ちょっと聞いてみよう (野口智博公式ブログ・毎週月曜更新)

日々進化するスポーツサイエンスとスポーツコーチングの現場との間を行ったり来たりしながら、現場での疑問を拾いあげてネタにするブログです。野口が学外で行う講演やイベントなどの告知も行います。


テーマ:
今日は男子200mバタフライの坂井聖人選手の銀メダルも勿論ですが、
男子4×200mリレーの銅メダルが嬉しくて嬉しくて…。
一人平均1分45秒台で日本人が4人も揃えられたなんて…。
本当に夢のような現実を見られたこと、
選手やコーチの皆様に本当に感謝したいです。

リオパラに向けた合宿中の木村の朝の練習時間帯が、ちょうど10時から12時過ぎなので、
リアルタイムでは見られないのが残念でしたが、
それでも自分の出身種目でメダルを獲得できたというのは、
本当に誇らしいです。
もっとも、私たちが日本記録を持ってた時代は、彼らより30秒も遅いんですけど(笑)、
1年1秒ペースで進化してきたと思えば(笑)、自然なことかもしれません。

さて、毎回、オリンピックを見ていると、各国の4年間の軌跡が見られ、
いろいろな傾向が表出してきます。
我々は、常に理論的背景を探りながら、それらの傾向を観察してきて、
今も強化や教育・研究にそれらの果実を活かしながら進めているのですが、
今大会、半分まで見たところで少し気づいたことを、
忘れる前に、つれづれなるままに列記しておきます。

・男子平泳ぎの分業化
男子平泳ぎは、スプリントタイプと200mタイプに完全に分断されたように思えます。
100と200の決勝のメンバー、全然違いますよね?
泳ぎのタイプもまた、同じ平泳ぎか?というくらい、違う種目にすら見えます。
スピードアップ=ストローク頻度の増加(ピッチが速くなる)が、
スピードアップの原理原則なので、きっとそうなるべきなのでしょうけど、
仮にアダム・ピーティーのような泳ぎが200続いたら…と思うと、
それはそれで空恐ろしいけれども、ひょうっとしたらこれからの200を制するのは、
そういう泳ぎなのかな…とも思えたり。
ピーティの泳ぎは、「引きつけないキック」にばかり注目していましたが、
「腕を後ろに引かないプル」に注目していたところ、
以前から、200型、あるいは400個人メドレーのときの平泳ぎに見られた、
フロント・スカーリング型のプルを、少し進化させたものでありそうに思えました。
また、連続写真とか水中映像とかを改めて観察しながら、事実確認をしてみたいと思います(笑)。

・女子選手の筋力
昨年の世界選手権をプールサイドで見たときにも感じましたが、
いよいよ女子も、ストレングス全盛の時代がやってきたように思えます。
世界のトップレベルがその身体から産み出す泳速度が、
年々高くなってきたことに由来すると思えます。
ショーストレムは他競技の選手とストレングストレーニングを行っているようですし、
ネット上を検索したら、ホッスーのストレングス・トレーニング画像とか山ほど出てきます。
その理由としては、単純に「スピードアップ=ストローク頻度の増加」によるものもあろうかと思います。
「水の中ではそんなに筋力は必要ない」とはよく言われますが、
身体が大きくてもピッチが上がる選手は、概ねストレングスが強いです。
別の話しになってしまいますが、木村も、ロンドンパラのレース後に、
「ブレであのピッチが持続出来たのは、筋トレの成果だったと思う」と、語っていました。
パワーの高さは筋力の大きさで、そのリミットが決まってくると考えていますが、
これにはもう一つ、別の理由もあるのではないかと思います。

・大きなエネルギータンク
男子100m平泳ぎ決勝進出者。皆上腕の太さが尋常じゃなかったように見えました。
小関選手も国内では大きい方に見えますが、決勝のメンバーと並ぶと、
外国選手の方が一回り大きかったように見えました。
筋肉量が多いということは、筋内に沢山糖を蓄えられることと、
筋の酸素利用能を高くすることができる…というメリットがあります。
前者は、ウエイト・トレーニングなどによる外部から筋への、より高い物理的刺激が必要となり、
後者は、ついた筋に対してより多くの酸素が必要となる状況をつくるような、
スイムでのインターバル・トレーニングが必要となります。
場合によっては、高地トレーニングなどによる「環境刺激」を与えることも求められるでしょう。
より沢山のエネルギータンクを持つことと、
高い強度のトレーニングを沢山反復できるようにすることで、
前述のとおり、速いピッチを持続させることができ、
高い速度を維持することが可能となるわけです。
と考えると、なんでストレングスの高い人が、速いピッチで泳ぎ続けられるのか?の解が、
得られると思うのです。

明日から後半戦。毎晩1時まで起きているのがそろそろキツイですが(笑)、
様々な視点でオリンピックを見て、感動するのと同時に、
30日後は我々が逆の立場に立つことを忘れず、熱い戦いを観察したいと思います。
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