でも表示しなければなりません。


ネギトロに入れる人口油脂の『トロミユ』という商品があるのですが、これはショートニング系の半硬化油です。


冷やすと固くなるので、寿司ネタにするとちょうどよくとろみが出るから人気なんです」(前出・安部氏)


実際に回転寿司店を回ってネギトロを注文してみたが、醤油に少しつけただけで油が染み出してきて、小皿いっぱいに広がるものが多かった。


ネギトロには他にも、油を安定させるための乳化剤、旨味をプラスするための化学調味料やグリシン、保存目的のpH調整剤などが使われている。


「食の安全を考える会」代表の野本健司氏が言う。


「納豆巻き用の納豆にも、添加物として化学調味料や酸化防止剤などがよく使われています。


加工度の高い『××マヨサラダ軍艦』などと言ったものにも添加物は多量に加えられています。


業務用のマヨネーズには、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、保存料などが使われているものが多いのです」


寿司に必要不可欠なシャリも、外部の炊飯加工会社に委託して鮓飯の状態で運ばれるケースが多い。


「本来、寿司の合わせ酢は、米酢と砂糖、食塩、昆布だしが基本。


でも、多くの回転寿司店では、米酢に比べて4分の1から10分の1という安価な醸造酢に化学調味料やpH調整剤、人口甘味料などの添加物を加えています。


つまりシャリの味付けにもニセモノ調味料がたくさん使われているんです。


最近では醸造酢よりも安価な合成酢というものまで登場しています。


本物の醤油ではなく、脱脂大豆から作られる醤油風調味料を出しているところも多い」(前出・大内氏)


今回の取材では、回転寿司チェーンに使用している添加物についても質問したが、この質問に回答したのは、「海鮮三崎港」だけだった。


そこで、添加物を使用している寿司ネタは、穴子、甘エビ、イクラ、紅ずわい蟹、真だこ、うなぎ、白魚、ネギトロ、ウニだった。


表にもある通り、何の回答もしなかった会社が9社、そのうちホームページで原産地の表示もしていない会社は4つもあった。


庶民にとって回転寿司店は、安価に寿司を食べさせてくれる有難い存在だ。


だが、少なくともその寿司ネタがどこでどのように加工されたのかは、客に知らせるべきではないか。







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