たかが黒染め、されど黒染め | noi 稲生洋士のご機嫌いかがですか?

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ご機嫌いかがですか? inouです。

夏が終わり、明るめのカラーを暗くする方が多くなる時期になってきました。

特に、これから学生さんの就活などで多くなるのが、だだ暗めにするのでは無く、黒染め。



たかが黒染めですが、後々、色々と問題が出てくるので注意が必要です。

「黒染めすると、今後、明るくできません。」って、聞いた事が、あると思いますが、

なんで明るく出来ないか知っていますか?
(実際は、ブリーチすればできますが。)
カラーリングの知識がないから?
カラーの技術がヘタやから?

黒染めは、すごい強い黒で染めています。
逆を言うと、すごい強いブリーチをしないと明るく出来ないという事です。

以前のブログでも本来、髪は白髪です。って書きましたが、極端に言うと、髪は透明のストローの様なもので、その中にメラニン色素という日本人なら、黒の粒々の様なものが、いっぱい詰まっていて、それで黒く見えています。

カラーをして、髪を明るくするのは、そのメラニン色素を少し減らして、黒を薄めているイメージです。

それで、希望の明るさにして、希望の色にするために、

例えば、赤みを消したい時は、グリーンを混ぜたり、
逆に黄味を消したい時には、紫を混ぜたりして、カラー剤を調合しています。

これが、ファッションカラー。

もちろん、根元と、毛先のダメージの差も、カラー剤のパワーをコントロールして、いかに傷ませない様にしています。

黒染めは単に黒の染料を入れ込むだけ。

ここで、大事なのが、

「メラニン色素」=「黒の染料」ではないという事。

メラニン色素は、普通のカラーでは減らせても、黒の染料は壊せずにブリーチが必要になります。

なので、黒染めは、明るくできません。

そして、もう一つ知っておいて欲しい事。

市販の黒染めはダメ。絶対。
ブリーチでも落ちません。

ただ、黒に染めるだけだから。と言ってやってしまうと、後々、恐ろしい事になります。

美容室では、黒染めを使わなくても、自然な黒髪に見せる事はできます。

現状の明るさに黒に見せる為に必要な色素を調合して、自然な黒髪にできます。

黒髪に戻したい時は、ぜひ相談して下さい。

たかが黒染め、されど黒染め。

ちなみに、市販の白髪染めも同じことになりますので、注意が必要です。

inou。