脱税・申告漏れ日記

大阪の若手税理士が巷に流れる脱税・申告漏れ報道の裏側を分かりやすく解説します!


テーマ:
『1億6千万円強盗被害で脱税ばれた…国税告発』
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110427-OYT1T00111.htm
読売新聞 2011年4月27日07時15分

遺産を相続したにも関わらず申告を怠り相続税を脱税した事案
・福岡国税局から相続税法違反(脱税)容疑で告発されたのは、福岡市内に住む女性とその兄、姉の3人。
・3人は2008年11月に母親が死亡した際、遺産として現金や土地など約12億円を相続。→税務署に一切申告せず。
・2010年3月、一人暮らしの女性宅に強盗が押し入り約1億6千万円が奪われる事件が発生。
・同国税局が事件を端緒に強制調査(査察)を実施。→遺産について全く申告していないことが発覚。
・同国税局が相続税法違反(脱税)容疑で福岡地検に告発。
・脱税額は計約5億円に上るとのこと。

以前の記事でも書いたとおり、現金を隠し持っていたり、不動産の所有権移転登記がされていなかったりすると、課税庁がそれを捕捉するのは困難なのですが、

母親は幼稚園や不動産会社の経営などを手がけていたほか、複数の土地を所有する資産家だったという。

ことから、さすがに移転登記はしていたのではないかと。

今回たまたま強盗に入られたことによって無申告が発覚したわけですが、相続税の税務調査が行われる場合、その時期は通常申告後1~2年後と言われています。

相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内が申告期限ですから、2008年11月に被相続人が死亡した今回の事案では、本来の申告期限は2009年9月ごろ。
記事では2010年3月に強制調査が入ったとのことで、本来の申告期限からは約半年後。税務調査の時期としては標準的よりやや早めです。

つまり、これぐらいの資産家の相続であれば強盗が入っていなかったとしても遅かれ早かれ税務調査が行われていた可能性が高いということで、今回はたまたま強盗が入ったことによってその時期が早まり、しかも国税局による強制調査(⇔任意調査)になってしまったと考えられます。

今回の相続税法違反は無申告での脱税容疑(⇔単純無申告)となっているのですが、仮装・隠蔽して無申告なら通常の35%より高い40%の重加算税が課税されます。脱税額5億円なら2億円ですね。(+延滞税もあり)

>仮装・隠蔽して申告して脱税→重加算税35%
>仮装・隠蔽して無申告→重加算税40%
>仮装・隠蔽せずに無申告→無申告加算税15%

しかし、そもそも無申告なら仮装・隠蔽する必要がないわけで、実際のところ無申告の場合は脱税容疑に問うのが難しいようです。

<関連記事>
無申告事案における重加算税の賦課要件(国税庁HP)
2億3千万円無申告 姫路のゲーム機会社告発

そこで、現在国会で審議中の平成23年税制改正法律案には以下の罰則規定が盛り込まれています。
(以下は相続税の改正内容ですが、ほかの税目にも同様の規定が創設予定です)
14 故意の申告書不提出によるほ脱犯の創設
相続税又は贈与税の申告書をその提出期限までに提出しないことにより相続税又は贈与税を免れた者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとする。(相続税法第68条関係)
(注)上記の改正は、平成23年6月1日以後にした違反行為について適用する。(附則第1条、第168条関係)


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