脱税・申告漏れ日記

大阪の若手税理士が巷に流れる脱税・申告漏れ報道の裏側を分かりやすく解説します!


テーマ:
『船井電機18億円申告漏れ 香港子会社めぐり、3度目の指摘』
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110629/crm11062918590033-n1.htm
MSN産経ニュース 2011.6.29 18:57

『国税が18億円申告漏れ指摘 船井電機・香港子会社の所得巡り』
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20110630-OYO1T00436.htm?from=main2
読売新聞 2011年6月30日


タックスヘイブン対策税制の適用を受けるとして法人税の申告漏れを指摘された事案。
・大阪国税局の税務調査を受け、申告漏れを指摘されたのは、中堅家電メーカー「船井電機」(大阪府大東市)。
・2011年6月29日、同社は大阪国税局より香港子会社をめぐり、税率の低い海外子会社の所得を親会社と合算して日本で申告しなければならない「タックスヘイブン対策税制」の適用対象と判断され、2010年3月期までの3年間で約18億円の申告漏れを指摘されたことを発表。
→過少申告加算税を含め約7億円を追徴課税(更正処分)。
・同社ではこの処分を不服として、異議申し立てを行う模様。


タックスヘイブン対策税制とは、税率の低い国(タックスヘイブン:tax haven:租税回避地)に子会社を持つ日本の法人(内国法人)が、支配下にある外国子会社に生じた利益を留保し、本来であれば親会社に対して配当等の形で分配されべきものが分配されないのは、税負担を不当に軽減しているとして、これを防止する目的で創設された規定です。

タックスヘイブン対策税制の適用を受けた場合、外国子会社に生じた所得を親法人である内国法人の所得に含めて(別表四で加算して)、法人税の計算を行うことになります。

このとき合算の対象になる子会社のことを租税特別措置法では「特定外国子会社等」と呼び、以下の要件のいずれもに当てはまるものとしています。
1. その外国子会社に対する出資比率が50%超(間接保有を含む)であるもの。
2. その外国子会社の所得に対して課される税が存在しない国に本店等があるもの又はその事業年度の所得に対して課される租税の額が所得の25%以下(累進課税の場合は最高税率で判定)であるもの。


ところで、このタックスヘイブン対策税制には、外国子会社が特定外国子会社等に該当する場合であっても、その適用が除外される場合についても規定されており、
次に掲げる全ての要件を満たす場合は、子会社に事業実態があると考え、内国法人との所得の合算を不要としています。

1. その外国子会社がの主たる事業が株式の保有、工業所有権等の保有、船舶・航空機等の貸付でないこと。
2. その外国子会社が本店・主たる事務所の所在する国又は地域に事務所、店舗、工場その他の固定施設を有していること。
3. その外国子会社が、その本店所在地において事業の管理、支配、運営を自ら行っていること。
4. ①その外国子会社が卸売業・銀行業・信託・証券・保険業、水運・航空運送業等を主たる事業としている場合
→事業の50%超を内国法人の同族関係者等以外の非関連者と行っていること。
 ② ①以外の事業を主たる事業としている場合
→以下の基準により事業を行っていること
 イ.不動産業・・主として本店所在地国にある不動産の売買・貸付又はその代理・媒介及び不動産の管理を行っていること。
 ロ.物品賃貸業・・・主として本店所在地国で使用される物品の貸付を行っていること。
 ハ.その他の事業(製造業、小売業、建設業、工業、農業、漁業等)・・主として本店所在地国で行っていること。


とまあ、細かい要件を入れるときりが無いので、このあたりにしておきますが、

今回の事案では、船井電機側は4.①の卸売業に該当するため非関連者との取引50%以上→適用対象外として所得合算を行わなかったところ、大阪国税局側ではこの香港子会社の事業は製造業にあたり、主として本店所在地国で事業を行っていないため(又は3.の事業実態がないため)タックスヘイブン対策税制の適用対象であるとして更正処分を行ったものと推測されます。

船井電機では、この問題で更正処分を受けるのは3回目とのことで、地裁の段階では請求が棄却されています。

同社は同様の内容で、17年に393億円、20年に339億円の申告漏れを国税局に指摘され、処分の取り消しを求めて大阪地裁に提訴したが、今月24日の判決で請求が棄却された。近く控訴する。

今回も

同社は「今後、不服申し立てで当社の正当性を主張したい」としている。

とのことですが、中々厳しい戦いとなりそうです。


<関連記事>
川崎汽船、64億円申告漏れ 大阪国税局が指摘




   国際租税法

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