わからない、そんな映画を観た時にだけ記事を書いているような。
映画「紙の月」の感想と勝手な解釈を書いてみます。



愛人を作る。金を横領で得る。考えつくすべてのことをする。
「紙の月」は多幸感を得られるものを探す女を描いている。


夫に時計をプレゼントするが、安いものだから使わないようだ。
逆に高級時計をプレゼントされる。主人公は面白くない。
主人公は銀行員であり、外回りに出る。
客のおじいさんの孫(大学生の若者)と出会い、
肉体関係を持ち、つき合うようになる。
若者には学費を払うための借金があるとわかり、
銀行に入れるべき、おじいさんの金を横領して、若者に貸す。
金の使い方はエスカレートし、他の客からもどんどん金を横領していく。


過去の少女時代の場面では、ミッション系の学校に通い、
そこで胡散臭いネーミングの募金に寄付をしている。
後に外国の被災地の少年から手紙が届き、
少年が写った写真、少年の描いた絵が入れられている。
子供の顔には大きな火傷のような痕があるが、とびっきりの笑顔を見せている。
絵には少年と少女が描かれている。その少女は自分なのだろう。
そこに主人公は大きな喜びを感じている。

時が経ち、クラスメイトは募金を全くしなくなり、教師もしなくていいと言うようになる。
それでも、主人公は父の財布から盗み 5万円を募金する。
学校では問題となり募金自体を中止にするが、
以前にクラスで集まった募金が5万円であり、同じだと反論をする。


タイトルは「紙の月」
空に欠けた月が浮かんでいるが、指を伸ばしてこすると消えてしまう。
それは偽物だったのだ。


仕事をして金を得る、夫にプレゼントをする。
それでも欠けたまま。
多額のお金を横領し、化粧品や服を買い自分を美しくする。
愛人と高級レストランで食事、高級ホテルで過ごす。
住む場所、食べるもの、着るもの。愛人の必要なものを与える。
それでも欠けたまま。
その欠けた「紙の月」は、自分を映している。


エピローグでは、外国で売り物のリンゴを道路に落とした少女を見かける。
主人公はリンゴを拾い、少女に渡そうとするが、少女は受け取らない。
リンゴを店の主人に渡そうとするが・・・。


細かな設定がふわっとしており、薄く軽く。
こういう物語はコメディで描くほうが面白いのかも。
主人公の走って逃げる姿は、矢口監督のコメディ映画「ひみつの花園」を思い出しました。
性質は全く違いますが、ところどころ重なるところがありました。


「紙の月」での見所は、ボケたおばあさん役の中原ひとみさん。
主人公の罪に気づいているのかとドキッとする台詞があり、
凄みが出ていました。
品がありそう→ボケ老人→孤独→ボケは嘘?
各場面の時間は短いのですが、多くの変化が見られました。


平凡な人が罪を犯して転落するという物語ではなく、
特殊な人が、自分が普通ではないことに気づき始め、試しにやってみた、
そして色々やる、でも違っていた、そんな物語でした。
駅のホームは一歩踏み出した場面。ギャグっぽくもあり印象に残りました。
エピローグはまいた種が花を咲かせ・・というようにも見え、
そのものが現実にある、その人が現実にいる、自分を肯定するように感じました。


自分の変態性に気づかず生活をしている。
「紙の月」はその本性を目覚めさせられなかったという物語でもあります。
「監獄学園」のアンドレに出会っていたら、犯罪は犯さなかったのかも。





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