山梨県警が交通反則切符(青切符)で処理すべき違反者250人を誤って交通切符(赤切符)で処理した問題で、県警は現場責任者ら14人に支払う6月のボーナスを減額すると発表したが、県警職員全員に支給されるボーナスの総額は減らない仕組みであることが31日、分かった。

 「減額」の意味を巡って、県議会からは「責任を取ったことにならない」との指摘が出ている。

 県警警務部などによると、県警職員のボーナスは「勤勉手当」と「期末手当」に分かれる。減額の対象は、働きぶりに応じて9段階評価に分かれる勤勉手当だ。

 県警が「減額」と説明した14人は、今回のミスにより、9段階評価が1段階下がることになる。純粋に1段階評価が下がれば、手当ての額は5%減る。

 だが、県警のボーナスの総額は予算で固定されているため、「減額」といっても総額が減るわけではない。

 県警の発表では14人は計約36万円減額されるが、減額分は結局、14人以外の職員のボーナスに振り分けられる。さらに、14人の中にほかの面での仕事ぶりが良く、2段階以上評価が上がる職員がいた場合、ミスによって1段階下がっても、結果的にボーナスが増えることもあり得るという。

 県警は今回の措置を「処分」ではないと繰り返し、「あくまで通常のボーナス査定の範囲での措置」と説明。「故意に書類を偽造、変造したわけではなく、懲戒処分にはあたらない」としている。佐賀県警や北海道警が同様のミスを懲戒処分しなかったことも考慮した。

 関係した職員が自主的に給与などを返納する方法も考えられるが、自主返納は行わない方針だ。ある県警幹部は「対外的には理解を得られる方法だが、悪意のないミスでも自主返納することが前例となり、職員が萎縮(いしゅく)してしまう」と心配する。

 2日開会の県議会6月定例会では、ミスによって生じた損害賠償など約1300万円の県費による負担が、予算案に盛り込まれている。西郷正実県警本部長は本会議でも、ミスを陳謝する予定だ。だが、自民党県議の1人は「今回の措置は『減額』とは呼べない。県警の対応は甘い」と批判しており、議会で問題視される可能性もある。(湯本浩司、前田遼太郎)

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