滋賀県内の無人駅で運賃をごまかす不正乗車が後を絶たないことから、JR西日本は県警とタッグを組み、不正を発見次第、100円単位の被害額でも刑事告訴する取り組みを始めた。

 無人駅などを重点的に警戒した結果、年間0~2件だった告訴件数は1月からの3か月で10件以上にのぼった。被害は氷山の一角とみられ、JR西は「今後も告訴を続けて不正乗車を減らしていきたい」としている。

 県警によると、夜間に無人となるJRの駅(約25か所)の降車客が乗車駅から1駅分程度の切符を買い、降車駅で超過料金を支払わずに素通りする事案が多発しているという。このような不正は鉄道営業法違反となり、2万円以下の罰金または科料が課せられる。

 JR西は旅客営業規則に基づき、不正を発見次第、正規運賃の3倍の割り増し料金を求めるなど厳しく対処。時折、無人駅で駅員が乗車券を“抜き打ち”チェックする「特別改札」を行ったり、駅構内に不正防止を呼びかけるポスターを張ったりして、注意を呼びかけている。

 しかし、同社関係者は「不正乗車が減った気配はなく、イタチごっこが続いている」とため息をもらす。不正の疑いのある乗降客を見極めるのは困難で、乗降客が少ない駅では、コスト面で駅員を終電まで配置できておらず、不正乗車が野放しになっているのが現状だからだ。

 2月に摘発された男子学生は、県警の調べに対し、「学校の先輩から教わった」と供述しており、不正な手段が広がっていることも明らかとなった。

 県警は1月から、捜査員による無人駅の警戒を強化。被害額が180円というケースもあったが、JR西側に被害額に関係なく刑事告訴するよう要請した。この結果、刑事告訴件数は1~3月ですでに16件に到達。電車利用が増える新学期以降も見回りを強化し、同様に厳しく対処して不正乗車防止を啓発していく方針だ。

 JR西は「警察と連携して不正乗車の撲滅を図りたい」とし、県警は「『刑事告訴される』という意識が根付いて不正を抑止してくれれば」と期待している。

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