昨日、標記の表彰を受けてまいりました。

この財団の研究プロジェクトによる、パラスポーツを対象とした昨年までの調査で、

「指導者の専門知識の不足」

が、障がい者アスリート育成の課題であると指摘されていました。

そこにきて、昨年まで私たちが行っていた、パラスイマーたちとの強化活動が、調査で抽出された課題に対する、打開策のロールモデルとなり得る…ということで、思いのほか高評価を頂いた次第です。

ご推薦いただいた桜井誠一先生、選考委員長の浅見俊雄先生はじめ選考委員の皆様に、深く感謝申し上げます。

今後もこの受賞の重みに負けないよう、一層努力する所存です。

 

さて、今回の表彰式でご一緒させていただいた、功労賞の受賞者・今村大成さんは、卓球用品で有名な「Butterfly」ブランドを取り扱っていらっしゃる会社の代表で、欧州担当としてこれまで33年間、ドイツ・デュッセルドルフに住まわれています。

その間、日本の卓球選手がドイツ・ブンデスリーガのチームに留学する際のマネジメントから始まり、今や一流選手となった水谷選手を始めとする、若手選手たちの留学の際には、所属チームの選択、日々の食事などの提供だけでなく、家庭教師の手配まで(驚)されていたそうです。

これって、例えば所属チームのコーチへの交渉と選手とのマッチング、コーチへの指導料の交渉から支払い、施設の利用料、居住にかかる食費、電気・水道などのランニングコスト、そして家庭教師への指導料…相当なお金がかかっていることが容易に推察できます。まさに縁の下の力持ちに「あしながおじさん」が加わったような、ずば抜けた貢献をされた方であることがわかります。
 

先日の「日本コーチング学会大会」での、村上恭一監督の話しにも驚かされることばかりでしたが、一つの会社組織が、これだけ人と資金を投入して、選手強化だけでなく「人材育成(教育)」まで行っている…という事実を聞くと、

まだまだパラの世界の、強化への力の入れ方は、健常者のそれと比べると、随分と水を開けられているなあ…と感じますね。我々こそ、こういった取組みを聞くだけに留めず、どうやったら現実化できるのか?を探りながら、大胆なシステム改善のために、頑張らねばならないと思います。

 

ちなみに、今村さんは本学のご出身とのことで、今回の受賞者は本学が独占した…ということになりますが(笑)、授賞式の最後、今村さんのご挨拶の締めの言葉として、「選手は絶対に1人では育たない。選手育成で最も重要な役割を果たすのは、コーチである」と言われました。日常生活から様々なサポートをされた方が、最終的に感じられたことをズバリと指摘されたような重さが、その言葉にはありました。

選手にとって、「あてになるコーチ」であり続けることは容易ではありませんが、まずは定年までは、学ぶことを止めずにいようと思いました。

 

そして、今回の審査委員長は、我が大学院時代の恩師である、浅見俊雄先生。

私が自分のコーチングに自信をなくし、大きな挫折を味わっていた頃、先生の研究室の門を叩きました。

あれから18年後にこんな状況になるとは、夢にも思いませんでしたが(笑)。

この式の受賞者挨拶で触れさせていただきましたが、実は私は、浅見先生の授業(多分、トレーニング特論)は「B評価」でした(笑)。しかし、その私がここまで頑張れたのだから、当時の院生の皆さんなら、まだまだもっと頑張れる!ということを、記しておきたいと思います。

帰り際に浅見先生が「まあよく頑張ったよ。これならAだな。えー(良い)な!」と言ってくださいました(笑)。

 

実は、木村君の強化に導入している「準備運動」のルーティンは、私がコロラドのNSCAで習ったものでした。ただ、動的ストレッチングはパワー発揮には有効」という研究結果は散見されたものの、その他では動脈スティッフネスへの影響とか、関節可動域の比較とか、そういった類いの研究が多く、高いパワー発揮の根拠となるエビデンスが、なかなか見当たりませんでした。

そこで、ゼミに横山君がいた当時、彼の卒論の題材にして、大腿四頭筋の筋酸素消費を、静的ストレッチングと動的ストレッチングの2条件で計測しました。その実験の際に、同じ浅見研出身の市村志朗先生(東京理科大学)に機材をお借りし、ノウハウを直接横山君に伝授していただき、エビデンスを取ることができました。

なので、直接的ではないにせよ、この受賞に繋がる強化活動は、浅見研で学んだことだけでなく、当時から続いているネットワークが、大いに役立ったということなのです。

生憎、授賞式の日はほぼ全員、教壇に立っており(笑)、集合ができませんでしたが、改めてみんなで先生を囲んで、先生のダジャレで笑いたいと思います。

 

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