春先に糸魚川産の翡翠のご依頼を頂きました。




糸魚川産翡翠を求めて

翡翠愛好家の方にお話を伺いに行ったり

糸魚川の翡翠を扱う業者さんや展示会で

色々探したりしてみたのですが…




今回はなぜだか

どうしても現地へ行ってみたい

という強い思いがありました。




ほぼ予備知識がないところから始まった

翡翠に出会う旅。




翡翠の鉱物としての知識はもちろん

翡翠の歴史や文化

糸魚川の翡翠について




調べれば調べるほどミステリアスな翡翠を

ぜひこの目で確かめたい!



糸魚川への想いは日々膨らみ

現地へ行けるタイミングを見計らいました。




そして信じられないほどスムーズに

最良のタイミングで

糸魚川へ行ってくることができたのでした。





背後に険しい雪渓迫るヒスイ峡に到着すると

晴れの予報だったにもかかわらず

ざぁーっと一雨。



目の前に現れた岩場の断崖絶壁は明星山。

数億年前は南国の珊瑚礁だったという

石灰岩でできた山です。



写真だと全くスケールが伝わらないのが残念‼︎

写真の頂上から川の流れる谷底までは

だいたい400mくらいあって

谷底を覗くだけでもかなりの勇気がいりますが

ロッククライミングで有名な山なのだとか。

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人がだれもいなくて

聞こえるのは川の流れと鳥のさえずり。

人里離れた秘境の風景が広がります。

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翡翠のふるさとは

すごく美しくてそして

畏怖の念を抱く場所でした。






太古の時代

高圧低温の条件を満たし

限られた地域で生まれた翡翠。

その限られた地域が

まさにここヒスイ峡でした。



清流にころがる

おそらく翡翠を含んでいる大きな岩は

周りの山の木々や岩に当たる川の水しぶきを

そのまま映したような色をしています。



縄文の時代に

採掘され磨かれ全国へと広がった

世界最古と言われる翡翠文明には

心惹かれる謎がたくさんあります。



糸魚川の翡翠の存在は

約1200年という長い間

日本の歴史から姿を消し

昭和の初めまで糸魚川が産地であることは

忘れ去られていたそうです。



ヒスイ峡に立ち長い翡翠の歴史を思い

日本人にとって実は一番身近で

貴重で価値ある石だったことを

体で感じたのでした。





現在ヒスイ峡の翡翠は

天然記念物として採掘は禁じられているため

翡翠のふるさとは静かで

ひっそりと時を刻み続けています。





今私たちが採ることを許されている

唯一の方法は

川を流れ日本海に到達した翡翠を拾うこと。






私も海岸にて翡翠探しをしてきたのですが…



なんとか探し当てたい!



欲深さを見抜かれたのか

その思いは早々に見事に打ち砕かれました。




翡翠を探すため海岸に下りますと

晴れ間から一転、雨。

止んだタイミングで再び海岸へ出ると

また雨。



さすがにこれを3回繰り返したら

「見つからないからあきらめなさい!」

と教えられている気分。



それでも10個ほど拾った

『もしかしたら翡翠⁇』と思われる石を

鑑別してくれる窓口に持ち込むも

今は調べられないと張り紙があり…



結局残念ながら

海岸では全く翡翠にご縁がありませんでした。

世の中そんなに甘くない!ですね。



ただ、このおかげで

早くに翡翠拾いを諦められましたので

現地の翡翠業者さんを訪ねたり

新緑の姫川沿いを楽しんだり。





西は4億年前の地層

東は1600万年前の地層。



隣り合っていながら

途轍もなく大きな溝

糸魚川静岡構造線も見学しました。



この一帯の大地の活動の

大きなエネルギーの中で生まれた翡翠に

古代の人々が秘めたるパワーを感じ

大珠や勾玉に加工して大切に扱った歴史は

日本の宝石の原点なのですね。

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大切な目的のご依頼の翡翠にも出会えました!

先日土産話つきで(笑)

無事にお渡しすることができましたよ。

光をあてると緑が透けて見える翡翠に

感動しながら盛り上がりながら。



ご依頼から始まった翡翠に出会う旅は

翡翠そのものを探すだけでなく

翡翠のエネルギーを知る旅になりました。





実はこの旅

日帰りの超強行弾丸ツアーでした‼︎

横浜と糸魚川約350km。

車で5時間半。

でも翡翠のおかげで疲れ知らずの

とってもパワフルな1日になりました!




ただ、時間があまりなかったのと

景色に圧倒されたのとで

使える写真がほとんどないことに

帰ってきてから気づいたのでした…




次回はもう少しゆっくり

絶景をカメラにおさめる余裕を持って

ヒスイ峡の散策でもしてみたいと思います。




糸魚川の翡翠…

ご要望がありましたら探してまいります(笑)

まだまだ寄りたいところを

たくさん見つけてしまいましたので。



そして翡翠のことに詳しい方。

ぜひぜひ色々教えてください!



こんな素晴らしい機会を作ってくださった

お客様に感謝感謝です!

ありがとうございました‼︎





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