薄闇シルエット

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角田 光代
薄闇シルエット

角田さんの最新作ですね。

題名と装丁でなぜか?そうとう期待できそうだ(笑)と思っていたのですが

期待以上でした!


20代後半~30代後半くらいの幅広い女性が、登場人物の誰かに

絶対に共感できると思います

そして、自分とは違うタイプの登場人物の気持ちも痛いほどわかってしまうんだ


各章の題名と内容がしっくりしていて、その章ごとに感じること

共感すること、ホロっとすること。

女の子の心の中を書くのがうまいなーー、ほんと。



「自分は何も持っていない」


私も幾度となくそんな風に思うことがあった

「やりがいのある仕事」

「素敵な彼氏」

「将来の目標」

「暖かい家庭」

今だったら「子供」も含めて。


どんなに仲良くしていても、なんでも話せる相手でも、ましてや姉妹であっても

どうしても比べてしまう、妬んでしまう。そして優位にたちたいと思ってしまう

女同士ってめんどうくさい


些細なことで、すれ違って、疎遠になってしまう

興味のあることが変わり、会話がかみ合わない。

お互いを牽制し、プライドを守るための会話。

自分を置いて、前進しないで。


それをドロドロと嫌なものとして書くのではなく、ほんとに共感できるものと

して書いてあるところがすごいです。

ハナもチサトもナエも母もキリエも、みんな一生懸命。みんなカワイイ


女性の、みっともなくて見栄っ張りでずるくて、幸せになりたがりで、でもとてもカワイイところを

ちゃーんとわかって書いてあります


何が幸せか?誰が勝ち組か?

そんなことは誰にもわからない。

こうなったら幸せだな。と思うことが、実現してみたらホントに幸せかもわからない。


手作り教の教祖と化した母の手に入れたかったもの。

チサトが手に入れ選んだ、つまんないこと。



「いくつになってもその人はその人になっていくしかないんだから、他人と比べるだけムダだよ

きょろきょろ人のこと見てる間に、あっというまにおばちゃんだよ」


最後にチサトの言うことは正しい

でも、どうしてもきょろきょろしてしまうし、人が手に入れたものを自分も欲しいと

思ってしまうんだな。


「誰にもどこにもいって欲しくない」

私も何度も思いました。

あのモヤモヤした気持ちをこれだけ的確に言い当てた

のはすごい

友人が彼とうまくいってても、結婚するときも、仕事を独立するときも、

そのこと自体を心の底から喜んであげれた?と思うと、どっかで「あー、今までみたいに

遊べなくなっちゃうな」とか自分基準で考えてるんだよね。

ずっと自分と遊んでいて欲しい。ずっと自分と同じ仲間でいてほしい・・・・



とてもリアルで、かわいい女性でいっぱいの本

自分もこの一人なんだ。

欲しがり屋なのに、やりたくないことばっかりで、人と比べて落ち込んでしまう

そんなカワイイ女なのだ。


超、お勧めですね!

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