『黄色いハンカチ大作戦!!』 ~荒浜現地再建希望グループ~ | トウホク復興ブログ

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被災地仙台から復興に向けた情報とオモイをお届けします

昨晩(1/16)は荒浜地区の現地再建希望のグループの会合に出席しました。この日は仙台市の復興支援室や若林区の副区長も出席して意見交換を行ったのですが、現地再建派の住民としては、昨年12月に指定された災害危険区域指定がどうしても納得がいかず、声を荒げて詰問する場面も見られました。


具体的には「なぜ住民に相談もせずに勝手に危険区域を指定するのか」、「移転以外に盛り土をするなどの安全策もあるのではないか」など。その他にも、これまでの誤解を招くような市の説明の仕方についていくつか指摘がありました。

これに対して、市からは市民の安全確保のために現行制度の枠内で粛々と手続きを進めたといった趣旨の答弁が続き、話し合いは平行線をたどりました。

それと災害危険区域指定の妥当性を再検討してほしいという住民からの現時点での最大の要望にも、説明責任は果たすが再検討はしないという返答でした。

こうしたなか、東部道路の東側(比較的荒浜に近いところ)にも、移転候補地を検討しているという市からの説明に対して関心を示す住民もいました。そのやりとりのなかで、「おれらは潮の匂いがするとこじゃないと生けていけないからよ」という男性のつぶやきがとても印象的でした。



市の方たちが帰った後に、少し今後の取り組みの進め方について、住民間での話し合いがもたれ、ここで以前から、にわかに進められてきた「黄色いハンカチ大作戦」について検討がなされました。


この「黄色いハンカチ大作戦」は、現地再建を願う人は、現地の基礎だけになってしまった自宅に黄色いハンカチや旗を立てて、いまや観光地化している被災後の荒浜を訪れる人にも、自分たちの活動を知ってもらおうというものです。


なぜ黄色かというと、荒浜地区内にあるお寺(浄土寺)の本堂に飾られていた七色のノボリのなかで、被災後に唯一見つかったのが黄色だったそうで、そのエピソードに希望の光を見た住民の方々が、シンボルカラーを黄色に決めたそうです。それと高倉健主演の「黄色いハンカチ」の映画と同様に、「帰りたい」というメッセージも込められているとのこと。


昨晩は、たまたま私が家内を通じて群馬の方々からいただいた黄色い絹のスカーフを数十枚持っていったのですが、それが意外と、みなさんの気分を高揚させたようで、他の住民の方がつくってきたものと合わせて記念撮影をしようということになりました。


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以前にも、私見をブログに載せましたが、やはり今回の仙台沿岸地域の拙速的な災害危険区域指定は、仙台市の大きいな失態だと思っています。昨晩の市の答弁にもありましたが、レベル1(50150年に一度)の津波を防御できる防潮堤はつくることになっているわけですから、そこまであわてて、レベル2(3.11のような数百年に一度)の津波を想定した強制移転を進めなくていいはずです。住民の意向が考慮されなくても、議会の多数決で決定されてしまう災害危険区域の条例にも大きな欠陥があるでしょう。自然災害に対する安全確保のためとはいえ、合意のための検討と決定のプロセスを大きく見誤った仙台市の罪は大きいと思っています。


「被災後まで悔しい思いをさせられるのは、荒浜だけで終わらせたい」とおっしゃっていた方の願いが成就する日まで、私なりにサポートできればと思っています。また近況報告いたします。