朝、登園前の娘がテレビを観ながら
「どうしたの?」
と聞いてきました。
「地震があったんだよ」
と言葉にした後、娘はテレビをじっと見つめていました。
その時に、4歳のこの子は何も知らないんだって、当たり前のことだけどそう思いました。

「きょう じしんのれんしゅうした!」
園で避難訓練が行われた日はそう報告してくれます。
「じしん」という言葉、
じしんがきたらテーブルに隠れて、防災頭巾を被ることを知った娘。
でも、じしんがどんなものなのか、まだよく知らない。
この先、知る時がくるんですよね。
娘が生まれてから、3月11日に思うことというのは少しずつ変わってきたように思います。


先日、娘が観たいと言っていたDVDが図書館にあったので借りに行ったのですが、
図書館の貸し出し用のDVDは本数が少なく、限られた作品だけが棚に並べられているんです。
作品のジャンルも様々で、どのような意図で選ばれて置かれているものなのか分からない程にバラバラなのですが、
この限られた作品の中に『遺体 明日への十日間』のDVDが置かれてあって。
胸が詰まりました。
『遺体 明日への十日間』は2013年に公開された、私も出演させて頂いた映画です。
ずっと、心の中にある大切な作品です。
実際に誰が手に取ってくれるかは分かりません。
でも、ここに置かれているということだけで十分なようにも感じました。
どなたがどのような思いで選び置いて下さったのかは分かりませんが、その方の誰かを想う気持ちに触れられたような気がして、ただただ感謝し、胸が熱くなりました。


誰かを想い、想われる気持ちを抱きしめて、
自分さえ、自分達さえ良ければ、ではなく過ごしていきたい。