ライブドアCEOの肩書 「かっこいいから」 -問答- | にっけいしんぶん新聞

ライブドアCEOの肩書 「かっこいいから」 -問答-

堀江被告公判 「意味ない」と説明 -夕17面-

ライブドア事件で証券取引法違反罪に問われた前社長、堀江貴文被告(34)の検察側被告人質問が始まりました。検察側は「最高経営責任者(CEO)として事業を統括していたのでは」と追及しましたが、同被告は「かっこいいから付けた。意味はない」などとはぐらかし、「IT系企業ではやっていて、見た目が良かったから付けた。名刺を見た人が関心を持って営業トークにも使えるし・・・」などと、とうとうと述べました。
「社長業とはどういうことと思うか」と問われると「一言では答えられない」、「会社経営で一番重要なことは?」には「がんばる。いろいろな仕事をがんばる」と応じるなど、検察側を挑発するかのような返答に終始。なおも追求しようとする検察官に対し、裁判長が「次の質問に移って」と促し、傍聴席から失笑が漏れる場面もありました。

 
こういう裁判シーンって、実際どんな感じだったのかなかなかわかりませんよね。
ただ読売や朝日の記事を読み比べてみても、どうやらホリエモン被告は検察に対してかなり挑発的な姿勢で臨んだことは伝わってきます。

記者はホリエモンが実際のところ事実関係をどこまで把握して違法行為に及んだかは知る由もありませんが、しかし「はぐらかした」だの「挑発的するかのように」だのと書かれてはいるものの、彼のいうことはいちいちもっともではあります。

「CEOは意味はないけどかっこいいからつけた」、これはおおかた本音でしょうし、それどころかおそらくいまCEO制をとっている会社の中でも似たようなところは少なくないかもしれません。
もっとも、「名刺を見た人が関心を持てば営業トークに・・・」なんて言ってますが、天下のホリエモンにそんなベタな営業トークが必要とは思いませんけどね。
(そういえば「ホリエモンと名刺交換をしたら渡した名刺を名刺入れ替わりに折り畳みのケータイにはさんだ」なんて話を聞いたことがありますが、本当なのでしょうか)

あるいは「社長業とは?」という問いへの答え、日経には「一言で答えられない」とだけありますが、読売には「30分間ずっと話しても良いのなら答えますけど」と言ったともありました。
検察を小ばかにしているようでもありますが、しかしこれもそのとおりでしょう。
彼も講演会なんかでそんな話をじっくりしたことがあるかもしれませんが、「社長業とは?」なんて哲学にも通ずるような漠然とした問い、一言で簡潔に答えられるようなものでなくてもしかたのないところです。

また「会社経営で一番重要なことは?」ときかれて「がんばる。いろいろな仕事をがんばる」と応じたのが「挑発的」なんて書かれてますが、しかしホリエモン、たしかにいろいろな仕事をがんばってましたよ。
忙しいのに自ら広告塔になって、テレビでマラソンなんかまでやっちゃってましたから。

そしてこんな質問を延々されたホリエモンは、「経営者の仕事なんて、(検察側が)調べればいいじゃないですか」と応じたと読売にはありましたが、これもごもっともです。
もちろん分かって聞いているのでしょうが、検察側の質問がこんなふうに国会審議の野党の質問のようだと、ホリエモンが「揚げ足を取られるから」といって答えるのを拒否したというのもよくわかります。
後になって「社長は○○するのが仕事って言ったじゃありませんか」なんて言われるのは目に見えてますからね。

ホリエモンが「質問が長くて頭に入ってこなかった」「もっと分かりやすく質問してください」などとやりかえし、検察が気色ばむ場面があった(読売より)といいますが、はたして裁判長が「次の質問に移って」と促したときに漏れた失笑とは、誰に対する失笑だったのでしょうかねえ。

いやあ、見たいですよねえ、ホリエモンの裁判中継。
テレビでやったらかなりの数字が取れると思うんですけどねえ。
日本では法廷シーンのテレビ中継できませんが、勘違いでなければたしかアメリカではオッケーで、中継専門のテレビチャンネルなんかもあったと聞いたことがあるように思うのですが、日本もそういう風にならないですかねえ。

こうなると阿曽山大噴火氏のレポートが楽しみでなりません・・・。



※阿曽山大噴火:裁判傍聴マニアの芸人さん。大川豊興業所属。