走っているときのこと 中
テーマ:noriiiの日々23kmを過ぎて大阪城へ向かう登り坂までくると、さすがに足はパタパタ鳴りましたが、
環状線マラニックを引いてくれた沿道のナーさんに励まされ、25km地点を1:55で通過しました。
28km関門閉鎖の2:10にむけ、残り3kmを15分以内で走りきらなければなりません。
体はついてこないのに、気持ちだけがひどく焦ります。
すると、一昨年の宮古島でご一緒させていただいたマヅカさんが
大阪城公園の入り口でほんわかとデジタルカメラを構えているのが目に入りました。
「あぁぁぁ、マヅカさァ~ん!!」「あぁぁぁ、田尻さん・・・」
ご本人が私に気づいたころには時すでに遅しといった、ユルさがいい感じの写真をとってくれました。
エリート選手が勝負ポイントとしている大阪城を左に望む梅園の激坂を一気に下り降りると、
麻痺していた足の感覚がようやくよみがえってきました。しかし、寒さはひどくなるばかり。
関門になんとか間に合わせなくてはと時間との辛い戦いを繰り広げていると、
ハーフを走り終えたモリタさんが「タジリ、完走してや~!!」と私を呼びました。
そうだ!!完走だった!!関門ではなく完走を目指さなくちゃ!!
この日「完走」と言う具体的な言葉を聞いたのはこのときだけ。
モリタさんの声援で覚醒しました。
そのすぐ先では、毎土曜日に勝手に練習会に参加させてもらっているクロスランの皆さんが
達筆で私の名前を書いた紙を掲げ、大きな声で応援してくれています。
勝手にくっついて走っているだけの私を、仲間と同じように応援してくれたことにとても感激し、
クロスランというチームの懐の深さと暖かさが胸に沁みました。
ずっと待ってくれていただなんて、なんと暖かいチーム、一緒に走らせてもらえて、本当に良かった!!
更に歩を進め約束の時計台まで来ましたが、チームアンカーの面々が見当たりません。
この雨だもの、さすがに待っていられないよねェと自分に言い聞かせた矢先、
集団が銘々に私の名前を呼ぶ大きな声が聞こえました。
そうか、ここにいたのか!!
大阪城公園の出口付近で、ハーフの完走バスタオルで雨をしのぐみんなの姿が目に入り、
冷たい雨の中で長時間待たせてごめんなさいという気持ちと、
やっとみんなに逢えたという安堵感が入り混じり、胸が熱くなりました。
そしてみんなの熱い声援から、こんな私に希望を託してもらっていることを改めて実感、
なんとか無事、鬼門28kmを2:09ですり抜け、完走を誓いました。
勢いにのって30km関門を閉鎖2分前の2:18で通過しましたが、
寒さで手がかじかんでエイドのスペシャルを取れないため、立ち止まり両手でボトルを挟み取りました。
寒いなぁ、こんなに寒いのは中学時代の真冬のレース以来だわと、鶴橋にたどり着くと、
道路の向こう岸から、往路で笑わせてくれた愛ちゃんが今度は祈るように激を飛ばしてくれます。
「っのりちゃ~んっ!!がんばれ!!のりちゃ~ん!!のりちゃ~ん!!」
色白美人で学校のアイドルだった愛ちゃんの大声を聞いたのは、20年来初めてのこと。
どれだけ心配しながら待ってくれていたのだろうと思うと、
一緒に走った学生時代のことよりも、関西で一人で肩肘を張って生きる者同士、
一緒に悩んだり泣いたり、もう実家に帰ろうかと夜な夜な話し合ったことを思い出しました。
そして、ずっと心の拠り所にしてきた愛ちゃんの愛情を背中に浴びながら、
その声が聞こえなくなるまでずっと手を振りながら走りました。
これまでたくさんのドアを開けてくれた愛ちゃんが、最後のドアを開けてくれました。
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