東京マッハvol.10 | ナレーター野引香里「ノビッキ」

ナレーター野引香里「ノビッキ」

ナレーター 野引香里のブログです。
心屋リセットカウンセリングマスターでもあり、
心のこともたま~に綴ります。

昨日おこなわれました。
公開句会の東京マッハ。
とっても人気の催しのためチケット入手が困難なのです。



公開句会とは
出演者は一人につき6句つくります。(つくる、でいいのかなぁ)
その句は作者(でいいのかなぁ)をふせられたまま
客と出演者が自分の好みで選句していくのです。
好きなもの6句(並選)←覚えた!
いちばん好きな1句(特選)←覚えた!
文句つけたい1句(逆選)←覚えず!カンニングした。

そして出演者は誰がつくった句か分からないまま
ステージ上で誉めたり、異を唱えたり
客席の票も集計されつつ各々の選評を楽しむ遊びです。


今回の会場は歌舞伎町の元キャバレー。
ということで、置物姿で

いや、違うな。


お着物姿で馳せ参じましたの。


エレベーターを降りるとそこは、
YKZ893のとっても似合うクラシカルな雰囲気。(AKBの姉妹グループかな)



ザ・キャバレー!!!




こちらがステージ。
ランウェイもあるんだよ。


なんとわたくし
開場時間よりも前に着いてしまい
受付の列の3番目を陣取ってしまったの。フフ。


そうして一番前の席を確保。




天井は鏡張り。
床じゃなくてよかったです。


入場した時点で開始時刻の2時間前。
いったい何をするのかというと




わたしの大好きな小説家
長嶋有さん初の句集にサインをいただくのです。


春のお辞儀


黄色とグレーの2色展開
わたしはグレーを。


サイン会に間に合わない友人のぶんと2冊購入。

あ、そういえばあの人も長嶋さんの作品すきだって言ってたな・・・
と思いだし、別の友人に即座に電話。


本屋さんでも購入できるけどサインは今日しかもらえないよ、などと
言葉巧みに誘導し、啓蒙活動に成功。
3冊目を購入。

なんちゃら48の握手会でも何度も並ぶファンいるんだろうな。
わたしキモイな。

でもちゃんと友人分の本には
わたしじゃない名前を書いていただきましたからね。





チャカを持った白スーツの男が乱入しそうな気配よね。
広い店内の隅では口元と胸元にほくろのあるホステスがチーママの客を誘惑。
激怒したチーママはビール瓶をおもむろに掴んでテーブルへ振りおろし
割れたビンの先を口元と胸元にほくろのあるホステスに向け、こう言うの。
「男と女なんて、しょせん玉の取り合いじゃい!!」


大丈夫。酔ってないよ。
たしか極妻のセリフだったような。



来るはずの友人たちを待ちつつ選句用紙に目を落としていると
「お嬢さん、ここあいてますか?」 
※お嬢さんは脚色です。
顔をあげるとアラまぁ素敵な紳士たち。

「はい、どうぞ・・・あ!今朝のNHK俳句の・・!!」
「あー、そうです。ありがとうございます。」

俳人の小澤實さんです。


が、すぐにとあるかたがやって来られて
「ここはステージが見えにくいのでこちらのご招待席へどうぞ」
と、紳士たちをちがう席へとご案内。


東京マッハは書評家や作家さんたちがたくさんいらしているのです。



そっか、わたし喜び勇んでいちばん前を選んだけれど
この席は見えにくいのか。


そういえば後ろは埋まってきてるのに
6人掛けのボックス席にわたし1時間以上もひとりでいる。
嫌われてるのかな、なんて思いがかすめたりもしたけれど。


泣くもんか。



でも結局とっても見やすい席でした。
わーい。




顔がそっくりな友人ふたりも到着。
この席だれも座りたがらないんだよ!と伝えたところ
着物だし、この店のママっぽいし、
この人きっと関係者だって知らない人からは見えると思う、と言われた。
なーんだ美人だからか。(脳内変換の恐ろしさよ・・)


そしてひたすら選句。

最初はちょっとユーモアのあるような、目を引く句を選んじゃいますが
だんだん自分の中で、この句はこんなシーンがイメージできるじゃないか・・うーむ・・・・・

と、どの句にもわたしの気づかない素敵ななにかが隠されているようで
すんなりといかないのです。

創作物が簡単にネットに出てしまうのは賛成しませんが
この句に関してはご本人がツイッターで公開されてたので載せます。




わたしの特選は



白 線 の 内 側 に い て 春 を 蹴 る 



米光一成さんの句です。
会場一番人気でした。
ひねくれてるものだから、大多数の人と好みが重なると少し残念に思ってしまうごめんなさい(笑)
わたしだけが分かりたいの!←めんどくさい!



ホームの白線の内側で
散る桜の花びらを蹴ろうと
足が空を切るような

春だからと浮かれているのでもなく
なにか鬱積した気持ちがあるのでもなく
電車がくるまでの少しの時間を持てあます
美しい描写が浮かびました。



句会が終わり
思い切って米光さんにたずねてみました。


白線は、駅のホームをイメージされたそうです。
中にはサッカー場ではないか、というかたもいました。
それも面白い解釈です。

蹴っているのは桜の花びらですか?
それいいですね、そうしましょう。


そうなりました。