官能小説 他人に抱かれる妻

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「あ~、うちの店もこれくらいおいしいもの出さないとやっぱり駄目よね~」

有機栽培された食材を使用した週替わりメニューが売り物の小さなレストラン。そこでランチを食べながら、裕子は友人にそう話しかけた。


今週のランチ、「シンガポール風チキンライス」を注文した2人は、チキンの茹で汁を使って炊き上げたご飯を堪能しているところだった。

「でも、レストランというよりもカフェなんでしょ、裕子さんのところのお店は」

裕子と食事を共にする友人、珠代は、テーブル越しに裕子を見つめ、微笑みながらそう声をかける。


長女が通う幼稚園で知り合った裕子に初めてランチを誘われ、珠代は駅前の裏通りにオープンしたばかりのレストランにやってきた。2歳になる下の娘は実家の母親に預けてきた。4歳になった長女は今日もまた幼稚園だ。入園して2ヶ月程度、すっかり幼稚園に慣れた長女は、毎朝、はしゃぎながら通園バスに乗り込んで幼稚園に通っている。


浩介と珠代が今のアパートに越してきたのは、次女が産まれてからである。実家がそれほど遠くないとはいえ、近所には珠代の同年代の友人はなかなかいなかった。勿論、公園で娘たちを遊ばせていれば、自分と同じような世代の女性に出会うことも多かったが、特に深く付き合うというわけでもなかった。しかし、今春の長女の幼稚園入園をきっかけに、それは少しばかり変わりそうであった。珠代は、今後友人となれそうな女性達、何人かに出会うことになった。


それは珠代が幼稚園PTAの役員になったことが大きかった。PTA役員は全部で25名ほど。当然、どの役員も子供を幼稚園に通わせている母親ばかりだ。役員決定後まだ1ヶ月程度だが、既に会合は頻繁に開かれ、互いの親密度は一気に増していた。珠代は「ベルマーク係」として、子供たちから集められるベルマークの集計とりまとめ、という役割を担うことになった。


意識しない人間にとっては、もはや疎遠なものといった印象だが、ベルマークは食品、文房具、洗顔商品その他、依然として多くの商品に印刷されている。子供たちはそれを切り取り、教室内の専用箱に随時提出をしている。ポイント数、形も様々であり、その仕分け、集計作業は簡単なものではない。金銭が絡んでくるだけに、ミスも許されない業務だ。どう進めるべきかいろいろと試行錯誤する中、一緒に相談をする相手が、同じ「ベルマーク係」となった裕子であった。


裕子には、今年5歳になる、年中クラスに通う息子がいた。裕子と珠代は、お互いの家はやや離れていたが、連絡を取り合うことも多く、互いの境遇についても少しずつ語り合う仲となっていた。話題はやはり子供のことが中心であった。性格、食べ物の好み、好きなTV・キャラクター、そして病気のこと・・・。語り合うことはいくらでもある。男の子と女の子では随分と違いがあり、それがまた面白く、話を弾ませた。そんな子供達の会話が一段落したときに、裕子が口にしたのが、レストランの食事を褒めるそのセリフであった。


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