《熱烈に愛された美女》小野小町 6 | 守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

弱音を飲み込み、人に頼られるのが得意な長女タイプのあなたへ
ふとしんどさを感じたとき、気軽に愚痴を言える相手のような
自分だけの守護神をさがしてみませんか?

最後のパターンでは、小町は百夜目を前に逃げ出します。

 

百回目の夜、ウキウキと通ってきた深草少将が見たのは、無人となった小町の庵。

 

「おのれ、あの女!約束をたがえたな?!」

すぐさま踵を返し、小町を追いかけるのです。

 

一方小町はそう遠くへは逃げられていませんでした。

お姫様の足ですからね。

すぐに追い詰められてしまいます。

しかし彼女を救ったのが、側仕えの女房。

 

「そのうちかけをお授けください」

小町の衣装を着て、少将の前に飛び出し、走りだします。

その先にあるのは大きな池。

 

追いかけてくる少将の腕を交わし、彼女はそのまま池へ飛び込みます。

 

続いて飛び込む男。

しかし、冷たい水の中でもがきながら、女が小町でないことに気づいてしまったのです。

 

「おのれ。女房を殺してまで、私から逃げたいか」

怒り狂った深草少将は、大蛇に化身し、小町を追い詰め……るのかと思ったら、「呪ってやる!」と一声。

水に沈み、池の主となったのでした。

いやいやいや、大蛇にまで化けたんなら、追いかけようよ。

わからぬ。

 

一方小町は池のそばに庵を結び、尼となって二人を弔いながら、後生を暮らしました。

 

 

 


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