• 18 Oct
    • 本当のアドバンテージは,奇妙な「おもちゃ」であること

      脳トレ及びDSのヒットがあり,ゲーム人口の拡大,と任天堂が謳う昨今,岩田社長の分析であるように,今までゲームをしない層に訴えかけることができたというのは然りであろうと思う。私はDSのヒットに,もうひとつ重要な側面があると考えている。それは,「ゲーム機ならでは」の要素を持っているかどうか,ではないだろうか。私たちは今やゲーム機を一つのAV機器として捉えているがもとはといえば「おもちゃ」であったはずであることは忘れてはならない。あの「ウルトラハンド」や「光線銃」を生み出した任天堂が発売した新しい「おもちゃ」が「ファミコン」だった。「ファミコン」では,他にはない使いやすいコントローラと他にはないゲームソフトがあった。それをプレイするには「ファミコン」という機器を買うことが不可欠だったのだ。それがなんたらの法則とやらが示すように,デジタル化の波の速さは並大抵ではなくコンテンツはもはやカセットやカートリッジのように現物ではなく,データ化,すなわちその姿を無くした。この流れはなんのことはない,ハードウェアがソフトウェアへと移行する,万物の潮流だがこの流れに気付かなかったのがゲーム業界であった。カートリッジにこだわるメーカーもあれば,光ディスクを利用するメーカーもあったがそんなことは根本的な問題とは関係なかった。既にゲームコンテンツは,パソコン上ではエミュレータを通じて遊ぶことができ,携帯電話上では,ゲームコンテンツの配信さえ行われている。ゲームコンテンツはゲーム機のアドバンテージではないのだ。「面白いコンテンツがあれば,消費者は仕方なくゲームハードを買う」これはある意味正しいが,現代において,ゲームコンテンツをゲームハード上で独占することそれ自体が困難であり,むしろ独占することを嫌うユーザーはゲームを離れていったのだ。「仕方なくゲームハードを買う」より「ゲームハードをあきらめ,代替品でまかなう」のが現代人である。そんな中,本当に見つめなおしてみなければいけないのは,ゲーム機のアドバンテージであった。ユーザーはゲーム機でしか遊べないゲームコンテンツでなければ,パソコンや携帯電話上で遊ぶのだ。タッチペン+2画面+マイクという非常に奇妙な組み合わせの機器を備えたPCでもない,タブレットでも携帯電話でもない,何とも表現のしようがない,新しい「おもちゃ」。その「おもちゃ」でしか遊べないゲームが,確かに,ある。だってこんな奇妙な機器は他にはないから。それがゲーム機のアドバンテージだったのだ。だがこれは換言すれば,ゲームコンテンツをいかにゲームハード上で独占するか,の別の方法だったと言える。今までは,任天堂株式会社が携帯電話ではゲームを出さないようにする。ソニー株式会社がパソコンでは遊べないほどの高性能なハードを出す。そんなことで独占しようとしたって,スクウェアエニックスは携帯電話でドラクエやFFを出すしパソコンの性能が追いつくのは時間の問題だし,むしろ性能なんかどうでもいいぐらいに高くなった。本当に独占したいなら,物理的に,「ゲーム機」としてグループ分けされるような機器を作るんじゃなくこれはなんだ?といわれるような「おもちゃ」を作って,それでしか,どうしても,どうしても,そのおもちゃでしか遊べないから仕方なく,ハードを買う,ようにすれば良かったのだ。最初から,ゲーム機とはそういうものであり,ここ最近はゲーム機のアドバンテージが極端に減少していただけだ。センサーバーや加速度センサーのついたパソコンなんかはなかなかない。だからそれのある「おもちゃ」を買わなければ,ゲームコンテンツを遊べないそんな状況を作り出し,ゲーム機は復権することができるというわけである。

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  • 10 Oct
    • 「セカンドパーティ」に次世代を想う

      「セカンドパーティ」ってもう死語なんでしょうか。任天堂全盛期のセカンドパーティと言えばHAL,インテリジェントシステムズ,ゲームフリーク,レアなんかがありました。そして,ヒット作の多くを彼らが開発したと思います。カービィ然り,FE然り,Sドンキーコング,ポケモンなど。任天堂というある種頑固な会社に,ゲームの幅広さを持たせて魅力を与えてきたのは,やはり彼らでした。ですから,任天堂の手直しやマネジメント力がすばらしい部分は往々にしてあるんですがコンテンツの充実という意味では任天堂だけでは成しえなかった部分があります。それだけに,64時代は自社とセカンドパーティ偏向のラインナップとなってしまい失敗した経緯もあります。GC時代には,コラボレーションタイトルが増えました。ハドソン(マリオパーティ),ナムコ(スターフォックス,ドンキーコンガ),コナミ(DDR),セガ(F-ZERO)など。セガ以外は,ファミコン当初からのメーカーですから,一緒にファミコンを盛り上げた,ある意味でセカンドパーティと言えますがコラボすることで64以来隙間が少し開いてしまった任天堂との関係を再び築き上げ,彼らを任天堂ハードに呼び戻す,そういった狙いもあったのではないかと思っています。また,コラボすることで,サードパーティのゲームを見直すきっかけにもなっているだろうし,セカンドパーティのHAL出身である岩田社長に代わったことで,もともと任天堂に協力関係を受けてた側としての立場から他社への理解もあったんだと思います。余談ですが,GCはいろんな意味で過渡期でした。64で経験した3DのノウハウをGCで発展形に持っていき,また社長の交代と組織の再編もそうですし,それに関連して,サードパーティとの関係回復なんかもあったと思います。さて,それで,現状というか,GC(GBA)時代から少しずつ,販売ブランドを持たない開発集団のゲームを任天堂名義で発売することが増えました。EIGTING(くるくるくるりん)やPaon(ぶらぶらドンキー)などです。こういったメーカーは,PSやアーケードといった他ハードで開発していて,その技術を見て任天堂が引き抜くカタチで開発協力しているパターンだといえます。これは,従来のセカンドパーティに固執することなく,良いコンテンツを開発する企業は,どんどん取り込んでいくという実は,ファミコンやスーファミ当時にセカンドパーティを取り込んでいたのと同じことをやっているわけで,理にかなっていると思えます。昔ながらの協力関係を重視する組織体系は,ある意味京都の企業らしい良さでもありますがSCEがやったように,ソフト市場をもっとオープンにする部分は見習うべきだと思います。もちろん,そのことが資本の論理を生んでいることは否めないのですが。そして,見習うべきと言うまでもなく,既にそのような方向に向かっていることは良いことなのではないでしょうか。資本の論理が働きすぎるのを補う意味でも,任天堂が,優秀な開発集団をバックアップしていくというやり方で,産業全体としても活性化するきっかけになりますし。参考#変わりゆく任天堂の見据える次世代の枠組み (マルガの湖畔)

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  • 05 Oct
    • 『Wi-Fiコネクション』を受けてオンラインゲームを考える

      DSのWi-Fiコネクションの概要が,任天堂から発表になったようなのでそのポイントと問題点について考えてみようと思います。まず,大まかな特徴としては1.カンタン・設定(ID,パスワード)はハード側が自動設定(ユーザーは特に何もしなくてよい)・パソコンのUSBに接続して使う無線アダプタを経由してブロードバンド接続・市販の無線ルータも使用可能(ワンタッチ設定ボタンを使用して設定)・各店舗に設置する任天堂独自の無線スポットや,『FREE SPOT』でも接続可能2.あんしん・友達しかオンラインに存在しないコミュニティを形成可能・一度,対面で通信した相手を「友達」として認識・会ったことがなくてもお互いのコードを入力して「友達」として認識・「友達」をどう扱うかはソフト側の自由 『おいでよ どうぶつの森』では,「友達」同士のみのやりとりを基本とする・「友達」「国内のユーザー」「世界のユーザー」「全てのユーザー」と区分け可能・『マリオカートDS』では対戦のみでテキストメッセージのやりとりはない3.無料・任天堂ソフトは,接続に関して全て無料で提供・他社のソフトに関して,課金することは制限されないだいたいこのような感じです。一つのハードの無線コネクションのためにオンラインゲームの障壁をできる限り取り払った環境を準備するという大々的なアクションを起こすことができたのは,やはり任天堂ならではだと思います。通常は,こういう環境は市場の様々な事業者を通じて自然発生的に形成するものですが(例えば,オンラインゲームは,ソフトを開発しても接続サービスまでを担わない)任天堂は,持ち前の大きな資本で,環境を作り上げてユーザーを取り込む流行りの言葉で言えば,「大きな政府」型のやり方だと言えます。「政府」は,民間ではフリーライダー問題などが発生してできないインフラ整備などを先陣をきって行うことで,市場を活性化させることに貢献します。ですので,私は,今回の任天堂のこうしたアクションに関しては概ね評価できると考えます。実際,無線というのは有線よりも使い勝手がいいことを実感をもって知っていますし携帯ゲームに向いていて,据え置きハードに展開する際にもそのまま利用できるという意味で大変有益な方式である一方,それが実際に普及していないというのもまた事実だと思います。そのために,障壁を無くしてユーザー数を増やすことにまず着眼点を置いたのは重要であり,また他社(特にサードパーティ)にはなかなかできることではないと考えます。ただ,問題が何もないとはもちろん言い切れず(当たり前ですが)特に,気になった「友達」について考えたいと思います。「友達」は文字通り本当の友達と接続するので,例えば,学校などで接している通りに友達と接することが可能という意味で,比較的安全です。しかし,もし友達以外ともコネクションを行うソフトに彼らが出会ったときに「友達」との接し方と混同してしまわないかと,かえって危惧されます。現在もオンラインゲーム上で,小学生や中学生が既にプレイする時代になっていますが実際にオンライン上は,老若男女,見知らぬ人が飛び交う「社会」でありそのことに気づいてか気づかずか,友達と同じような接し方で,悪ふざけをする者も存在します。つまり,友達を「友達」と区切ってしまうことは,「友達」でない環境に飛び出したときの対応を間違わないか,という意味で,余計に不安要素が高まるのです。そのために,オンライン上が荒れてしまうかもしれないのです。幸い,マリオカートでは,テキストメッセージがないようなのでこの対策は,非常に安全であります。一方,メッセージを発せない,もしくは発さない相手と通信することに面白みを感じるかという根本の問題も存在します。やはり,WWW上に飛び出すということは,当然のようにリスクを負わなければ享受できない世界であるように感じられます。そういう自己責任は付きまとってしかるべきであり,大人も子供もない一方で現実の大人と子供のギャップは埋めることが不可能でもあるという乖離が発生しているのです。とはいえ,少子化が進み,対戦の面白さを知らずしてゲームをする子供や対戦がしたくても,周りにゲームをする人がいない大人という不幸を解消するためにはオンラインのコネクションの利益は大きいはずなので,ぜひとも成功を願いたいと思います。#ニンテンドーDS Conference! 2005.秋 (任天堂ホームページ)

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