猫の乳腺腫瘍①

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先日乳腺腫瘍ができてしまった猫ちゃんの腫瘍の切除手術をしました。


猫の場合、乳腺腫瘍は残念ながらそのほとんどが悪性です。

転移率や局所再発率が高く、有効な治療法はなるべく早く見つけて、なるべく早く手術で切除することです。

手術する時点で、転移がないのを確認してから手術します。


「 術前に転移が発見される 」 もしくは 「 検査したがまだ見つからない程の小さな転移 」 があれば手術でおおもとの乳腺腫瘍を切除してもその転移巣によって体はむしばまれてしまいます。


それほど腫瘍とは恐い病気です。


腫瘍の特徴の一つにコントロール不能に陥った細胞の異常分裂があります。

異常な速度で分裂を繰り返し大きくなっていきます。


手術しないで置いておくと、その異常増殖に伴い腫瘍の表面が自潰(じかい)することがあります。

自潰とは組織が壊死し、その表面が破れることを言います。

自潰すると痛くて、時には感染を起こし悪臭を放つことがあります。

自潰による傷は、飲み薬や塗り薬、消毒などしてもなかなか閉じません。


先ほど猫ちゃんの乳腺腫瘍のほとんどが悪性と言いましたが、犬の場合は50:50で良性:悪性です。


良性でもこの自潰を起こすことがあります。

しかし良性の腫瘍は転移を起こすことはありません。


自潰を起こさせないためにも完治を目指すためにも手術が最適の治療法です。


手術で切除した乳腺は病理組織検査を受け、ほんとうに腫瘍であるのかどうか?、腫瘍であるならどのような腫瘍か?良性か悪性か?などを診断されます。


今回の猫ちゃんの場合もデータ通りやはり残念ながら悪性の乳腺腫瘍でした。

幸い術後経過は良く2週間ほどで抜糸も済み元気にしてくれています


今回は専門的な内容も交えて長々と書きましたので、皆様読むのも疲れたのではないかと思います。

ですので今日はここまでにしておいて、次回はこの恐い乳腺腫瘍の有効な予防法があるのでお話します


※この記事は飼い主様のご了承を得て掲載しております。病気の啓発のためにご協力いただきありがとうございます。心から感謝申し上げます。


西長堀動物病院(http://nishinagahori.p2.bindsite.jp/ )院長 三谷秀和

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