村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。


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福井駅前にある中央公民館で開催された

市民大学講座の講師としてお招きを受けた。(15日)

 

講演冒頭、「たのしみは・・・」と口にしただけで、

「あ!」と共感の声が聞こえてきた。

幕末の歌人、橘曙覧(たちばなあけみ)は、越前藩、

つまり今の福井ゆかりの人なのだ。

さすが、福井での知名度は抜群だ。

 

橘曙覧は、日常の営みの中にある、ささやかな変化に感動し、

それを心から楽しむことが出来た人だ。

たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時

朝起きて、昨日まで咲いていなかった花を見つけて心華やぐ曙覧の

顔が思い浮かぶようだ。

たのしみは まれに魚煮て 児等皆が うましうましと いひて食う時

つましい生活の中で、たまに煮魚が食卓にのぼり、子どもたちが

おいしそうにほおばる姿に、曙覧は幸せを感じていた。

たのしみは 人も訪いこず 事もなく 心を入れて 書を見る時

「事もなく」、

つまり「無事」ということに有難みを感じることが出来た人だった。

 

橘曙覧は、「たのしみは」で始まる52の歌を詠んでいる。

よかった探し、嬉しいこと探しの達人だった。

なにげないことに喜びを見出すことの出来る自分をも楽しんでいたのだろう。どんなに理不尽なことがあろうとも、自分の身の回りのささやかなことに目を向けることを忘れず、それを心から楽しめたら、明日への活力になる。

 

この日、最前列に全盲の女性が座っていた。

隣にエスコートしてきた女性がいた。

その女性によると、「数年前に失明されたが、ずっとラジオビタミンを

聞いておられたそうです。村上さんにどうしてもお会いしたいとおしゃるので、お連れしました。握手してあげてください」

一も二もなく、両の手で、その方の手を包んだ。

温かい優しい手だった。

入院中にラジオ聞いていて励まされたという男性にも声をかけられた。

ラジオの縁が、いまも続いている。

灼熱の中、福井まで行った甲斐があった。

 

 

 

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