風立ちぬ  

テーマ:
体勢を崩してでも何とか受け取ろうとする。

原作は雑誌モデルグラフィックスに
宮崎監督が連載していた「妄想カムバック 風立ちぬ」。
紅の豚のように、先にミリタリーマンガがあるもの。

堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて。
主人公は戦闘機の設計技師の堀越二郎と
堀辰雄の小説「風立ちぬ」を合わせたキャラ。
飛行機制作の道に進むが、戦争によって戦闘機しか作ることができない。
彼女が結核であり療養している、という二つの軸(物語)があります。
二つの軸は明確なため物語は理解しやすいのですが、
宮崎監督の自己内が描かれているものなので、観終わった後は困惑はしました。


主演の声優は庵野秀明さん。
主人公は宮崎監督を重ねる存在でもあるので、同じアニメ監督を声優にしたのかも。
演じている声の調子を聞くと映画「舟を編む」の松田龍平さんのような。
アスペルガーなどの設定なのか…人情味はなさげ。
登場する展開は早く…子どもの頃と声が変わりすぎ、いったい何があったのだという。


戦闘機を作ってはいるものの戦争、軍とは距離がある。
会議でにはいるものの他人の意見は聞いてはおらず、自分が重要といったところ。
おそらく軍に美人を、
ナウシカのクシャナ、もののけ姫のエボシ御前のような人物がいれば話は聞いたのかも。


彼女のけなげな行動、妹の涙など、
感情を揺さぶるのは周囲の人間であり、そこでの感動はありました。
最後の戦闘機の飛行テストでの成功で彼女の死を合わせていますが、
最後に連絡を取るところがあってもよかった。


夢で始まり、夢で展開する。
空想する場面もたくさんありました。見終わった時には作品全てが夢だなと。
関東大震災が起こる場面はただただ驚きました。


歩きでの移動など実写的な間(演出)がありアニメでは厳しいなと感じました。
今作は効果音は人が発したもののため、間延びして感じたのかもしれません。
ならば紙芝居のようなテンポさというか、
省略したほうが、たいくつせず観られたのかなと…。


飛行機が透けて構造や細かな部品が見えるのはアニメの良さ。
マンガのように文字での解説があってもよかったなとも。
最近のアニメ映画だと、入った時にマンガなどの冊子をもらえることがありますが、
今作でも宮崎監督の原作本がもらえればよかったなと思いました。


冒頭にある言葉「風立ちぬ、いざ生きめやも。」・・風が立った(起きた、出た)、生きねばならない
恋愛の場面では出会いやきっかけ、時代としては戦争や災害。
風というのは、良いことも悪いことも意味しています。
最後は淡泊なまま終わったため、「生きねば」は言葉で語られるものの
はっきりとはしませんでした。


軍事技術、女性など。観たいもの、作り出したいもの、美学がある。
老いはなく、斬新なことをやろうとする。
冒頭の夢、少年時代の主人公が飛行機で飛んでいる時のように、
観客は宮崎作品を眺められればいいということなのかも。
AD