趣味うろつき…銘玉(6)

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現在のNIKONレンズの標準形になりました。
50-1.4

今日のレンズはNikonの代表的標準レンズともされている、「New Nikkor 50mm F=1.4」というレンズです。
実は、このレンズはあるブロ友さんの遺品となったレンズなのです。
特長としては、このレンズ以前のレンズの鏡胴は、アルミダイキャストの黒色浸漬処理という手法で生産されていましたが、このレンズで始めて黒色ラバーが採用されて、今日のNikkorレンズの標準形が形成された記念すべきレンズだといえるでしょう。
写りは、1.4という明るいレンズながら、非常にシャープで、ヘリコイドのトルクも軽く、ピントの山も深いレンズとなっています。
高速シャッターが必用な報道機関向けとしても最適のレンズだといえるでしょう。
このレンズには裏話がありまして、この優れたレンズの影に埋もれた「珍品」レンズがあったのです。
その「珍品」レンズとは、何を隠そう「Nikkor Auto-S F=5.8cm 1:1.4」という珍品中の珍品です。
Nikon-F開発にあわせて、標準レンズとして開発されましたが、とんでもない曲者になってしまって使い物にならなかった例のレンズです。
詳しくは私のブログの、この章を参照⇒
「ピントがしっくりこない」というすばらしい珍品レンズです。(もちろん持っていますよ。)
ここまで改良されて、ようやく使い物になるレンズに進化したことになります。
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露出計との連動がとれました。
GN-02

昨日の記事でNikomatでは使えないと書きましたが、露出計は連動できるので、一部の問題を除けば、使用は可能なようです。
絞りリングの5.6の数値の場所に、Nikonのカニ爪といわれる、レンズの露出をカメラ側の露出計に伝える部品があります。
Nikonのレンズは、露出計用部品が全部この位置についていて、レンズ側も5.6の位置が中心となっています。
ところが、「GN Nikkor Auto 45mm 1:2.8」のレンズでは、レンズの5.6の位置にレンズの中心が来ていないのです。
レンズ中心は、他のレンズの中心と異なり、11の位置にあるのです。 5.6の絞りで撮影しているつもりが、実際には11の絞りになっているので、露出不足で何も写っていないなんてことになりかねません。
本当に困ったチャンなレンズです。 しかも、このシリーズのレンズのみが、このような絞り指標になっているのですから。
原因を推察してみると、このレンズは銘玉と言われた「CarlZeiss」の45mmパンケーキレンズをコピーしたものらしいです。
そのレンズにGN指標という独自の指標を付けたものだから、レンズの中心が大きく右にずれてしまったものと思われます。
この欠点さえ理解していれば、シャープでボケ味もある画像を写してくれるレンズです。
銘玉よりは、ちょっと「迷玉」の方に軸が傾いてますけど。
ところで、残り50本以上レンズがあるので、このシリーズ終わるかな???
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趣味うろつき…銘玉(5)

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Nikomatでは絞り値が連動しません。
GN-01

「GuideNumber」が距離計が連動します。
GN-02

今日のレンズは銘玉よりも「珍品」に近いレンズです。
名称を「GN-Nikkor Auto F=45mm 1:2.8というレンズです。 頭文字の「GN」の意味ですが、ストロボやフラッシュの「GuideNumber」の略号です。
室内撮影などでストロボなどの補助光源を使用する場合、露出計やフラッシュメーターで光源の明るさの計算をしますが、この計算の手間を省略するために、レンズに「GuideNumber」表記を付けたというレンズです。
レンズの「GuideNumber」表記にあわせて指標を動かすと、連動して距離の目標が表示される構造になっています。
後は、表示された距離目標と使用するストロボの「GuideNumber」を手動調整してシャッターを押すという、簡易的なバカチョンレンズともいえるレンズです。
レンズ構造は非常に特殊で、鏡胴部分は薄くなっており、口径52mmは薄い「鏡胴」に比べて広いため多くの光量を取り入れることが可能です。
鏡胴の薄さと大口径から、通称を「Nikonのパンケーキ」とも呼ばれています。
その代償として、準標準レンズでありながら、広角レンズなみの被写界を併せ持つことになり、鏡胴部に添えた「指」が写り込んでしまうという欠点も併せ持つことになりました。
この欠点を少しでも軽減させるために、専用フード「HN4」という撮影補助部品が必要になります。
この「HN4」が無くしやすく、生産も打ち切られていますので、失うとレンズの価値が、一気に下がってしまいます。
また、「Nikon-F」シリーズ専用(FAやFM含む)として開発されましたので、写真にあるように「Nikomat」シリーズでは使用できません。(絞り値が連動しません。)
私の場合は「HN4」もついて、そこそこの値段で手に入りました。
私の所有品は中期型ですので、メーカー表記も「Nikon」となっていますが、初期型では「Nippon Kogaku Japan」の「NKJ」表記で、絞り羽も10枚(?)なので、希少品となっています。 高いよ!
保有レンズの段、終わらなくなってきました(笑)
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趣味うろつき…銘玉(4)

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銘玉の中でも入手困難な一本です。
300

本日のレンズは通称「平井の300mm」とも言われた銘玉です。
建築写真家の平井氏が愛用されたレンズで、解放F値は4.5と少し暗い目ですが、非常にシャープな画像を生み出すOldNikkorです。
AutoレンズからAiレンズになる直前の一時期に存在したNikkorレンズの系統です。
振り回すには、少し重いレンズですが、ヘリコイドのトルクも超望遠レンズにしては軽いので、手持ち撮影でも使い勝手がいいレンズでしょう。
Nikonの300mmレンズといえば「サンニッパ」と呼ばれる「300mmF=2.8」のレンズが著名ですが、極めて重いので手持ち撮影には不向きです。(稀に手持ちされたという猛者もおられますが)
潤沢に人工フローライトが使われた前球を使用していることも、このレンズの集光性が良好な理由の一つでしょう。
人気のあるレンズなのと、主に報道機関で消費されてしまったことが原因で、中古市場にもなかなか物が出てきません。 出てきても即完売になってしまうことが多いようです。
1本8~10万円前後ですが、入手することは非常に困難です。

趣味うろつき…銘玉(3)

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35mm
今回のレンズはNikkor-S Auto 1:2.8 F=35mmというレンズです。日本光学が28mmレンズに次いで発表したレンズで、ピントの山も深く設定されていて、報道用としても愛用された銘玉です。 開放絞り値が2.8という値で、高速シャッターを必要とする報道カメラにとっては、使い勝手の良いレンズということになります。 現在でも後継のレンズが生産されており、それだけ評判の良い基本性能を与えられたレンズということになります。(後継レンズはAF化されています。) デジタルカメラ用としても、AutoレンズというOldNikkorでありながら、使い勝手がいいという、50年近い前のレンズでは考えられない高性能な銘玉です。 NikonのD-Format式のカメラの場合、1.5倍の倍率がかかりますので、52.5mmという実測値になります。 標準レンズとしても使いまわしでき、視界は広角並みという、便利なレンズです。 鉄道撮影にも非常に重宝している1本です。

趣味うろつき…銘玉(2)

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28mm-1

昨日記事にしましたNikkor-H Auto 1:3.5 F=2.8cmのレンズですが、その後「cm表記」が廃止され「mm」表記に統一されました。 これは国際(ISO)基準による統一が、大きく影響しているものと思われます。 私も規格統一後のNikkor-H Auto 28mm F=3.5のレンズを持っていますが、写り具合としては、さほど変化はなく、ほぼ同等の写り具合と評価してもいいのではないでしょうか? ただ、暗い(といってもF値3.5ですが)レンズですので、夜間撮影(夜景や花火)には、ピントのの山をつかみにくいので、少々の慣れと勘が必要になってきます。 ヘリコイドのトルクも非常によく回りますので、油断するとピントが少しずれることは、ご愛嬌といったところでしょうか? 産み出してくれる画像は、当時の日本光学製レンズの中では、群を抜く精緻さとシャープさで定評があり、報道機関やカメラマンの間でも愛好者が多かったレンズです。 約05mまで寄れる広角レンズとしては、準接写レンズともいえる焦点距離も非常に好まれた要因といえるでしょう。 今度のPC版エディタは、何であのような「アホなデザイン」にしたんだ。 使いにくいし、変なタグは入ってくるし、アメーバスタッフの脳は腐っているのじゃないかな?

趣味うろつき…銘玉(1)

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銘玉中の銘玉です。
2.8cm

Nikkor Auto-H 1:3.5 F=2.8cmというちょっと暗い目のレンズですが、ピントのシャープさと画像の鮮明さでは、非常に定評のあるレンズです。
このレンズとの出会いも偶然なのですが、近所のカメラ屋(暇な時にしゃべりに行ってます…俗に言う非客さんです)で「○○さん、こんなんあるんやけどいる」と言われました。
レンズ前面の側面には「NIPPON KOGAKU JAPAN」の「NKJ表記」が刻印されており、レンズ名もNikkor Auto-H 1:3.5 F=2.8cmとcm表記のものでした。
この2.8cmレンズは、ほとんどでてこないくらい市場にないのです。 愛好者が多くて手放す人が、それだけ少ないとされているからなのです。

今回も売立があって、その中にこのレンズが紛れていたそうです。

値段も程度によりますが、3~5,000円くらいと手頃な価格のレンズです。 同じFマウントのレンズでもmm表記になれば、7,000円くらいはするものもあります。(実は両方持っています。)
このレンズの優秀なところは、Nikonのデジタル一眼で使用した場合、ほぼ50mm相当で使えるのと、画像がシャープに映る上、広角としての特性も出せるので、日常使いに便利なところです。
前日にご紹介した「Nikkor-S Auto 1:1.4 F=5.8cm」とは、真逆の優秀なレンズです。
難点といえば、先にも述べましたが市場に出てこない、あくまでも中古レンズなので、出てきても一本物ということでしょうか。
優秀な中古レンズとの出会いは、本当に偶然ですから。

趣味うろつき…珍品(2)

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後期型の5.8cmレンズです。
5.8Cm

超問題児のNikon Auto-S F=5.8cm 1:1.4のレンズのお話の続きです。
このレンズを手に入れたのは、半ば偶然でした。 大阪駅に用事があったので、帰りにいつも行くカメラ屋さんの中古品展示ケースの「NIKON」の棚を見て、面白いレンズがあればなぁ~と物色していたのです。
その中に、風貌の変ったこのレンズがいたのです。 ケースから出してもらい、レンズキャップを開けると、NIPPON KOGAKU JAPANという刻印がありました。 社名表記が「NIKON」に統一される前の通称NKJ物といわれるOldNikkorであることに間違いありません。
OldNikkorでも表記に2種類ありまして、レンズの焦点距離表示が「cm」になっている物と「mm」になっているのものです。
もちろん、このレンズは「cm」表記でしたので、Nikkorレンズ(Fマウント型)でも一番古い部類に入るレンズです。
値段っも15,000円(税込)でさほどお高くないし、社長を呼んでもらって「これキープ(おいおい、ボトルじゃないんだから)」といって銀行に行き代金をおろして、受け取りました。
最初からどんなレンズが欲しいからと思ってお店に行っていないのと、同じ階に取引している信用金庫の支店があるので、財布にお札がなくてもいいんです。
今では当家に鎮座されてますが、「よう、こんなレンズ作ってしもたな」というくらい面白い「ジャジャ馬」レンズです。
私は始めてこのレンズで「ピントがしっくりこないレンズ」というのを体験しました。
Nikonのレンズは「シャープなピント」で有名なのですが、このレンズに限っていえば「何となく眠い感じ」の写真になります(笑)
これでは報道関係では使えませんわな(大笑)

趣味うろつき…珍品

テーマ:
本来はこうなるはずでした。
5.8Cm
今日もレンズのお話です。 我が家におられるNikkorレンズの中で最も珍品とされている(事実珍品です)レンズは、Nikkor Auto-S F=5.8cm 1:1.4というレンズです。
実は、このレンズ総生産本数が36,000本程度でTheEndになってしまったという幻のレンズなのです。
そのころ、日本光学はレンズ交換式一眼レフの開発をしていましたが、Nikon-S3という名カメラの存在があったことで、開発は遅々として進んでいない状況でした。
名機S3の5.0cmレンズを改造して一眼レフ用レンズに転用する企画が持ち上がりました。 遅れている本体の開発より、レンズの開発が先行したのです。
本体の開発も遅ればせながら進み、これが国産最初のレンズ交換式一眼レフ「Nikon-F」となりました。
Nikkor Auto-S F=5.8cm 1:1.4は、「Nikon-F」の標準レンズとして華々しくデビューするはずでした。 が、いかんせん急場こしらえで改造したため、様々な問題がでてしまいました。
まず、ピントの山が異常に浅い、ヘリコイドのトルクがきつい(滑らかにピンとあわせができない)、重い(報道カメラマンにとっては致命的です)など上げれば数限りない欠点が出てしまいました。
欠点の缶詰みたいなレンズが出来てしまったのです。
ピントの山の浅さは、私も痛感しましたが、絞り値が5.6では、本当に中央部分にしかピントが合わないのです。
絞り値を16まで絞り込まないと、標準的なピントの合いにならないという現象が起きてしまい、これは高速シャッターを必用とする報道機関用としては致命的でした。
初期型4338本、後期型31051本で開発に終止符が打たれ、このレンズは「Nikon-F」の標準レンズとはなれなかったのです。
改良されていった点としては、人工フローライトを潤沢に使っていましたので、その純度を上げて透明性を増して、集光性を上げて最高精度の明るさにまで(当時としてはですが)高めていったのです。
でも、ここまで改造および改良を進めても、トルクの問題や重量の問題など、機械的な問題は積み残しになってしまい、大量生産には至らずに終わってしまったのです。
光学的には、非常に優秀なレンズ構成になっていましたので、後に集光性を上げてNikkor58mmNoctを産み出す基盤レンズとなりました。
さぞかし高かったって? 実は売ったカメラ屋も知らなくて、結構安く手に入ったのです。
或るブロガーさんへ、こういう珍品レンズがあれば、結構高値になるケースもありますよ。

趣味うろつき…銘玉

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CarlZeiss Planar85mm F=1.4
PLanar-01S

今日の主役はカメラではなくてレンズです。 CarlZeiss(ドイツ)のライセンスで国内生産されたレンズで、CarlZeiss Planar 85mm F=1.4という非常に明るいレンズです。
主にポートレート用として開発されたレンズで、その精細な描写力には定評があるレンズです。
集光性を高めるために、人工フローライトガラスを潤沢に使い、5群6枚のレンズでありながら、ずっしりと重いレンズです。
マウントはZF(NikonFマウント用)ですが、他のカメラメーカー用にZM(PentaxKマウント用)ZE(CanonEFマウント用)も用意されています。(注文時にオーダーする方式です)
私は、人物を撮影しない方針ですので、ポートレート用としては用いていませんが、夜景や鉄道用のレンズとしてもっぱら使用しています。
重いので長時間の手持ちは難しい時があるので、三脚が必須になることもあります。 そのため三脚制限区域では使用できないケースもあるのが、難点といえば難点なんですが。
最近、質のよくない中古のPlanarシリーズが出回っているようです。
信頼できるカメラ屋さんで、直接「モノ」を見てから購入するようにしましょう。 値段はベラボウになりますが……。