失敗、裏切り、挫折、失恋、
落胆、失望、悲観、自信喪失・・・
人生にネガティブはつきものです。
一日という時間が光と闇とで構成されるがごとく、
私たちの人生においても、
思い通りにいくことと、いかぬことの両方が
ちゃんと意味あって存在しています。
大切なのは、思い通りにいかぬ時、
どんな方法でその状態を乗り越えられるか。
もし、あなたなら、
これ以上ないというほど深く落ち込んだ時、
どのように対処しますか？
私なら、そうですね・・・
「音楽」を聴きます。
きっと、あなたは今、
「憂鬱な気持ちを払いのけるため、
明るいアップテンポの曲で元気を注入するのだろう」
そう思われたのではありませんか？
実は、逆なんです。
そんな方法では、元気になる効果はまず期待できません。
心理学的には、
気分と反対のものよりは、同質のものを聴く方が、
精神の安定がはかられ、元気になってゆくのです。
これは、「同質効果」と呼ばれ、
心の病に対して行われる音楽療法で、
昔から利用されていることです。
「noahnoahさんて、落ち込むことなんかないでしょう」
よく人からそう言われる私ですが、
そんなことはありません。
今でこそ年を重ね、どんな局面でも
モノゴトを俯瞰して見られるようになりましたが、
１０代の頃は、かなりセンシティブで、
落ち込みやすい性格でした。
そんな時、心理学の本で、
この「同質効果」と「音楽療法」について知り、
落ち込みを克服するために、自分用に曲を選んで
オリジナルの音楽テープを作りました。
そのテープには、どんな曲が入っていたと思いますか？
山崎ハコの『呪い』です。（笑）
私が、小学生の頃、
深夜放送の『オールナイトニッポン』を聴くのが
流行っていまして、火曜日の第２部は、
シンガーソングライターの山崎ハコが担当していたんです。
彼女がこれまた暗い語りで、暗い持ち歌を紹介するんです。
その雰囲気のしめやかで暗黒なこと。
私は今でも、彼女は
「女性の姿をしたブラックホール」だと思っています。
彼女の声を聞くだけで、反射的に、
もうドーンと落ち込んでいきます。
ある晩、そんな彼女が番組中にかけた曲が、
この『呪い』でした。
深夜のベッドの中、
イヤホーンをして聴いてしまったため、
あまりの曲の怖さについに眠れず、
一睡もせぬまま学校へ行ったのでした。
その時のことを思い出し、
オリジナルのテープには、この『呪い』を
片面５曲連続して録音しました。
で、実際使ってみてどうだったか。
結果は、全くダメでした。
曲のインパクトが強すぎて、
頭の中でサビの部分が何度もリフレインされ、
ますます落ち込んでしまいます。
後で、その心理学の本を読み直したら、
「同質効果」は、あくまでも「音」に対して言えること。
歌詞がそのまま耳に入ってくると、
意味が気になって頭が休まらないので、
本ではインストゥルメンタルの曲か、
外国の歌詞のものを聴くようにすすめていました。
ためしに『呪い』を知らないあなたのために、
youtube映像をご用意しました。
ぜひ、聴いてみて下さい。
●山崎ハコ『呪い』
＊イヤホーンで聴かれることをおすすめします！
その後、私がテープの中の山崎ハコを消して、
バーバーの『弦楽のためのアダージョ』を録音し直したのは
言うまでもありません。
●バーバー『弦楽のためのアダージョ』
本日のまとめ：
高ぶっている神経を鎮めたいなら、攻撃的で激しい音楽。
気分が沈んでいるなら、暗く静かな音楽。
せかせかした気分の時は、アップテンポの音楽。
それらを聴けば、その時の心理状態から抜け出せます！
けれど、日本語の歌詞付きはNG!ということで。
ここが大切。
★『弦楽のためのアダージョ』はJ.F.ケネディー大統領の国葬や昭和天皇崩御の時に演奏されたので、聴いたことのある方も多いはず。私も、何度も聴いてるうち好きになった一人です。
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