脱税・申告漏れ日記

大阪の若手税理士が巷に流れる脱税・申告漏れ報道の裏側を分かりやすく解説します!


テーマ:
『JPモルガン証券元部長、5000万円脱税容疑』
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110601-OYT1T00673.htm
2011年6月1日15時11分 読売新聞

『JPモルガン証券元部長、5千万円脱税容疑 国税局告発』
http://www.asahi.com/national/update/0601/TKY201106010271.html
朝日新聞 2011年6月1日15時2分

『JPモルガン元部長 5000万円脱税容疑 国税局告発』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011060102000176.html
東京新聞 2011年6月1日 夕刊

『元JPモルガン証券部長を告発=1億4000万隠し脱税容疑-東京国税局』
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011060100384
時事ドットコム 2011/06/01-12:34

『JPモルガン証券元部長、ストックオプション益など隠し5千万円脱税』
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110601/crm11060111310013-n1.htm
MSN産経ニュース 2011.6.1 11:30


ストックオプション行使により発生した給与所得について脱税したとされる事案。
・東京国税局から所得税法違反罪で東京地検特捜部に刑事告発されたのは元「JPモルガン証券」金利トレーディング部長で金融コンサルタント会社経営のT社長(45)。
・同社長は同社在職中に親会社の米金融大手「JPモルガン・チェース」から譲渡制限付き株式とストックオプション(自社株購入権)を付与された。
・同社長は2007年に同証券会社を退職。
・退職後から2008年に亘って権利行使し、親会社株式を安値で取得したが、市場価格と取得価格の差を給与所得として確定申告しなかった疑い。
・2008年までの2年間で約1億4000万円の給与所得を隠し、所得税約5000万円を脱税したとみられる。


ストックオプションに関する課税関係については、最高裁の判決により、権利行使時に権利行使価格と権利行使時の市場価格の差を給与所得として課税する旨の判決が出ています(税制非適格の場合)。

したがって今回の事案でも、権利行使して時価より安く購入できたという経済的利益について申告する必要がありました。

しかしながら、権利行使は株式を取得しただけで、現金としての収入はなく、株式の含み益に対しての課税と言えます。

したがって確定申告が必要なこと自体を認識していなかったという可能性もありますが、前述のストックオプションの行使益が給与所得になるか、比較的税負担の少ない一時所得になるかが争われた裁判は世間の注目を集めましたし、今回とほとんど同様の取引について争われていた裁判でしたから、知らなかったということは考えにくいです。


ちなみに権利行使により取得し、経済的利益について課税された株式をその後譲渡した場合は、譲渡金額と権利行使時の市場価格の差が譲渡所得となります。


一方、税制適格のストックオプションに該当した場合、権利行使時にはその経済的利益に所得税は課されず、取得した株式を譲渡する際に、譲渡金額と権利行使価格の差が譲渡所得として課税されることになります。


課税関係についてはこちらの記事の図が分かり易いです。
<参考記事>
Q16 ストックオプションと税務(tabisland)


税制適格ストックオプションの要件は以下のとおり(租税特別措置法第29条の2、租税特別措置法施行令第19条の3より)
1.  新株予約権等の行使は、付与決議の日後2年を経過した日から10年を経過する日までの間に行わなければならないこと。
2.  新株予約権等の行使に係る権利行使価額の年間合計額が、1200万円を超えないこと。
3.  新株予約権等の権利行使価額は、新株予約権等に係る契約締結時の1株当たりの価額に相当する金額以上であること。(権利行使価額が契約締結時の時価以上)
4.  新株予約権については、譲渡をしてはならないこととされていること。
5.  新株予約権等の行使に係る株式の交付が付与決議がされた会社法第238条第1項 等に反しないで行われるものであること。
6. 当該新株予約権等の行使により取得をする株式につき、発行会社と金融商品取引業者等との間であらかじめ締結される一定の「管理等信託」等に関する取決めに従い、取得後直ちに、当該金融商品取引業者等の「営業所等」に保管の委託若しくは管理等信託がされること。
7. その権利を受け取る個人については発行会社又はその子会社の取締役、執行役または使用人等であること。
8. その権利を受け取る個人については発行会社の大口株主(上場会社等の場合は発行済株式数の1/10超を保有する株主、未上場会社の場合は発行済株式数の1/3を超を保有する株主)又はその大口株主の特別利害関係者でないこと。

権利行使価額が年間1200万円までのものしか適用できないんですね。



戦略資本政策―新時代の新株予約権・種類株式活用法


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