$・・・この先生キノコるには。-イカタケ1皆様、ごきげんよう|・ω・`)
冬を前にして雨の後に慌てて何箇所か訪れましたが、
今回はその中から 3つのキノコ をとりあげましょう。
画像右 : キノコだけどイカでゲソ、奇妙な イカタケ

このところに行ったのは、お馴染み 小幡緑地 と、
そこからさらに北東へ数キロ、名古屋の市境界に位置する
人工ピラミッド説で有名な 東谷山 。

キノコ自体はめぼしい物も無く
もはや記事にするだけのものではないが、
小幡緑地 ではいつもの 「猫編」 のために
沢山の猫達との出会いを写真を撮ってきた他・・・、
東谷山 もパワースポットとして探索記事にしておきたい。
これらはとりあえず 積みネタ とし、いずれ着手したいと考えている。

そんな中、どうしても先に紹介しておきたかったキノコ達をここに記そう。
ーーー

■ チャダイゴケのその後
$・・・この先生キノコるには。-チャダイゴケ1
左) 今年は梅雨から目をつけている木材チップが撒かれた遊歩道。付いてきてる猫についてはいずれ・・・。
中) 数日前の雨で チャダイゴケ の中身はすっかり飛び散ってしまったようだ。
右) こちらはまだ中身が残っている。 


以前にこちら・・
 → 【小幡緑地・初秋編1】 美しきキノコの造形 の巻
・・・で紹介した チャダイゴケ のその後です。
梅雨時に訪れてから変化を観察してきた 木材チップ が撒かれた遊歩道の一角。

かつてはほんの少ししかなかった集落が、あらま~~~ あちこちに顔を出していましたよ。
ある種のフェアリーリング、この場合はフェアリーサークルとでも呼んだ方がいいか・・
差し渡し数十センチの円形に チャダイゴケ が生えていました。
そのうちのほとんどは既に中身を飛ばし外皮だけが残った状態。
胞子塊は無事にどこかへと飛んで行ったようで、来年も出てきてくれるだろうか・・・。

$・・・この先生キノコるには。-チャダイゴケ2
写真だと分りづらいが、黒っぽい円形の領域が チャダイゴケ の集落。あちこちに出来ていた。
ーーー

■ イカタケじゃなイカ?
一日の探索を終え、帰りコースついでにもう一度、あの遊歩道を歩いてみた。
ここは朝にチャックしたのでめぼしい物は無いだろうと思っていたら・・・。
とんでもないものを見つけてしまった Σ(;゚д゚)あせる

$・・・この先生キノコるには。-イカタケ2
左) ダンゴがつぶれたかのような白い塊が埋まっているのに気付く。
中) 目線を低くして地面を横から見ると、木材チップに保護色のように隠れていた姿が浮かび上がった。
右) この姿と・・漂ってくる強烈な臭いは・・間違いない、 イカタケ じゃなイカ!! 


キノコ探索のクセで下を見て歩いていたら・・白いものが目に入ってきた。
当初は ホコリタケの仲間  かなと考え、しゃがみこんでつついてみると固い・・?
改めて目線を落として付近を見回してみると・・・・なんじゃこりゃー Σ(; ̄□ ̄)ビックリマーク
木材チップの色にまぎれていた奇妙な姿が浮き出てきた。

白く円柱状の基部にいくつもの触手状組織が伸びている様は正に イカ っだ。
誰かがイタズラにゲソを埋めたかのように、無造作に屹立している。
そして、漂ってくる強い臭気・・、そうだな 魚の干物臭 とか 肉が腐った とか形容できるもの。
スッポンタケ科に特有の、胞子を含んだ粘液組織「グレバ」が触手の中央にべったりと認められるせいだ。

「グレバ(gleba)」 とは、他のキノコで言う所の「ヒダ・管口」に当たる組織で、
密閉型の胞子形成部分となる基本体の呼称である。
イカタケ の場合、触手の内側で団子状にこれが形成され、基部が成長して外に出ると自身を溶解させる。
ここには 担子器 という胞子を作る組織があるが、胞子を残して後は溶けて粘液状になってしまうのだ。
さらに、この臭いによってハエやナメクジなどの虫を集め、彼らに胞子をばら撒いてもらうという・・・
傘を持つキノコとは異質な繁種方法を選んだ珍しい種類のキノコと言えよう。

この形態を持つものは スッポンタケ目 の仲間である・・、スッポンタケ科、アカカゴタケ科、などがあり、
いづれもとても奇妙で特徴的な姿が知られる。
イカタケ は スッポンタケ科アカイカタケ属 に分類されているものだ。 

・・・っとすれば、
本体も触手も中はスカスカの荒いスポンジ状構造で、軽いはずだ・・。
というのも・・今回は解剖はためらわれたのでやってない (つД`)
卵とか割って見たい気もあったのだが、とにかく 臭い んだもん・・・・。
だが、スッポンタケ科特有の構造は過去の経験から想像するに同じだろう。

同科には キヌガサタケ など食用とされるものもあるが、
肉や身と呼べるようなボリュームは無く、ダシとしてスープに使うのが常道である。
私自身、 スッポンタケ は採取し食したことはあるが味と言える程の物ではない。
もしかしたら イカタケ も食えるのかも知れないが、この臭いはそんな考えも許さない・・。

$・・・この先生キノコるには。-イカタケ3
左) 500円玉との比較。触手状組織の内側に胞子を含む黒い粘液状物質があり、強い腐臭気を放つ。
右) あの白い団子はつぼみの様な菌核卵で、殻を割りそこから成長しているのが分る。 


上部の触手は最初のうち上を向いてシワシワに折りたたまれた状態である。
やがて伸びてゲソ状に立ち、今度は外側へ開いていくのが、いくつかの個体から見て取れる。
その間にグレバは流れ落ちるのだろうが、今回の多くは乾燥したためにへばりついたままだ。
まったく奇妙な形態をとったものだ・・・。

この スッポンタケ目スッポンタケ科アカイカタケ属イカタケ は珍しい部類に入るキノコで、
俗に 「幻のキノコ イカタケ」 などと伝説化されて語られるケースも見られる。
発生期間が短く発見例も少ないため、ましてキノコに詳しくない人に見つかると
不気味な物体があったと新聞等でニュースになったりする訳だ。
2011年11月にかのテレビ番組 『探偵!ナイトスクープ』 で成長過程を撮影した事で
一般にも広く存在を知られるようになり、今も貴重な資料としてマニアの話にのぼる。
 → 【YouTube】イカタケ http://www.youtube.com/watch?v=lHNVvOkS-tU

Wikiによれば「三重県、滋賀県、大阪府堺市、京都府」など自治体のレッドデータブックに記載されているようだ。
っとすれば、ここ名古屋でも希少なケースなのかもしれないが・・・。
ただし、動植物と違ってまともな調査もされず、保護の対象になる事も無いのが想像でき
自治体には単に情報が無いだけかも知れない。

例によって、こんなに珍しいキノコなのに・・道行く人々に踏まれ蹴飛ばされ
子供に引っこ抜かれほじくり返され、無残な姿になっていくのが容易に想像できるのが悲しい。
今こそ キノコポリス が必要だよ・・・ ヽ(`Д´)ノウワァァァンあせる

ううむ、この 木材チップの奇跡 が来年も続けばいいのだが・・・。
チップに付いて菌がやってきたと考えるならば、これで小幡緑地にも胞子は拡散したろう。
またいつか、付近で再び繁殖した姿に会えるよう祈るばかりである。
ーーー

■ 小さくも可憐なキノコ
さて、次に紹介するのは 東谷山 で見られたキノコである。
人工ピラミッドと言われ、現在もなお発掘調査が続くこの地。
山頂の社も古墳の上に建てられているというミステリースポットな一帯だ。

その一方で名古屋北東部境界に位置し、野生動物も多く見られる保護区域の多い場所でもある。
本来ならばキノコも豊富だろうが・・・、すでに季節も遅し・・・。
そんな中で一つだけ・・。

$・・・この先生キノコるには。-クチベニタケ1
左) ちっちゃいんだけど、かろうじて赤い突起が見て取れる クチベニタケ だ。
中) 斜面の苔むした場所に点々と生えていた。
右) 土跳ねもあり汚れていて赤い突起が確認できる物が少ない・・。 


今回の南ルート登山道は比較的緩やかといっても、途中からかなりの急斜面が続く。
ひーこら休み休み周りを見渡すと、苔むした辺りにキノコセンサーが働いた。
「見る」 より 「感じた」 ので、近寄ってよーく目を凝らすと・・・
あるΣ(;゚д゚) 一見 小石のようだが、かろうじて赤い突起を持ついくつかが認められた。

この縫い目のような、唇のような赤い突起は クチベニタケ っだ。

小さいながらもこの・・もふもふ状態は ホコリタケの仲間 に思えるが、
同じ腹菌類でも ケシボウズ目クチベニタケ科 という立派な自分だけの分類を持つ。
同科には ホオベニタケ という全体にもっと赤い固体も報告されている。

実はコレ自体はそんなに珍しい物ではない、日本全国に分布しているそうだ。
けれどもこうやって目にしたのは初めて・・・ちょっち感動した クラッカー
ちなみに 日本固有種 だそうで、海外の研究者からすれば感激ものらしいぞ。

いやしかし、やはり図鑑でしか見たことないものは、実際に見ると相当に印象が違う。
もっと大きい物をイメージしていたが、こんなに可愛い姿とは恐れ入る。
じっくり観察しながら経験値を上げていくひと時であった。

ところがだ・・、帰ってから画像を見るとボケまくってるやん。
登りで息が乱れるわ、カメラを持つ手も震えるわ、足場も悪い状態だったものなあ・・

$・・・この先生キノコるには。-クチベニタケ2
・・って訳で、鮮明な画像の代わりにせめてグーグル先生から画像を用意いたしました。

$・・・この先生キノコるには。-猫キノコ・・以上、今回はキノコも少なかったので
おまけを用意いたしました。

「え? ざぶとんですかね・・」
「よっこらしょっと」


うちの ほたる ならずとも
猫は広げられた物にはとりあえず座ってみる
っなどという習性がありまして・・・。

コード類、紐のくしゃっとなった所なども、
とりあえず腹で押さえ込んでみるなんて行動が見られます。
調べ物の際にはしおりの代わりに・・・できないよっ。
邪魔だとどけようとすると、遊んでもらえると思って
猫によるさらなる嫌がらせが続くのであった・・・。
   END
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