2017年02月15日

戦後1

テーマ:アィホンから
東京駅そばの綺麗めビジネスホテルのチェックアウトは11時、時間ギリギリまてお部屋でイチャイチャする四十路の男女。

他人ならきっしょく悪さでゲーでる感じだが、オノレのことなら、気持ち20代に劣らないドキドキ感。アッタマおかしくなってんだろな、アレ。ホルモンバランスだだ崩れのぉ早め更年期かもしれなぃ、のの。


この前に、彼と東京で会ったのは11月だった。
あの時は何もなかった夜を越えたものの、翌朝さぁ2人で府中へ繰り出そぅというタイミングで触れ合ってしまった。そのまま競馬はどこへやら、新幹線の時間ギリギリまでやりまくったあの時は直線コースに辿り着かずじまい。

しかし今回は彼の部屋ではなくホテルだ。ダラダラ時間を過ごすわけにもいかない。
2人で東京競馬場に向かう事にした。


彼は時々競馬には行くようだったけれど、それはスクラッチカードを買うのと同じような感覚だといぅ。
なんとなく気に入った馬を買ってみる、人に聞いて馬連とやらが当たりやすいと聞いて選んでみる。
そんな競馬を時々しているだけで、馬柱のの読み方も馬主や調教師の関係、中央競馬と地方競馬の違いもわかってないようだった。

電車で府中に向かう途中、ののはいつものスポーツ新聞を買った。

競馬のページだけを抜き取り、残りをこれいらなぃと彼に渡した。
彼はエロページの「スマホばかり触る女には構ってやればすぐヤレる」という記事を指差し、「ほら、こんなこと書いてあるで」と笑顔でののを見た。ののは笑顔で「うん、構って構ってー」と彼の腕を掴んだ。


土曜の府中は空いていた。

とても居心地のいぃのんびりした府中で、ののはひとつずつ彼にレクチャーした。

「馬柱は、上から読むの。父と母父をチェックして上位にシルシ。位置取りは、先行馬のすぐ外が優位、騎手相性は連帯5割以上が最低条件。レースは上から下に時間軸が流れてるから、今回の条件に近いレースで3着までに入った経験があるのを…」


基本的なことばかりだけれど、彼はののの新聞を見ながらふんふんと頷いてぃた。


次はパドックにご案内、やる気がある馬は外側を歩く。後ろの牡馬を気にする牝馬の癖や、バネのある首元をしっかりチェックすること、そして騎手が跨ると変化する気性を見極めること…


この日ののは久々の競馬だったが、どのレースでも1頭だけ選べばその馬はみな3着までに入ってくれた。馬券が1枚もゴミにならないののを見て、ほとんど払い戻したことのない彼はすこぶる関心していた。


あれは何レースめだったろうか。

古馬の混合戦、美浦の5歳牡馬を栗東の4歳牝馬がパドックで追いかけ回していた。のんびりヤル気のない牡馬はパドック内よりをポツポツと歩くだけ。しかしその後ろからずっと話しかけてちょっかいかけてく栗東の古馬牝馬。牝馬の厩務員さんは必死で彼女の顔をパドックの外へ外へと押しやり続けていた。


「ほら見て、あの牝馬、オーサカのおばちゃんゃわ。東京ののんびりしたオッサンに『どなぃどなぃ?今日走るん?ここどんな感じなん??』ってずっと話しかけていっとるやん。東京のオトコは関西のオンナにはまったく興味なぃ感じで無視ゃな、でも関西のおばちゃんはシツコイでーなっ」

1組の牡馬と牝馬が自分ゴトのように見えてくる。


結局パドックをぐるぐる歩く約30分間、牡馬は1度も牝馬の方を振り向きもしなかったし、牝馬はそれでも最後まで牡馬に話しかけているよぅに見えた。


「のの、あの関西のおばちゃんかおーっと!話しかけ過ぎて、パドックで疲れてるかもしれへんし、レースに体力残ってるか分からんけど、決めたっ、あのおばちゃん応援する!」


そういってののは彼女の複勝だけを500円買った。


レース全体の流れは覚えていない。


ののは1組の牡馬と牝馬しか見てなかった。
道中、牡馬はずっと最内3番手くらいに位置取りをしていたし、牝馬はその2馬身後ろくらいを走ってぃた。パドックと同じように牝馬は牡馬の三歩後ろを走り続けたが、最後の直線で牝馬はラストスパートをかけて牡馬に並んだ。

並んだ時に、牡馬の方に少し首を向けたように見えた。そのまま牝馬は牡馬を抜き去り、レースの2着にくい込んだ。


関西のおばちゃん、東京のオトコを抜き去る時、

「あんた、行かへんの?行かへんのんか?ここラストスパートすっとこやで。あんた行かへんならうち行くけど、ええ?大丈夫かぃな、あんた」

そう言ったようにののには見えた。


レースの後、勝ち馬券を手に「うち、あのおばちゃんと一緒に今夜オーサカに帰るわ」とののが笑ぅと、彼も笑顔で「そうやなぁ」と笑ってくれた。



彼の馬券はなかなか当たらなかったが、メインレースでようやく当たった。ののが新聞に有力3頭の丸印をつけたのをみて、一緒に選んだ2頭が1着2着にちゃんと入ってくれた。


「うわっ、オレマジでちゃんと取れたん初めてかも!スゲー!!」


彼は素直に喜んでいたし、
ののは素直に、彼が競馬を面白いと感じてくれるといいな、と思った。

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