スーパー銭湯会社と社長が7000万円脱税 大阪国税局告発 | 脱税・申告漏れ日記

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大阪の若手税理士が巷に流れる脱税・申告漏れ報道の裏側を分かりやすく解説します!

『スーパー銭湯会社と社長が7000万円脱税 大阪国税局告発』
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110428/trl11042803000000-n1.htm
MSN産経ニュース 2011.4.28 03:00

架空の仲介手数料の計上により法人税、所得税を脱税した事案。
・大阪国税局により法人税法と所得税法違反の罪で告発されたのは、スーパー銭湯の開発も手がける兵庫県三木市の左官こて製造会社F社とN社長(70)。
・三木市内の自身の所有地に自社で建設したスーパー銭湯を売却した際に架空の仲介手数料を計上し、利益を圧縮。
・2008年2月期までの2年間で法人の所得約1億800万円と個人所得約1億2400万円の所得隠しを実行→法人税、所得税合わせて約7000万円を脱税。
・同国税局が法人税法と所得税法違反の罪で神戸地検に告発。
・追徴税額は重加算税を含め約9700万円で、すでに修正申告を済ませた模様。

事案としては単純な経費の水増しです。
個人で所有している土地の上に会社が建物を建設、多額の売却益が発生する見通しになったため、架空の仲介料を計上して、利益を圧縮しようとしたわけです。

不動産の所有権が土地(=個人)と建物(=法人)とで分かれていたため所得税・法人税両方の違反事件として告発されたのですね。

仲介手数料の架空計上なら消費税の仕入税額控除も否認されたでしょうから、追徴税額はもう少し多い気がします。

架空経費の計上を行う方法としては、決算時に未払金等で計上して翌年にそれを取り消す「課税繰延型」、払っていないのに払ったことにする「架空支払型」、一旦払って支払い先から裏で返金してもらう「キックバック型」があります。

「課税繰延型」、「架空支払型」は帳簿上の操作、「キックバック型」は外部協力者が必要となります。いずれも税務調査が入れば簡単に発覚するものですから、安易に手を出さない方が身のためです。

一時的に税金が安くなったように思えても結局は損をする「労多くして功少なし」といったところですね。

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