米アップル社の新型情報端末「iPad(アイパッド)」が28日、発売された。その特徴の一つは、本をインターネット上の書店からダウンロードする「電子書籍端末」としての機能だ。

 4月に先行発売された米国では出版業界が早くも勢いづいており、日本でも電子書籍時代の幕が開くか、注目されている。本を取り扱う街の書店からは、「若者が本を読むようになるかもしれない」と相乗効果に期待する声が聞かれた。

 東京都渋谷区の「ソフトバンク表参道」に午前4時から並んだという大手証券会社勤務の山本景(けい)さん(30)は「携帯電話は画面が小さく読書には使ってこなかったが、iPadなら目をこらさなくても読める。仕事で使う専門書や資料も何冊も保存でき、いつでも好きなだけ取り出せる」と期待を寄せた。

 家ではファッション雑誌や小説を読んで過ごすという目黒区の美容師北川綾さん(24)も、「この端末なら、パソコンと違ってソファに寝転がって気軽に読める」と手に入れたばかりのiPadをさっそく指でなぞっていた。

 米国では、2007年に米アマゾン・ドット・コム社が発売した情報端末「kindle(キンドル)」のヒットで、電子書籍が急速に普及。価格が紙の本に比べ半分以下で済むことなどが読者に受け入れられたもので、iPadの出現がこうした傾向にさらに拍車をかけるとみられている。

 しかし、日本では書籍の電子化は、作家の了解が得られないなどの事情から遅れ気味だ。広告会社「電通」などが雑誌約60誌の有料配信をスタートさせているが、書籍の品ぞろえは薄い。

 こうした中、講談社がiPad発売の28日に合わせ、作家・京極夏彦さんの新刊本の配信に踏み切るなど、電子化時代の本格到来を予感させる動きも出てきた。

 街の書店では、新たな電子メディアに対し、危機感を示す声は意外に少ない。大手書店「丸善」丸の内本店(千代田区)の壹岐(いき)直也店長(57)は「携帯電話で読む『ケータイ小説』が書籍化されてベストセラーになった例もある。電子書籍発で話題になった作品が、紙の本として売れることも期待できる。iPadとの相乗効果がきっと出てくるでしょう」と語る。

 都内の約600店舗の書店が加盟する東京都書店商業組合の下向紅星(しもむかいこうせい)理事(46)も、「iPad発売は本が見直されるいいきっかけになる。活字離れの進む若者が本を手にする機会になってほしい。書店も売り方を工夫することで、逆にチャンスになるかもしれない」と話した。

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