生きた羊を肉にするまで | ラクダと旅する日常

ラクダと旅する日常

モロッコ、マラケシュからお届けするローカルな暮らし・子育て・仕事

欝々と悩む暇もなく、今年も犠牲祭がやって来ました。

 

土曜日、郊外の羊市場に行って、羊を購入。

去年のコルデス(内臓乾物)もまだ残っている状態なので、出来るだけ小さい雄を選びました。

毎日値が上下しますが、今年の相場は雄で一頭1400DH~2500DH(2万~3万)程度。

 

 

厳しい日差しの下、土煙が立ち込め、羊とその売主が列を作って買い手を待つスーク。

独特の活気に圧倒されます。

あっちでもこっちでも買われた羊が運び出され、

道路にも羊を乗せたバイクや荷台が溢れるのが犠牲祭直前の風物詩です。

 

 

家のベランダに連れて来ました。

明後日この子を食べるのかと思うと、、複雑。

 

 

━─━─━─━─━─

日曜日。

犠牲祭後は一週間程度野菜が流通しないので、野菜を仕入れに田舎のスークへ。

ここでも羊市場があり、犠牲祭を前日に控え最後の買い出しのため、人がごった返していました。

すでに街では野菜が高騰していますが、ここでは若干安くまだ新しい野菜が手に入りました。

 

 

━─━─━─━─━─

月曜日。犠牲祭当日。

我が家の羊を車に乗せて、弟の家へ。

 

早くひつじ食べたい。と言ってはいたものの、

羊を屠るおじさん達がやって来て、何が起こるか分かっている長男は

小さいながらも羊を思って葛藤しているようです。

 

 

義弟の羊と私たちの羊、2頭がテラスで屠られましたが、

あふれ出た鮮血が羊の白い毛皮にべっとり付いて、切り取られた頭部も血塗れ、、

それを何とはなしに見る次男、、。と凄惨な絵になってしまったので写真は自粛します (-"-;A

まさに日常の中の狂気。

現代社会の便利な暮らしの中で忘れてしまう現実の、

最も原始的で生々しい部分が目の前で繰り広げられているわけですが、

お祭りとして和やかな雰囲気の中行われるものであれば、

小さな子供に見せても全く問題ない、むしろ率先して見せるべきだと毎回思います。

お昼は子供たちも手伝って作った肝臓のブロシェットを食べ、

そこから休みなく夕方まで内臓を洗って、洗った内臓を一部煮込み料理にします。

男性陣は頭部と足を丸焼きにして毛を落とす作業。

内臓料理を食べるころにはもうくたくたで、家に帰ってぐったり就寝。

 

━─━─━─━─━─

火曜日。

再び弟の家に行き、一晩おいて血の抜けた肉の解体作業。

 

 

一番柔らかいもも肉は、今日のお昼のブロシェットに。

あばら肉は骨の間に包丁を入れ、骨2本をセットに切り取り塩漬けの保存肉にします。

弟の奥さんと、2人で夕方まで保存食作り。

 

 

これでようやく、一段落。

丸2日かかって肉の処理に追われましたが、あとは冷蔵庫いっぱいにある肉をどうにか食べて、

冷凍できる量まで減らすという作業を残すのみ。

今年のライードも無事に終わりました。

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ モロッコ情報へ ラクダと旅する日常
にほんブログ村