ゼロ金利あす解除へ -断言- | にっけいしんぶん新聞

ゼロ金利あす解除へ -断言-

日銀、誘導目標0.25%に -1面-

日銀が13日から開く金融政策決定会合で、短期金利をゼロ%に抑え込んできた「ゼロ金利政策」を解除する見通しになった。議決権を持つ9人の政策委員の大半が、景気が持続的に拡大し物価のプラス基調が定着したと判断し、解除に傾いているためだ。会合2日目の14日に短期金利の誘導目標を現在のゼロ%から年0.25%に引き上げることを多数決で決める。短期金融市場で2001年3月以来、約5年4ヶ月ぶりに金利が復活する。

これ、13日1面トップの要約部分そのままなのですが、なんか最初は「見通し」だったのが、途中から「多数決で決める」って、完全に断言しちゃってますよ。
引き上げ幅だって一気に0.5%だとかいやいや0.1%だとかいう説もあったのですが、年0.25%確定ですよ。

おまけに<金融政策変更の主なポイント>なんて枠囲みで組んじゃって、

・ゼロ金利政策を解除し、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%に引き上げる
・追加利上げのペースを極めて緩やかにすることを表明する
・公定歩合の水準を現在の0.1%から引き上げ、0.4-0.5%を軸に調整する
・長期国債の買い入れガクを現在の月額1兆2000億円のまま維持する
・景気の現状判断を「着実な回復」から「拡大」に変更する


って、完全に変更内容を先取りしちゃってますよ。
ついでに記事本文でも、

会合後の声明や福井俊彦総裁の記者会見で「極めて低い金利水準を維持する」と強調し、追加の利上げは急がない方針を示す見通し。

って、いちおう見通しとは言ってますが、声明内容なんて「かっこ」書きで、まるで台本でもあるかのような書きっぷりですよ。

うーん、いいんでしょうか・・・。


いーんです。


どうせこんなの日経の記者の予測じゃなくて、意図的なリークなんですから。

決定会合でいきなりぽんと政策が出て市場が混乱することのないよう、徐々に織り込ませるために、日銀がわざと漏らしてるにちがいないんですから。

誰かに聞いたからこそ「かっこ」書きも出てくるし、ほかはやたらに断定的なのに、まだ方向が決まってない公定歩合の水準だけは「0.4-0.5%を軸に調整」なんてあいまいな部分もあるんでしょう。

夜討ち朝駆けの成果というか、ギブアンドテイクというか、まあそんなところに違いありません。
なんせ福井総裁も以前日銀の副総裁だった頃は新聞にリークする担当だったらしいですし・・・。

以前、某新聞が同じように金融政策変更の記事を1面トップで上げたのに見事に外して大恥を書いているのを見た記憶がありますが、まあ今回は大丈夫でしょう。
日銀もこのような重要な局面で実際と異なる金融政策を市場に織り込ませることはないでしょうし、逆に日経も固い裏づけのないことをここまでは大々的に書かないでしょうから。


マーケットは今日(13日)も株・債券とも上下にどたばたとやっており、急落後に反転上昇する場面では「ゼロ金利解除に向けて急落はまずいからPKO(公的資金による買い支え)をやっている」なんて噂も出ておりましたが、マーケットがいまだにゼロ金利解除を織り込んでないわけがありません。
また実体経済への影響面でも0.25%の引き上げが直接景気の回復基調に水を差す可能性も低いと思います。
政府サイドの中には依然解除に反対している方もいるようですが、タイミングとしてむしろここで解除しない場合のほうが混乱は大きいでしょう。

ただ、先日の短観では強い基調の設備投資に注目が集まっていましたが、個人的には企業業績面に迫力不足に感じました。
米国景気もピークアウトしつつあり、とりあえずゼロ金利は解除するものの、今後の舵取りはけっこう難しいものになると思います。


・・・しかしそれにしてもこれだけシナリオが決まっているという政策決定会合、儀式的な事務方の説明なんかが長かったりするのかもしれませんが、延々2日もかけてやる必要はあるんですかねえ・・・。
「ああもう今回はいいじゃないですか、さっさと多数決やっちゃいましょう!」とか言いだす人、いないもんでしょうか・・・。
それとも、

政策決定会合

この椅子、よっぽど座り心地がいいんでしょうかねえ・・・。



※写真は日経新聞より。