がんぷく。

テーマ:

 「眼福」と書く。いいもの見せてもらったなあ、うれしいなあ、という意味。

 私は通行人に美人を見かけると、あ、眼福、と手を合わせてきた。

 

 先週のある晴れた日。静岡で午前中に仕事が終わり、新幹線で三島まで向かうあいだ、ずっとデッキに出て、圧巻の富士山を眺めていた。

 そのときに、ハッと気がついた。これが「眼福に預かる」ということだよ、と。女性(主にです)だけに反応して、眼福、ガンプク、と心で口ずさんでいた私は煩悩一筋の情けない男だったのだ。

 落ちついた富士山、壮大な富士山、優しい富士。どんな形容詞も受け付けてくれる富士山。いい光景だなあ。

 

 と、デッキに三々五々、外国人が集まってきた。どうやら富士山をきちんと車窓から見たい模様。

 私は「独占しているな」と背後に感じ、譲ってあげた、デッキ窓を。

 「サンキュー」「アリガトゴザイマス」と彼等。「ユーアーウェルカム ノープロブレム」と私。

 小さな親切、1日エッヘン。

 

 三島駅に駐めておいたクルマで、山中湖へ。富士山の裾野を半周したムード。

 違うなあ、眺望。稜線が違う。雪の景色も違う。でも前、後ろがないって気分は変わらない。

 不思議な、孤高の山ですね。眼福、ガンプク。ペコン。