「圧倒的なNEGiBANDライブ!」 at 東京キネマ倶楽部 | 計画をねりねり・・・・・・。

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思いつくままにオッサンが、Negicco、WHY@DOLL(ほわどる)を筆頭とする音楽、そして映画や読書のことなどをゴチャゴチャと。


  


 
12月に発売された Negicco 「圧倒的なスタイル-NEGiBAND ver.-(完全生産限定シングル) 」
これを購入すると、
  2016年2月2日(火)東京・キネマ倶楽部 19:30~
   「プレミアムワンマンライブ」
このライブに参加するための、チケット先行受付シリアルナンバーが封入されている。
応募者多数で抽選になったようだが、
自分は幸いにも当選したので当日がひたすら待ち遠しかった。

ただ、このライブの位置づけがいまひとつ理解できないでいた。
2月14日、新潟から始まるNEGiBAND帯同の全国ツアー、
それとまったく同じ形状にもかかわらず、全国ツアー初日というわけではない。
さらには、 「プレミアムワンマンライブ」 という名称。
“プレミアム” を直訳すると、特別賞与、報奨金という意味で、
ということは、CDを購入してくれた方への “おまけライブ”、という意味合い。
でも形容詞ならば、“高級な” という意味になり、 “高級なライブ”。
会場も、かつては高級キャバレーだったという。
そんなこんなを踏まえて、自分のなかでは勝手に、
“主にファンクラブ会員を対象とした特別に高級なライブ” という解釈を持って参戦した。

   

整理番号は300番台後半、
開演30分前に到着するとすでにその番号に入場を行われていたので、
エレベーターで6階へ。
6階がこのライブハウスの2階エリアに当たり、ここにはシート配列されているのだけれど、
関係者席として使用されるようで、
開かれていた扉からは、シートの背もたれに “予約席” と書かれた紙の貼られているのが見えた。
階段を下りるとライブフロア。
右奥にあるドリンクバーにて、コインで交換したウイスキーを煽ってから、スタンディング。
2階席が1階ライブエリアの後方1/2ほどまでせり出しているので、
それが視野に入ってきてほしくはない。
なんとか頭上にかからないエリアのやや左に立つ。
最も左には、女性専用エリアが設置されている。

場内は照明を落としているため、会場やステージの詳細がよくはわからないけれども、
客席は3階席まであり、天井も高く、ぜいたくな造りであることは把握でき、
かつての栄華が十分に忍ばれた。



19時40分、10分遅れで長谷さんプロデュースのいつも出囃子。
バンドのメンバーが位置につく。
続いて3人がステージに登場し、いつもの立ち位置に。
ライトが一斉に灯る。
眼の前に一気に別世界が広がる。

3人はマイクを握り締め、
いま、まさに歌い出さんとしている。
すかさず、バンドが演奏を始める。
イントロが流れる。

「カナールの窓辺」
まず、Nao☆ちゃんが歌い始める。
彼女の歌声が、耳からこちらに染み込んでそれが自分の全身に伝わってゆき、
ふたたびそれが上昇してきて、自分の瞳をうっとりと潤ませてしまう。
つづいて、かえぽの歌声、そしてぽんちゃ。
3人の歌声は、
NEGiBANDの上品でエモーショナルな演奏と重なり合い、混ざり合って、
非日常な世界へ聴くものを誘ってくれてゆく。
まさに “プレミアム” なライブ。
スローバラードで、聴かせるこの曲を1曲目に持ってくるとは。
3人、そしてNEGiBANDの自信と覚悟、そして心意気に感じ入ってしまった。
こののちの展開に、ますます期待が高まってゆく。


「新しい恋のうた」
Negiccoの楽曲で、自分的にはベスト5にランキングしているこの曲。
connieさんの、小西康陽さんリスペクト感が満載されたこの曲は、
都会的でソフィスティケートされたセンス、
さらにはこの曲のコリオもとてもおしゃれで可愛らしく、
それらすべてが相まって、Negiccoの3人の魅力を引き出している。
今夜の3人は、一段と素敵だ。

  Nao☆ちゃん、
ポニーテールがとても愛らしく、フェイス全体がシャープになった印象とともに、
まさにアイドルグループのセンターにふさわしい。

  かえぽ、
その眼から感じるのは、パワフルさだ。じつに力強い。
自分のパフォーマンスに自信を持ててきている様が、その眼からうかがえる。

  ぽんちゃ、
ダンスも歌も、安定感がハンパない。
彼女のパフォーマンスは、観る者のココロを明るく広くしてくれる。


  3人の衣装、
まったく同じように見えるのだけれど、よく見ると、
袖口のフリルの形状が、三人三様。
Nao☆ちゃんのが一番大きな幅を採っていて、それにともなって模様も大きい。
かえぽのはもっとも小さな幅なフリルだけれど、模様が繊細。
ぽんちゃはその中間。
そんなフリルの違いもわかった上で3人を眺めているのも、実にご趣向。



「For a long time」
はじめて聴く曲。
Nao☆ちゃんが中学生のときに作詞した曲だそうだ。
そのことを、歌う直前に告げられて聴いていると、
Nao☆ちゃんが、中学生時代に校庭で佇んでいるその背中が見えた気がする。
それとともに、
新潟の空気が自分を包んでくる、
新潟の空の下に自分もいるような気配に感じられてくる。


「クリームソーダLove」
これも作詞はNao☆ちゃんだから、Nao☆ちゃんワールド全開だ。
そんな世界観に身を委ねる心地よさ。
そして、この2曲でも、またしても涙腺を刺激されてしまった。
真藤さんの演奏する鍵盤ハーモニカの音色がなんともいえずこの曲に合っていて、
何度かそちらに視線を送ってしまう。


「おやすみ」
この曲のステージを見ていて、
いまごろになってようやく気づいたことがあった。
それは、Nao☆ちゃんの指と手の動き。
Nao☆ちゃんは、自分で身体が硬いことをボヤいているのだけれど、
ところが、指と手のしなやかさは3人でもっとも秀でている。
スローなテンポのこの曲は、
もちろんそれとともにコリオもスローなわけで、
それは手指の動きも含めてのことだけれど、
その手指のNao☆ちゃんの動きが実に繊細で微妙で、
その手指の動きを眼で追っていると、
おのずとその動きの残像が現れてゆくように感覚になる。
自分なりの新しい発見。


前半から中盤は、
ミディアム、スローテンポな曲を取り揃え、
聴かせることに重きを置いていた。
「GET IT ON」 がその締めで、
一瞬早く、かえぽが歌いだしたのはご愛嬌。
僕らも、3人とNEGiBANDの奏でる楽曲の心地よさに身をゆだねていた。

その心地よさは何者にもかえがたく、
それは昭和な香りをいまだ残しているこのライブハウスの雰囲気が、
みんなを包んでいることもあるからかもしれない。
中2階ステージからは、ネギホーンズの3名が管楽器で参加していて、
それがまた、贅沢さをさらに醸し出している。
この3人は、今日と、それからツアー最終日だけの参加で、
それ以外のツアーライブはベース、ギター、2名のキーボード、そしてドラムの5名によるNEGiBAND、
そしてNegiccoの3人、合計8名のツアー編成。
今年8月の日比谷野音でもNEGiBANDの演奏を従えていた3人だけれど、
NEGiBANDの演奏がNegiccoの楽曲を野音よりもかなり熟成してきていて、
それによってNEGiBANDと3人の親和性が高まり、
そして、3人のパフォーマンス自体も野音からさらにレベルアップしている。
もう、明らかに、アイドルという域を超越してしまっている。
酸いも甘いも苦いも噛み締めてきた大人な人々も、十二分に楽しんでいただけるステージ。
このステージを、できるだけたくさんの方に知ってもらいたいと、痛切に感じた。


と痛感したところで、
「光のシュプール」
瞬く間にネギヲタ、つまりはドルヲタの世界が展開する。
「オイ、オイ、オイ、オイ」 とコールし、
「かえぽ」 「ぽんちゃ」 「なおちゃん」 と名前をコールするのも、
たまらないほどに楽しいのだ。
先ほどまでのラグジュアリーな空気が、
アクティブで一体感あふれる、いわゆる “現場” に一気に変貌するのだから。
こんな芸当を行えるアイドルユニット、わが国に他に存在しているだろうか、
いや、ありはしない。唯一無二。

ここまできたら、あとはひたすら盛り上がるだけである。
「さよならmusic」
「ねぇ、バーディア」
と畳み込んできて。
アンコールは、やはり、「圧倒的なスタイル」
ラインダンスは2回廻し。


ホールライブは座席が決まっていて、それはそれでよいのだけれど、
聖地の一つである中野サンプラザは、もちろん外すことはできないけれど、
NEGiBAND帯同の今回のツアー、
やはりライブハウスで見たほうが、より味わい深いものがあるはず。
運営側の、5名のバンドを帯同することによる経費的な面を考えてみると、
これは大英断といっても言い過ぎではない。
そんなこんなを考慮してみると、
やはり、中野だけではなくて、ほかにも参戦すべきであると再認識。
さて、どこに行けるだろうか。

      


ちなみに、終演後の3人によると、
このライブの位置づけは、「全国ツアーの前哨戦」 だったそうな。
なるほど、そういうことだったのか。
前哨戦でこのレベルであるとすると、
これからのライブで、いったい、どれほどの成長を遂げてゆくのだろうか。
その成長の過程をも、見届けてゆきたいと思うのだ。


とにもかくにも、至上のライブだった。




     【セットリスト】
 1. カナールの窓辺
 2. 新しい恋のうた
 3. BLUE, GREEN, RED AND GONE
 4. 二人の遊戯
 5. 相思相愛
 6. 自由に
 7. アイドルばかり聴かないで
 8. For a long time
 9. クリームソーダLove
 10. おやすみ
 11. ライフ・イズ・キャンディ・トラベル
 12. 裸足のRainbow
 13. GET IT ON
 14. 光のシュプール
 15. さよならmusic
 16. ねぇ、バーディア

 en 圧倒的なスタイル