夜になってまた更新!

つづいては、主演のエイドリアン・ブロディの
出演作を漁っていて、気になって観た一本です。
『デタッチメント 優しい無関心』(11)。
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高校の代理教師として赴任してきたヘンリー。
だが学校は荒れ放題。
ヘンリーも、舐められっぱなしの教師や
過干渉な子どもたちの親など、数々の問題を目の当たりにすることに。
そんな折、売春をして生計を立てている少女・エリカと出会い、
彼にもちょっとした変化が見え始める…。

いわゆるモンスターペアレント、
学級崩壊などのテーマを扱った作品。
教師たちのストレスや、追い詰められた学校の行く末は
観ていてモヤモヤする。…けれど。
この作品の本質はそこではないのだと思います。

ブロディ演じるヘンリーも、実は心の奥底に何かを抱えている。
誰だってそう。
何も持たずに生きている人間なんていない。
それが大人でも子どもでも関係ない。
私もそうだし、読んでくれているあなただってそうかもしれない。
それを「わかった」ようなフリで近づくのは偽善ではないか?

だからこそ、期待せず期待させず、
傷つきたくないし傷つけたくない優しさ故の無関心で
ヘンリーは人と接するのだけれど、
敏感な生徒にはその核心を突かれてしまう。
そしてまた自分もエリカと関わることで、
あたたかな未来を想像し期待してしまう。

本作はただただ胸がギュッとなり、
何も解決なんかしない作品です。
ただ一つ思うのは、
よく「好きの反対は嫌いではなく無関心」と言うけれど、
ある程度無関心な方が、誰かを傷つけずに済むこともあるのだと、
教えてくれる作品なのかもしれないなぁ…。

とにかくブロディの悲しさを全て背負って、
それでもなお優しく微笑む姿はとても魅力的。

たくさんの方に観てほしい作品です…カナヘイきらきら