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昨日の続きです。

鉛筆小さなグループの集まり

 ただし、小林氏の「軍事五大国だったときのように、米国とともに世界に進軍したいという思いの人が集まっている」というのは、日本は自分の国の運命を自分で決めるプレイヤーであるべきだ、という点で当たっている。

 ところが、いまは全てアメリカ頼み。防衛を放棄し、経済だけで繁栄してきた。
 それはそれで一つの成功だとは思うが、憲法の枠内で「孤立主義」を唱えてきた「一国中心主義」ではないか。
 米国と一緒に、世界に「進軍」することを本気で考えている日本人はいるのか。

 戦前の軍隊と違ってシビリアン・コントロールをはっきりさせ、統帥権の独立などの解釈は絶対に生まれない体制にする。
 単に「戦前の日本に戻したい」などと考えている会員は一人もいないと思う。第一、そのようなことは運動の目標たり得ないのである。

 以上述べたように、日本会議への批判は過大評価か的外れ。
 我々は「安倍政権の黒幕」などではなく、一所懸命活動している一国民運動団体でしかない。
 いま成果があがっているのは、長年の地道な活動の結果なのだ。
 奇しくも、『週刊金曜日』で魚住昭氏がこう書いている。

 日本会議の実態は小さなグループの寄り集まり

 日本会議は戦術が巧みで、実態以上に自分たちを大きく見せるやり方がうまい。
 その結果、彼らがあたかも現在の日本を覆い、政治を動かしているかのような誇大イメージが現在、あちらこちらに広まっている


そのとおり。

よくわかっていらっしゃるではないか。

(終)

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鉛筆国際情勢の変化を見ろ

 日本会議を批判する人たちは、憲法改正で力を発揮されては困る、という焦りから批判しているのだろう。
 特に昨年十一月十日の一万人大会で人が集まったので、ますますまずいと思ったのではないか。

 では、憲法改正がまずいことなのか?

 一万人大会に、米国のジョン・マケイン上院議員がメッセージを送ってくれた。
 彼の口から憲法改正を言えば内政干渉になってしまうのでそうは言わなかったが、「しっかりした日本を作ることを心から望む」というものだった。

 中国の異常な膨張主義と米国の「内向き」の姿勢のなかで、「日本の憲法改正に反対するアメリカ人はいまは少ない」との話を、米国の然るべき人から聞いたばかりだ。

 いまのアメリカは、猫の手も借りたいほどいっぱいいっぱいの状態である。
 そのため、自分の国も守ろうとしない国のために自分の子供たちの血を流してたまるか、という気持ちが高まっている。
 日本会議批判をする前に、日本を取り巻く国際情勢を少しは考えてみたらどうか。

 アメリカはこの三十年来、自殺率が上がり、所得格差も凄まじいことになっている、アメリカンドリームはもはや「風と共に去りぬ」、そんな状態になっている。
 だからこそ、トランプが出てきたのである。

 そんなアメリカを前にして、日本はどうするのか。
 仮に、トランプではなくヒラリーが大統領になったとしても結局はオバマの踏襲だから、アメリカが内向きであることは変わらない。

 かつてペリー、敗戦と、日本は二度にわたる大改革を体験したが、三度目の衝撃波も太平洋の向こうからやってくるかもしれない。
 自分たちで考え、行動するしかない。
 なぜ、国際情勢に明るいはずの外国人記者の一部の人たちが憲法改正を危険な行動だと言うのか、理解できない。

 昨年六月、日本外国特派員協会での記者会見でこんなやり取りがあったという。
 質問者は The Economist のマクニール記者。
 答えたのは小林節氏(『Journalism』魚住昭記事より)。

マクニール
 集団的自衛権行使を合憲としている憲法学者が三人おり、彼らは全員、日本会議に属している。
 それは何を意味しているのか?

小林
 私は日本会議にはたくさん知人がいる。
 彼らに共通する思いは第二次世界大戦での敗戦を受け入れがたい、だからその前の日本に戻したい。
 日本が明治憲法下で軍事五大国だったときのように、米国とともに世界に進軍したいという思いの人が集まっている。
 よく見ると、明治憲法の下でエスタブリッシュメントだった人の子孫が多い。
 そう考えるとメイクセンス(理解)でしょ


 これはもう、アナクロニズムでしかない。

 現在の日米関係、アメリカの現状を全く見ていない。



(明日に続く)

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鉛筆政策実現を目指すのは当然

 申し入れ書の2について触れておくと、そんな人間はどこにも見当たらない。
 会長、副会長、常任理事、理事と、普通の組織と同じだ。会議にしても、地方から中央に上がってきて、積みあがってきたものを常任理事会で決定する仕組みである。
 だから、特定の人物が壟断できる組織ではない。

 日本会議の具体的活動の例として、魚住昭『証言 村上正邦』を基にしながら、「戦後五十年決議」の文案をめぐる攻防が書かれている。

 最終的な決議案文面変更に怒った椛島氏らが、村上氏のネクタイを摑んで怒鳴り散らした──とあるが、これは事実に反する。
 椛島氏ら終戦五十周年国民委員会の役員は村上氏に呼ばれて部屋に入ったのであって、怒鳴りこんだわけでもないし、ましてやネクタイを摑んでもいない。

 さらに、「戦後七十年談話」作成時に、座長代理の北岡伸一氏が「安倍首相に『日本が侵略した』と言ってほしい」と言っていたが、「『植民地支配と侵略』や『おわび』の踏襲にこだわる必要はない」と正反対のことを言い出したのは、《彼が相当の圧力──「参院の法王」(注・村上正邦)にさえ「ネクタイを摑んで」 「怒鳴り散らす」ほどの圧力──を受けたであろうことは想像に難くない》と書いている。

 断定こそしていないが、「日本会議が圧力をかけた」としたいのだろう。

 しかし、そんな事実は全くない。
 だいたい、日本会議のメンバーは北岡氏が苦手で、率先して接触したい人ではない。

 他にも、昨年十一月十日に日本会議が主導した「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が開催した「今こそ憲法改正を! 武道館一万人大会」で「九条改正は語られなかった」としているのだが、櫻井共同代表は、いまの憲法では日本を守れない、と九条改正の必要性について言及している。

 批判派が一番気にしているのは、多くの政治家が名を連ねていることのようだ。

 しかし、我々は運動体である。国民運動を通じて政策実現を目指しているのだから、法律法令を作る地方・中央の政治家にアプローチするのは当然で、共通の目的を持った政治家が参加するのも当たり前ではないか。
 それは右左関係なく、全ての民間運動に言えることである。国民運動団体が政治に密着していることを批判されても、困る。

 また、椛島有三氏が昭和五十二年(一九七七)に元号法制定運動の際に、《「国会や政府をゆり動かす」ため「各地に自分たちの問題として取り上げるグループを作り」 「県議会や町村議会などに法制化を求める議決をしてもらひ」 「この力をもって政府・国会に法制化実現をせま」る》という戦略をもち、これが現在の「日本会議の運動戦略」そのものだと言う。

 これはそのとおりだ。しかし、それの何が悪いのか?

 同じように、最高裁の天下り機関のような言い方もされているが、そんなわけがない。
 石田和外元最高裁長官が日本会議の前身ともいうべき組織の議長を務め、たまたま第三代会長に元最高裁長官の三好達氏がなられていたにすぎない。

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鉛筆問題個所が百五十カ所

 先に挙げた多くの日本会議批判本や記事のなかで、現在、際立って売れているのが、菅野完氏の『日本会議の研究』で、すでに十万部を超えているという。

ざっと内容を見てみよう。

「日本会議の淵源は谷口雅春の生長の家」
「日本会議をつくったのは村上正邦元参院議員」
「安倍首相のブレーンとも言われる日本政策研究センター代表の伊藤哲夫は生長の家の元幹部」
「百地章(憲法学者)、高橋史朗(明星大教授)ら日本会議に近い学者たちも生長の家から出た人々」
「『日本会議国会議員懇談会』に所属する国会議員が第三次安倍内閣の全閣僚十九名に占める割合は八割を超えていた」
「もはや安倍内閣は『日本会議のお仲間内閣』」
「政治家では首相補佐官の衛藤晟一などが活発に活動」
「日本会議を支えているのは佛所護念会、念法眞教、崇教真光、神社本庁、霊友会などの各種宗教団体……彼らが運動の主力」

 こういう背景のもとに安倍政権が進める憲法改正を目標に活発に運動しているのが日本会議だということを、古い資料なども引用して一見、実証的(?)にレポートしている。

 事務局で『日本会議の研究』を調べた結果、虚実、装飾、誹謗中傷、事実誤認、印象操作、著作権侵害、肖像権侵害、プライバシー侵害など、数えると百五十カ所以上あった。

 椛島有三氏(日本会議事務総長・日本協議会会長)は直ちに扶桑社に出版停止を求め、申し入れを行った。
 概要を引用すると──。

1、
 『日本会議の研究』は、過去の一部学生運動・国民運動体験者等の裏付けの取れない証言や、断片的な事象を繋ぎ合わせ、日本会議の活動を貶める目的をもって編集された極めて悪質な宣伝本であり、掲載されている団体・個人の名誉を著しく傷つけるものである。

2、
 ことに、日本会議の運営が、宗教的背景を持つ特定の人物によって壟断されていると結論付けていることは、全く事実に反している。
 日本会議の意思決定は政策委員会、常任理事会、全国理事会など各種役員会を通じて機関決定されており、長年にわたり本会運営に携わった役員・関係者各位への冒瀆である


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鉛筆三つの批判への反論

 日本会議批判は、大きく分けると三つになる。

 一つは、様々な宗教団体が入っていること。
 宗教団体は教祖の一存で右向け右となる団体で、それは危険ではないか、と。

 様々な宗教団体が参加しているのはたしかだが、日本会議の綱領と運動方針(日本の伝統・歴史を尊重する、皇室を尊重する、憲法を改正する)に賛同する向きは個人、団体、宗教団体などに限らず入っていただいている。
 基本のところではコンセンサスがとれている宗教団体だけだ。
 むしろ、違う考えだったら参加しないだろう。

 二つ目は戦前への親和性、すなわち天皇崇拝や軍国主義など、戦前の価値観へ戻ろうとしているという。

 これまで、日本の国体という問題を考えたことのない人たちなのだろう。
 少なくとも The Economist 、NYTなどはそうだ。
 たとえば、私は産経新聞の「国民の憲法」を作る起草委員会の委員長だったが、一室にこもって日本の国体とはなんぞやを長時間、侃々諤々議論してきた。

 要するに日本の歴史のなかで、天皇は権威であり、権力は別にあった。
 幼少あるいは老齢の天皇をお助けする役目として、摂政、関白の補佐役ができ、それが権力になっていった。
 権力は藤原氏、平氏、源氏、北条氏、足利氏、次いで織豊時代を経て江戸時代、そして明治維新になる。
 その間、後白河上皇、後醍醐天皇などの一時期を例外として、天皇の権威を侵す者はいなかった。
 万世一系の皇室を尊重するのはいけないのか。

 憲法についても、日本会議は「新憲法の大綱」を過去に発表し、百地章先生と大原康男先生に解説を書いていただき、『新憲法のすすめ─日本再生のために』という本を出し、皇室尊重ではあるが、しかし立憲君主制なので、元首としての天皇の下に、実権は内閣総理大臣が握る構造を提起している。

 西欧の王は征服王であり、また中国は易姓革命の国だ。
 天皇が祭祀王(プリースト・キング)、世界で類を見ない国民の安寧と平和を祈る王であることを理解していない。
 だから、皇室尊重を危険視しているのであろう。

 たしかに、戦前に行き過ぎた時期はあった。
 しかし、戦争が近づいて社会が異常になった瞬間だけを捉えて「戦前=悪」とするのは、デマゴーグの一種ではないかと思う。

 三つ目の批判は、元号法制定や国旗国歌法制定、教育基本法改正など、日本会議がこれまでやってきたことが実現しており、日本会議は大きな力がある運動団体で政府をコントロールしている、というもの。

 考えていただきたいのだが、中国やロシア、北朝鮮ならともかく、日本は民主主義国家である。
 特定の運動団体が、国会や政治の動きを自在にコントロールできるわけがない。
 いくら日本会議に力があったとしても、国民を説得し、国民が納得しなければ何事も決まるわけがない。
 常に過半数を動かすような力などありえない。
 こんな当たり前のABCがわからないのだろうか。

 日本会議がやってきたことが実現したというのは、わが国民の声なき声を土台に、各人が長年かけて一所懸命、無私の心でやってきた結果でしかない。
 もう少し違う角度からご覧になったほうがいいのではないか、とアドバイスをしたい。

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