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2005年11月30日

今日の愛ルケ(#386)

テーマ:連載小説
この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ストーリーをブログ上で知りたくない方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
と断っておりましたが、最近は性的な描写はほとんどでてまいりませんので、むしろ性的な描写をお望みの方はご遠慮なさったほうがよいかもしれません。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。



野分 十八

気づかぬうちに涙を流していた。拘置所に入り、初めて気持をわかってくれる人に出会えて嬉しい。弁護士も中瀬も好意的で味方だとは思うが、最後はどこか違っていた。だがこのママだけは、冬香の気持と事件の背景をわかってくれている
こんな理解者が、四谷の小さなバーのママだったことが、不思議でおかしい。難関を通って職に就いた検事や弁護士や編集者ではなく、市井の片隅で名も知れずに生きていた、女性であったことが嬉しい
菊治はありがとうと手紙に頭を下げる。いままで諦めていたが、あの瞬間の気持を理解してくる人が現れたのである。
なにより、冬香が世界一幸せな女といいきってくれたのが嬉しい。ほとんどの人は可哀相で憐れで、さらには淫らで馬鹿な女だというが、ママは違うという。
頭や理屈でなく、女として生きてきた実感でいいきっているのだ。
「よし・・・」
菊治に初めて戦う意欲が涌く。結婚し離婚し、不倫も重ね、この世の誤りのほとんどを実感してきた女が、「殺した気持がわかる」というのだ。
ママに出廷してもらえばどうか。
ただ一言、「エクスタシーの頂点に追い詰められたら、そのまま死にたくなる。思わず、殺して欲しいと叫びたくなる」そして、
「女の悦びは、それほど激しくて深い」
それだけいってくれたら
、自分も冬香も浮かばれる。
はたしてそんなことは可能か。


#菊治、男泣きしてますが・・・

でもたしか菊治って、嘱託殺人すなわち「殺してと頼まれたから殺した」って主張には、自分で違和感を感じていたんじゃなかったでしたっけ?
それがどうして嘱託殺人の主張を補強するような手紙を読んで、「初めてあの瞬間の気持を理解してくれる人に出会えた!」なんて話になるのでしょうか?
またまた記憶が替わってしまっているようですが、今度こそファイナルアンサーなのでしょうか。

そしてその理解者がエリートの検事や弁護士でなく、市井の片隅で生きる場末のバーのママだったことが嬉しいなんていってますが・・・


検事に理解してもらったほうがいいんじゃねえか?

あと、裁判官と。


なんでここで「社会的エリートVS性のエリート」の構図に拘るかなあ・・・。


しかし妙な被害妄想の性のエリート、同志たるママの手紙を全面的に信頼するのはいいけれど、でもさあ・・・


世の中のほとんどの人が冬香は可哀相で憐れで、淫らで馬鹿な女だといっているときに、ママだけは世界一幸せだといいきってくれる。


ママの手紙の話から、かなりエスカレートしてねえか?

世の中のほとんどの人が冬香が可哀相で憐れで淫らで馬鹿な女といってるなんて書いてあったっけ?
一部の人が冬香をふしだらで淫らだときめつけてるってあっただけだろ?
いつのまにそこまでいわれたんだ?
それはお前の妄想、もしくは手紙じゃなくて・・・


ブログに書いてあったことだろ?


もっとも、可哀相だってのは子供たちのことで、憐れむ場合も同情的というより侮蔑的な意味だったと思いますけどね。


さあ、ともかく戦う意欲の涌いてきた菊治、いよいよ性のエリートとして戦う覚悟が決ったようです。
自分が先頭に立つのでなく、真っ先にママを証言台に立たせることを考えるあたりは菊治らしいところですが、しかし同じ女性から女の悦びの深さを主張してもらわなければ、 死んだ 自分が殺した冬香も浮かばれません。

あんなことを法廷で証言したら、冬香は浮かばれてもママの評判は沈んじゃうだろ、なんていってはいけません。それは性のエリートたる代償です。

そもそも「冬香も浮かばれるかもしれない」って、「世界中で一番幸せな女」なら浮かばれるもなにもねえだろう、なんてことをいってもいけません。
そんな矛盾はいつものことです。

もちろん、「女はエクスタシーの頂点で死にたくなる。思わず殺してと叫びたくなる」なんて証言じゃあ、ますます冬香の「殺して」という叫びが「正常な判断力のもとでの自己の殺害の依頼」と受け取られなくなるんじゃないか、なんて疑問だって無用です。

さあ!

いけいけ!菊治!!
戦え!村尾章一郎!!

GoGo!マコママ!!
負けるな!みんなの菊地麻子!!

冬香のためにも、君たち2人こそがエクスタシー思想を広めるのだ。
性のエリート、エクスタシーの伝道者、はたまた「愛と技巧のドンキホーテ」として、冷酷な織部検事、そして世の中の偏見と戦うのだ!!

法廷で大胆な主張を繰り広げる二人の伝説、エクスタシーの武勇伝こそが、愛ルケのフィナーレを飾るのだ!

ん?
伝説?
武勇伝??

って、かなり強引ですが・・・


デンデンデンデ デンデンデン・・・

いま、日経へのクレームの9割は俺宛です

菊ちゃんかっこいー!
デン!

オリエンタルムラオです
お願いします

・・・菊ちゃんいつものやったげて!
おう、聞きたいか俺の武勇伝
そのすごおい武勇伝をゆったげて!
俺の伝説ベストテン

レッツゴー!

俺はエクスタシーの伝道師
すごおい いかせた女は冬香だけ

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン

死にたいくらいの快感見せる
すごおい ホントにごわっと殺しちゃう

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン

うっかり殺して嘱託殺人
すごおい 作者もどっちかわからない

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン

ケチャ○んセックス絶対安全
すごおい 医学博士のお墨付き

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン

道行く女に思わず欲情
すごおい みんなモンローウォークに見えてくる

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン


すごおい、すごすぎるよ菊ちゃん、よーし、新幹線に乗ろう。
いいだろう。
さすが菊ちゃん、グリーン車だね。
もちろんだ。
あれ、でも菊ちゃん、これ普通車自由席の切符だよ。
関係ねえ。
だめだよ、自由席に移らなきゃ。
めんどくせえ。
えー、でもほらあ、もうすぐ車掌さんが検札にくるよぉ。
しゃらくせえ!
いやぁ、なにすんだよぉ。
切符がなくてもグリーン車に乗せる、それくらい自在にやるのが客商売ってもんだ!
かっこいー!
カッキーン!


俺のセックスは馬並みだ
すごおい サイズじゃなくって描写だけひひん

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン

巨乳は異様だ美乳がいちばん
すごおい おっぱいさわらず即挿入

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン

延長料金は払わない
すごおい あそこも拭かずにダッシュでチェックアウト

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン

自慰で国家に反抗だ
すごおい 布団の外では無抵抗

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン

ベストセラーで印税暮らし
すごおい ホントは拘置所で税金暮らし

武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン


♪意味はないけれどむしゃくしゃしたから
校了さぼって一人散る

デンデンデデンデン

♪箱根へ行くのにロマンスカー
途中下車してタクシー飛ばす


カッキーン!
菊ちゃんかっこいー!

レッツゴー!
デンデンデデン・・・
カンカカンカンカカンカッキーン

ママの手紙に涙を流して 記憶がすり替わる
ぺけぽん!




一度ネタで使いたかったのよね・・・。


※パートを色で分けたら、やけにカラフルになってしまいました。
※どのくらいメジャーなんでしょうか、オリエンタルラジオ。
※記者自身いまいちネタの流れに自信がなく、あちこちサイトを巡って仕入れた情報のつぎはぎですが、誤りは大目に見てください。まあ、完璧に覚えている人も少数派でしょうが・・・。
※途中、菊治じゃない人物についてのネタがあるようですが、ま、ほぼ同一人物ということで。
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2005年11月30日

フージャーズ支援へ -え?-

テーマ:企業・財務・投資
■リヴァンプ(ユニクロ元幹部が設立した企業再生会社) -12面-

12月、マンション開発のフージャースコーポレーションの支援に乗り出す。非常勤取締役の派遣のほか、資本参加等も検討する。


えっ?

あの会社を??

被害者救済のため???


と思われた方、違います。

微妙に似た名前のマンション開発業者ですが、こちらは東証一部上場、株式市場でもけっこう人気の優良成長企業です。

つっても、こちらも「広くて安い物件」(その分駅からとおかったりするが)が売り物だったりするから、勘違いしちゃう人いるんだろうなあ・・・。



あと、最近ちょいちょい話題になるこの企業再生会社「リヴァンプ」、必ず「ユニクロ元幹部が設立した」ってついてるのも、なんだかなあ・・・。
そのユニクロもユニクロがメインの記事では、「ユニクロ」じゃなくて「ユニクロを展開するファーストリテイリング」ってなるんですけどね・・・。
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2005年11月29日

今日の愛ルケ(#385)

テーマ:連載小説
この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ストーリーをブログ上で知りたくない方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
と断っておりましたが、最近は性的な描写はほとんどでてまいりませんので、むしろ性的な描写をお望みの方はご遠慮なさったほうがよいかもしれません。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。


素敵な愛の技巧
素敵ナ愛ト技巧デ導クノ図
挿画:小松久子先生



野分 十七

手紙は、いまのマスコミの騒ぎ方は興味本位で愚劣だと続くが、情報の入らない菊治は具体的なところを知りたい。
「評論家と称する女性が『セックスの最中に、殺してと叫んだなど、女性を蔑視している以外のなにものでもありません』といっていますが、わたしはその意見こそ女性蔑視だと思います」
そんなことまで話題になっていたことに驚き、いやあな気分になる。
「世の中には、本当の性の悦びを知らない人が多すぎるのです。女性は心から好きな男性に、素敵な愛と技巧で導かれたら、狂おしいほどのエクスタシーに導かれることは、たしかです」
菊治は思わずうなずく
「先の評論家や、冬香さんをふしだらで淫らな女、と決めつけてる主婦たちは、本当の意味での、性の悦びを知らない人たちです面白おかしく、酒の肴にして騒ぎ立てる殿方たちも、相手の女性を最高のエクスタシーに高めたことはないのです」
酒の肴ときき、また暗い気持になる。
「村尾さんの仰ることを信じています。そして、冬香さんに嫉妬します
一行空いて続く。
「遺族に失礼かもしれないけれど、最高の快感を味わいながらエクスタシーの頂点で死ねたなんて、冬香さんは最高に幸せな女性です。愛する女性を、あんな幸せな世界に導いて、殺人という罰を受けるなど、これほど理不尽で不当なことはありません。このように考える女性もいることを知っていただきたく、失礼ながら筆をとりました」


#・・・。

記者、読み終えてなんといえばいいのか、そう・・・


いやあな気分にとらわれました。


だいたい、女性評論家や多くの女性たち、とくに主婦たち、あるいは殿方たちといっていますが、これ・・・


わたしたちのことじゃないですか?


別にみなさんは冬香のことを「ふしだらで淫らな女」などと批判してはいませんが・・・

記者も酒の肴にして騒ぎ立ててはいませんが・・・
もっとも・・・


ブログのネタにして面白おかしく騒ぎ立ててはいますが・・・。


ま、しかしこいつらに「これだからエクスタシーを知らん奴らは・・・」とかいわれたところで、今さらいちいち目くじら立てていられませんよ。
ここは大人の対応でいきましょう。


とにかく、結局この回は渡辺先生の言い訳&持論確認大会なんですよね。
とりあえず、それをまとめてみたのですが・・・

○ただの興味本位ではこの事件は語れない。

→最高の興味本位的人間が菊治だったのですが・・・。

○セックス中に「殺して」といわせるとは女性蔑視とかいっている人がいるが、そういう人の方が女性蔑視。

→なんでセックス中に「殺して」といったと主張すると女性蔑視なのか、意味がまったくわかりませんが・・・。
しかもそういう人のほうこそ女性蔑視って、「アホいうやつのほうがアホじゃ」的な理屈に見えますが・・・。
だいたい、この小説が女性蔑視と叩かれたのはそんなとこじゃないですから・・・
ていうか、そのマコママこそが女性蔑視の鑑ですから・・・。

○好きな男に素敵な愛と技巧で抱かれれば、女はエクスタシーに導かれる。

→だからその「素敵な愛と技巧」がまったく見えないんですって・・・。

○これを理解できない男は女をエクスタシーに導いたことがないのだ。

→「素敵な愛と技巧」を描いていただければたぶん理解できると思いますけど・・・。

○エクスタシーの頂点で死ねた冬香は最高の幸せだ。

→死ぬ必然性も感じられないのに、ただ快感の中で死ぬのが幸せですか?

○それなのに菊治は殺人という罰を受けるなんて、理不尽で不当だ。

→いや、三人の子供の母親を絞め殺してきちんと裁かれないほうがよっぽど理不尽で不当ですが・・・。
ていうかそもそも、「殺人という罰」ってなんですか?
お願いですから、「罪」と「罰」の区別くらいはしてくださいね・・・。


いやあ、熱く叩こうと思ってそういう原稿も一度は書き上げたのですが、もう、なんちゅうかほんちゅうか、アホらしくなってしまって・・・。


先生、刑事訴訟関係の取材をしてあれこれ考えているうちに忘れてしまっていた本来のテーマをを思い出したもんで、慌ててママに手紙を寄越させでもしたのでしょうか。
それとも今後、この手紙で迷いを断ち切った菊治が「性のエリート」として本来なすべき主張を法廷で堂々と展開することになるのでしょうか。



そうだ、俺たちは普通の人とは違う、選ばれた性のエリートなんだ。
冬香はなぜ死を望んだのか、俺はなぜ冬香を殺したのか、それを一般人に伝える義務があるのだ。
俺がそれを法廷で主張し、そしてキョムネツが一人でも多くの人に読まれる。
そうして性の愚民たちを啓蒙し、解放する。
それこそが冬香の死をより崇高なものにするのだ。
エクスタシー万歳!セックス万歳!!夜の反逆サイコー!!!


・・・うだうだと散々優柔不断を続けてきていた菊治が内弁慶ではない「真の性のエリート」に生まれ変わるなら、むしろ面白くなるのかもしれません。
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2005年11月28日

今日の愛ルケ(#382-384)

テーマ:連載小説
この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ストーリーをブログ上で知りたくない方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
と断っておりましたが、最近は性的な描写はほとんどでてまいりませんので、むしろ性的な描写をお望みの方はご遠慮なさったほうがよいかもしれません。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。



野分 十四

落着かない日々を過ごすうち、中瀬が三度目の面会に来た。窓の向こうから手を挙げ「元気か、うん、元気そうだな」と一人でたしかめてうなずく。
五万部の増刷が決ったと五本の指を開いていうが、発売して一ヶ月も経たないのに十万に五万とは初めてで、まさしく異様なペースだ。
新しいのが出来たら送るという中瀬はいう。奥付けの「初版」が「二刷」になるだけだが、菊治は礼をいい頭を下げる。
中瀬は印税の振込先はいままでどおりでいいかときかれ、思いがけない質問に戸惑うが、口座は初めから東西銀行のはずだ。
どうしてかときくと、中瀬はそれならいいとかすかに笑う。一応、たしかめたかっただけのようだ。
急に印税が入るようになったが、当の本人は獄につながれ、欲しいものも買えず、美味しいものも食べられない。たしかに少し奇妙で、中瀬もそのちぐはぐさがおかしかったのかもしれない。
長年の夢はかなったが殺人犯の汚名をかぶせられているこれが、本当の意味で幸せなのか不幸なのか
菊治は考え、運命の皮肉さに驚き戸惑う。


「元気か、うん、元気そうだな」

中瀬取締役、まあご機嫌がよろしいのでしょうが、この自己完結具合、まさに菊治の同類です。
その中瀬がもたらした吉報、5万部の増刷とは、発売一ヶ月で、菊治も驚く異様なペースです。

売れれば当然、印税が入ります。
振込先を確認する中瀬に、戸惑う菊治。

「印税の振り込み先は、いままでどおりでいいんだな」
・・・印税は初めから、東西銀行の菊治の口座になっているはずである。
「どうして?」
「いや、それならいいんだけど」
(原文)

ん?
なんだ、この思わせぶりな会話は??
預金が差し押さえでもくらっていたか??
もしや、遺族が動いたか!?


中瀬はたしかめたかっただけのようである。


な、なんだよ、それは・・・。
なんにもねえのかよ、思わせぶりな言葉をつらつら並べやがって・・・。
ただそれで自分の金なのに買い物も飲み食いもできねえのが奇妙だとかいいたかっただけかよ・・・。

だいたい、そんなに大げさにいうほど奇妙じゃねえぞ。
別に印税が入ってこようがこまいが、自分のカネを自由に使えないのは囚われの身の人間すべてに当てはまることじゃねえかよ。

で、そんな状態の自分を考えてみて、どうだって?


夢はかなったが殺人犯の汚名をかぶせられて、はたしてこれは幸せなのか、不幸なのか。運命の皮肉さに驚き戸惑う。


またどこまでも突っ込みどころの多い思考じゃねえか・・・。

殺人犯の汚名をかぶせられ??


てめえで嘱託殺人を主張してんだろうがよ!!


なにを人からかぶせられたみたいに入ってんだよ。

で、なんだって?

運命の皮肉さに驚き戸惑う?


こんなの皮肉な運命っていうのかよ・・・。


ていうかさ・・・
夢はかなったけど殺人犯の汚名をかぶっている運命の皮肉ってさ・・・



冬香はどこへいったんだよ!?


運命の皮肉っていうなら、最愛の女性を自ら殺してしまったことで二人の念願だった本の出版がかない、おまけにベストセラーになったってことだろうがよ・・・。
なんで冬香がいないこと、冬香を殺してしまったことより、「殺人犯の汚名をかぶせられた」ことのほうがネガティブな要素なんだよ・・・。


はたしてこれが、本当の意味で幸せなのか不幸なのか。(原文)


えーと・・・やっぱり・・・

幸せ

だと思いますよ。

最愛の女性を自ら殺して失ってしまったことをきれいさっぱり忘れて悩んでいられるあなたは、


本っ当に幸せ!


に違いありません・・・。



野分 十五

中瀬は話題を裁判の話題に変え、「傍聴したけど、なかなかよかった」という。最初に遺族に謝ったので印象がよくなり、いい加減な男じゃないということがみなにわかったはずだと続ける。率直な印象を話してくれて、気恥ずかしいが嬉しい。
遺族が来ていたかきくと、涙ぐんでいる年配の女性がいたので被害者のお母さんかもしれないという。夫や子供のことは考えていたが、母親のことは忘れていたので思わず頭を下げる
夫のことも興味があって見廻したがわからなかったらしいが、してみると法廷には来なかったのか
傍聴券をとるのが大変で、マスコミも取材に来ていたというが、また大げさにかかれるのかと思うと喜べない。
新聞にも、『村尾氏、嘱託殺人を主張』とでていたから、みな、わかったと思う
嘱託という言葉にいま一つ納得できないが、そのほうが一般に理解され易いのか。
会社の弁護士は多分、二、三年で出られるだろうといったらしい。刑期のことまで北岡弁護士と話していないが、それは重いのか軽いのか。いまはそこまで考える余裕がない


この前の裁判、なかなかよかった


うーん、見事な中瀬節ですね。
お芝居かなにかの感覚でしょうか?
とても殺人犯の法廷の話には思えません。
実際にほかの人たちがどう感じていたかとか以前の問題です。

さて、そういわれて気恥ずかしく喜んでいるバカのほうです。
遺族が来ていたのかときくのはいいのですが・・・


「・・・涙ぐんでいた年配の女性がお母さんかもしれない」
母親のことは忘れていた。



忘れてんなよ!

箱根旅行の陰の功労者じゃねえかよ。
おめえも子供のことはいちばん気にしてるだろうがよ。
なんで立場を置き換える想像力がねえかなあ・・・。

ほんと、想像力はねえくせに・・・


「夫は誰かと見廻したけど、わからなかった」
してみると法廷には来なかったのか。



だからわかんなかったっつってんだろうが!!


勝手に飛躍した解釈してんなよ、まったく。
想像力はないけど、論理の跳躍力だけはあるだもんなあ。
しかもこんな勝手な推量が今後既定事実になっちゃうんだから困りもんだってんだよ。


ということで、法廷に夫は来ていませんでしたが、マスコミは大勢いたようです。
新聞もこぞって・・・


「村尾氏、嘱託殺人を主張」


村尾被告だろうがよ!


裁判中は○○被告だろ、普通は。

で、中瀬、なんだって・・・?


「・・・とでていたから、みな、わかったと思う」


なにが?


冬香が懇願したことが?
菊治は悪くないってことが?

記者にはさっぱりわかりません。
もっとわからないのが、


嘱託殺人というほうが一般的には理解され易いのか?


理解しにくいと思いますが・・・。

普通に「殺意を否認」ってほうが理解され易いと思いますが・・・。
まあ確かに嘱託殺人なら、「殺意を持って殺した」ってことだけははっきり理解されやすいと思いますが・・・。

で、一般でない専門の方はどうおっしゃってますか?


それならそんなに重くならない、二、三年で出られると弁護士はいっている


中瀬・・・

いや先生・・・



ほんとに弁護士さんにききました?


こんな場合でも嘱託殺人の線で認められるだろうって?

いや、それ以前に弁護士さんに聞いて確認しておいて欲しいことはいっぱいありますが・・・。

それに、弁護士さんに確認といえば、菊治も・・・


刑期のことまで北岡弁護士と話したことはないが・・・


話しとけよ!!


自分の考えの「過失致死」じゃなくて、キタベンがこれでいこうっていったから「嘱託殺人」を主張してんだろうが。
だったらせめて双方の刑期ぐらいきいてメリットデメリットを確認してからにしろよ。


はたしてそれは重いのか軽いのか。
いまの菊治にはそこまで考える余裕はない。



おまえ時間だけはあるんじゃないのかよ!

夜の反抗をしてる余裕があったら、自分の犯した罪と与えられる量刑についてくらい、考えろよ。
まったく、ほんと無自覚だよ。

もう、罰として今夜はオカズ抜き!



野分 十六

中瀬が来た三日後、手紙が届いた。差出人は「菊地麻子」と記されているが新宿区荒木町二丁目「マコ」と記されているのを見て、よく行くバーのママだとわかった。新劇女優出身で五十はとうにこしているが、話しやすく、本を出してもらえない鬱憤をぶちまけたこともある。
封を開くと達筆で、こんなときに無遠慮にお便りするのはどうかと思ったが、一言申し上げたかったと記されている。丁寧な書き出しに安心する。
事件に心から同情するとの文言に続き、マスコミの騒ぎ方や、第一回の審理が始まったことを知ったことまで、簡潔に記してある。
「わたしごときが、とやかくいうことではないかもしれませんが、マスコミやまわりの人々がなんといおうと、わたしは村尾さんの無罪を堅く信じています」
ここまで言い切ってくれる人は初めてで、さらに食い入るように読む。
「恥ずかしくていうべきでないかもしれませんが、女性はセックスの頂点で死を願うことはあると思います。実際、わたし自身がそうでした
カウンターで話したとママの顔が甦る。なに気なく、「ママはエクスタシーを感じたことがある?」ときいたら即座に「あるわ」といいきった「そうだよね」と念をおすと、満足げに微笑んだ
酒場のなに気ない会話ながら、同志を得たような気がして安堵したものだった。


キター!

きましたよ、荒木町のバーのママ。
「マコ」の菊地麻子さんだったとは初めて知りました。
エクスタシーの理解者、菊治の同志のようでいて、実はただの営業トーク上手のやり手ババアじゃないかともっぱらの評判の女性、今日はそのアップの画像をどうぞ。


菊地麻子


おお!
なんだか冬香より若いぞ。


で、そのママが手紙などよこして、犯罪者に溜まっているツケの請求かなにかと思ったら、なんと本気で菊治に援護射撃です。


わたしは村尾さんの無罪を堅く信じています


いや、だからあ・・・



本人が罪を認めてるんだって!


なにをもってそんなことを言い出したのでしょうか。


女性はセックスの頂点で死を願うことはあると思う。
実際、わたし自身がそうだった。



は、はあ?

拘置所の中の未決囚相手に、いったいなんの告白ですか?
そんなこと、ほんとに恥ずかしくていうべきことではないですよ。

そんな恥ずかしい告白を読んで、菊治が思い出したのは・・・


あのときなに気なく「ママはエクスタシーを感じたことがある?」ときいたら、即座に「あるわ」といいきった。ママならありそうだと「そうだよね」と念をおすと、満足げに微笑んだ。


なんちゅう会話をしてんだか・・・。
しかもママならありそうだって、お前、エクスタシーセンサーでもついてんのかよ。

でもこんな感じだったっけか?こいつらの会話。
えっと、ではそのときの様子、#171#172を振り返ってみましょう。


女子大生のアルバイトのえみちゃんは風邪で休みだというが、改めてママと二人だけなのをたしかめ、きいてみる。
「ママ、エクスタシーって、知ってる?」
いきなりきかれて、ママは呆れたというように、菊治の顔を見る。

藤圭子なのか、「カスバの女」という古い歌が流れている。気怠さが好ましくてふと口ずさみかけると、ママがきく。
「どうしたの、いきなりエクスタシーを知ってるか、なんて」



ぜんぜん、なに気なくないですよ・・・。
むちゃくちゃ不自然ですよ・・・。
ママも、ぜんぜん即答してないですよ・・・。
めちゃめちゃいぶかしんでますよ・・・。
なにごとか、と問い返してますよ・・・。
微笑んでなんかないですよ・・・。
菊治は歌なんか歌っちゃってますよ・・・。

いつもどおり、記憶は勝手に都合よく塗り替えられていますね。

で、そのあとの二人で、エクスタシーを知ってるか知らないかで男性観が変わるとか、旦那が怠けるとかそんな話をして、そして「女は子供を産んで一人前」発言が出て、あそこがゆるゆるだとかどうだとかいう話もして、エクスタシーを知っててよかったなんて帰り際に店の外で大声でいうもんでママが菊治がたしなめて、ついでに男も女をよくしなくちゃだめねなんて菊治の喜びそうなことをいって・・・。
ああそうだ、そのとき菊治は「あれを知ってる女性だと、なにをいっても分かってもらえるような気がする」なんていって、たしかに安堵してたっけ・・・。

そのママ、どうやら本気で菊治と分かり合っていたようです。
ただ、エクスタシーを知っている、というだけで・・・。

恐るべきエクスタシーつながりですが、とにかくこれはキタベンは喜びますね。
そう、


証人1人ゲット!!


ですよ。
もっとも、この「セックス中に死を願うことはある」という証言がどの程度一般人に受け入れられるか、そしてそれによって冬香が本気で死を望んでいたことを証明できるのかは疑問ですが・・・。

また、仮に100%受け入れられたとしても・・・

ママ・・・


嘱託殺人は、無罪にはなりませんから!!


よしんば悪くなくても、罪は罪なんですよ、ママ・・・。
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2005年11月28日

10月調査景気どうよ?指数発表 -遅くてゴメンナサイ。-

テーマ:経済
集計作業をサボリ続けて1ヶ月、たとえドジでノロマな亀といわれても、せっかくご協力いただいた調査をうやむやにするのは心が痛い、ということで先月調査の本紙オリジナル景気動向調査、「景気どうよ?」3指数を発表したします。


(1)景気判断(方向性)

景気どうよ?指数(DI):48.9(前回49.3)

有効回答者数         133人(100%)
よい                14人(10.5%)(前回35.1%)
どっちかっていうとよい    29人(21.8%)
変わらない           41人(30.8%)(同28.5%)
どっちかっていうと悪い    35人(26.3%)
悪い               14人(10.5%)(同36.4%)

前回は「よい」「ふつう」「悪い」の3段階でしたが、今回は5段階(他の指数も同じ)ですので、指数を直接比較するのは正しいとはいえませんが、分布からはおおむね横ばいと見てとれます。

理由のコメントをみると、「よい」と答えた方の中では「株高」を理由に挙げた方が数人いらっしゃいました。7月と比べても日経平均で1500円程度上昇していましたから、それも当然でしょう。
あるいは持っていない方でも、株高のニュースを目にすると心理的に「景気は改善しているみたいだな」とポジティブに感じる方もいるかもしれませんね。

「悪い」のほうではやはり原油(ガソリン)高の影響を挙げた方がいらっしゃいました。
このほか「中小企業は厳しい」というコメントが複数ありましたが、一方で、「顧客の零細企業に改善が見られる」という税理士さんのコメントもあり、厳しいながらも底入れあるいは底打ちに向かっているのかもしれません。


(2)消費意欲(方向性)

消費どうよ?指数(DI):51.0(前回61.0)

有効回答者数         125人(100%)
増やす              24人(19.2%)(前回51.3%)
どっちかっていうと増やす  21人(16.8%)
変わらない           32人(25.6%)(同20.0%)
どっちかっていうと減らす   32人(25.6%)
減らす              16人(12.8%)(同29.0%)

消費どうよ?指数は、「増やす」「どっちかというと増やす」の合計が前回の「増やす」と比べて大幅に減少し、逆に「減らす」のほうは増えていますが、しかし世間一般の足元の消費は改善傾向が続いていることが伝えられています。
このあたり、前回調査がボーナス直後で夏休み直前のタイミングであったための季節調整の問題なのかもしれません。

コメント内容を見ていると、薄型テレビやDVD、デジカメなど、デジタル家電を買ったもしくは買いたいというものが目立ちました。冬のボーナス商戦もやはりデジタル家電が中心ということなるのでしょうか。
このほかでは阪神タイガース優勝セールに言及したコメントも複数あり、消費に一定の貢献をしたようでありました。

ちなみに記者も、ぼちぼちプリンター(もうすぐ10年のMD式)とデジカメ(5年超えた)を買い替えようかと思っているところです。


(3)国内株投資意欲(方向性)

日本株どうよ?指数(DI):60.6(前回66.1)

有効回答者数          71人(100%)
かなり増やす           9人(12.7%)(前回35.4%)
少し増やす           22人(31.0%)
変えない             33人(46.5%)(同61.5%)
少し減らす             4人(5.6%)
かなり減らす           3人(4.2%)(同3.1%)

日本株どうよ?指数は前回から低下していますが、「かなり増やす」「少し増やす」の合計は前回の「増やす」よりも増えており、決して。
株式に対して「強気(上がると思う)」というコメントもいくつか見られました。
一方で「上がりすぎている」という冷静な見方もあり、夏場以降上伸した株価に対する見方は分かれていたようですが、調査当時(10月中旬)おおむね13000円台前半だった日経平均は本日15000円直前まで上昇しており、「増やす」と回答されて本当に買い増しされていた方の多くは、年末に向けてそれこそデジタル家電のひとつでも購入してやろうかなんて皮算用をぼちぼち始めてらっしゃるかもしれませんね。


ということで10月の本紙調査の3指標、いかがでしたでしょうか。
はっきり傾向の見出しにくい他の指標と比べると、やはり株式への投資意欲の強さが際立っていますね。
日経平均がほぼ15000円となった現在、投資家心理がどう変化しているか気になるところでもあります。


調査終了から1ヶ月も経ち、答えていただいた方々には本当に申し訳なく思っております。
今後、こういう調査を実施した場合にはできるだけ早く結果を記事にしたいと思いますので、またの機会がありましたらよろしくご協力のほどお願い申し上げます。
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2005年11月25日

関連団体が署名運動 -もうええやん。-

テーマ:産業
道路財源の一般化反対 -5面-

日本自動車工業会などで構成する自動車税制改革フォーラムは24日、都内で道路特定財源の一般財源化に反対する記者会見を開きました。小枝至日産自動車共同会長やトヨタ自動車の張富士夫副会長、ホンダの福井威夫社長が出席し、その後、自ら街頭で署名を呼びかけました。全国で100万人以上の署名を集めて12月上旬に政府に提出する予定です。

えー、こーんな様子だったそうです・・・。


一般財源化反対



かなり異例のアピールだったらしいですね。
現場を覗いてないのでわかりませんが、街行く人にはこの方々の本気度が伝わったのでしょうか・・・。


記者、昨今の原油高でガソリン価格が上がったことで極力電車を使うようになりましたが、安くなればまたついつい車を使ってしまうかもしれません。
こういうとをいうとなにやら気取ってるように思われるかもしれませんが、記者、ガソリンとかの価格は今ぐらいの水準なら、あえて減税で下げることはないと思うんですよ。
温室効果ガスなんかの問題もありますし、高い税金である程度それを抑制するってのは、筋違いかもしれませんが、結果的にいいんじゃないかと思ってます。

経済や財政のシステム面から見ても、昨今の改革に対してトヨタの奥田会長率いる経団連なんかも大賛成だったはずです。
たしかに取りはじめたときと話は違うかもしれませんし、道路以外に使うならせめて本来の法定税率よりも高い暫定税率は廃止しろ、っていうのもわかるのですが、もはや払うことにすっかりなじんでしまった税金、我慢するから道路だろうがなんだろうが一般化して最も重要度の高いところから使ってくれ、それでいいじゃないですか。

そう、問題はその後の使いみちなんですよ。
今回のアピールも、

「自動車利用者から取った税金は道路に使え!」

じゃなくて、もう一歩ふみこんで、


「自動車利用者から取った税金、
○○に使うくらいならちゃんと道路に使え!」



どうでしょう、こういうの。

なにがいちばん無駄な○○なのか記者にはわかりませんが、日本の経済を支える自動車産業のお偉い方々になにか具体的に突っ込んでいただければ、かなり効果はあったかもしれませんけどねえ。
無理な話なんでしょうけどねえ。



画像:日経新聞より。
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2005年11月25日

今日の愛ルケ(#380-381)

テーマ:連載小説
この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ストーリーをブログ上で知りたくない方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
と断っておりましたが、最近は性的な描写はほとんどでてまいりませんので、むしろ性的な描写をお望みの方はご遠慮なさったほうがよいかもしれません。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。



野分 十二

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二回目の審理まで一ヶ月近くあいだが空くが、落着かない。いっそいずれかに決ればいいのに、これが未決の辛さなのか。
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連載の終了まであと一ヶ月か、二ヶ月か、それともそれ以上か。
ともかく早くいずれかに決って終ってくれればいいのに、これが受身の辛さなのか。


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ふと「明鏡止水」という言葉を思い出すが、とてもそんな気持にはなれない。
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じゃあ思い出すなよ・・・。

ちなみに記者、「明鏡止水」というと、あの件で辞めたときの宇野宗佑元首相の記者会見を思い出してしまいます。


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未熟なのか。いや、こんな中ぶらりんで穏やかな心境になれというのが間違いだ。要するに、表面と内面とはまったく違う
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いや、誰も「明鏡止水」の心境になれなんていってませんし・・・。

それにどこをどう「要する」と、そんな結論になるのでしょうか・・・。


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毎日の生活も同じで、することもなくただ次の裁判を待つように見えて、いろいろ対策を考えなければならない。それは北岡弁護士との相談だが、第一回の審理で双方の主張の対立点は明確になっている。
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対策っていっても、すでに基本戦略を誤ってしまっている気がしますが・・・。

とにかくその双方の主張の対立点とやらをきいてみましょう。


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検察側は、司法解剖の結果などから被告人が殺意を持って殺したと主張し、遺族らの様子から情状酌量の余地はほとんどないと迫る方針だ。
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まあ、そのとおりですねえ。

殺意の立証方法が大甘なのは取り調べのときから相変わらずですが・・・。


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こちら側は、一旦、殺したことは認めたうえで、求められて殺した嘱託殺人だと主張した。
菊治はあくまで、興奮のまま思わず絞めたら死んだ、と主張したかったが、それは曖昧で認められないだろうからはっきり嘱託殺人にしたほうが、有利な判決を得られるという弁護士の考えで決ったものだ。
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菊治、お前、逮捕されたときさ、罰は受けるのはかまわないけど、ほんとのことを理解して欲しいとか、そんなこといってなかったっけ?

なんでいまさら真実をねじまげてまで「有利な判決」を狙ってんの?

しかもその弁護士の意見とやらは、「思わず絞めたら死んだ」では曖昧だから認められない?
それより、「殺して」といわれて殺した以上、嘱託殺人だったってしたほうがはっきりしていい?

曖昧なのは、法廷での弁護士おまえの主張じゃねえのか?
でもって、はっきりしてんのは「敗訴」ってことじゃねえか?

だいたい、どう考えてもあの「殺してぇ」を真剱な殺害の依頼だと立証するのは無理だろ。


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菊治は納得しがたいが、一回目にそれを主張した以上、その線で行くよりない
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いやいや、そんなことねえだろ。

そもそもお前は罪状認否で、

「首を絞めたのは、そのようにはっきり、やろうとしてやったことでなく、求められるままに、つい興奮して・・・なにもわからなくなって、したことで・・・(原文)

って答えてるんだぞ。
弁護士だって曖昧に、

「被告人は異常な状態のまま興奮していて、思わず我を忘れて、被害者にいわれるままに、力をくわえたのだと思います(原文)

っていってんだぞ。
二人の罪状認否、どう読んでも「殺害の依頼」⇒「承諾」⇒「実行」⇒「死亡」には見えねえからよ。

それなのに自分の意図しない「嘱託殺人」なんて主張を勝手に展開したってんなら、こりゃもう被告人の人権問題だよ。
そういうことにして、弁護人を解任しちゃえばどうだ?。
どこにかわかんないけど事情を訴えて、勝っても負けてもいいから真実を代弁してくれる弁護士をつけてもらって、弁護側の冒頭陳述あたりからやり直してもらえよ。

どうせそっちの世界は法的な手続なんてテキトーなんだからよ、ほんとはできるかどうかわかんないけど、読者ももう文句いわねえよ。

どうだ?


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主張を補強するため、弁護士は隠れたままになっている、ボイスレコーダーを提供してはどうかという
あれをきいてもらえば断然有利になるといわれ、菊治は考え込む
=======================ここまで=


考え込むなよ!


あれだけは絶対だれにも聴かせないんじゃなかったのかよ。

おまえ、冬香との思い出とか約束とかもうそんなこと完璧にどうでもよくなってて、それより自分の刑がどうなるかしか考えてねえだろ。

こんな男を愛したつもりで殺されちまったバカ女も、かわいそうっていやあかわいそうですよねえ。
うっかり冬香に同情しそうになっちゃいましたよ、生前の馬鹿さ加減を忘れて。

さあとにかく、考え込んだ挙句、菊治はどう決断するのでしょうか。
冬香をとるのでしょうか、自分をとるのでしょうか。
いやもうどっちでもいいですから、ボイスレコーダー並みにさくっと早送りしちゃってほしいところです・・・。



野分 十三


法廷のボイレコ
エロファイルを聴く三賢者。
挿画:小松久子先生



たしかにボイスレコーダーをきけば冬香が「殺して」と叫んでいることはすぐわかる
だれにもきかせないと決めたはずだなのに、弁護士にすすめられてぐらつくとは、自分の気持の弱さに呆れる。
法廷に出せばみなに聴かれるのではときいてみると、一般人の傍聴を禁止して文書で提出する非公開という方法があるという。それは裁判官と検事と弁護士だけで聴くということか。それならましだが、辛いことは辛い。
採用されるかどうかわからないが、ともかく申請ましょうという弁護士に曖昧にうなずくと、さらに、あなたがきちんとした常識ある人物であることを証明してくれる人はいないか、ときかれる。
自分が常識人か、改めていわれると自信がないが、そんなことまで必要なのか。中瀬や講師仲間、高士たちは自分が人を殺すような男でないとわかってくれるはずだが、高士だけはそんな場に出したくない。中瀬か講師仲間かと考えこんでいると、弁護士は「次回は大事な審理だから、有利なものはすべてぶつけましょう」という。
弁護士がそこまでいうのに本人が迷っていては勝ち目がないと思うが、いま一つのりきれない
「しかし・・・」
弁護士には優柔不断とうつるかもしれないが、自分が殺した正当性を裁判で争うことが気が重く、馴染めない


#ということでボイレコは、北岡弁護士通称キタベン主導のうちに、いつもどおりなし崩し的に今ごろになって証拠申請されることになりました。(ようです)
そんな重要な証拠物、最初の審理で申請しとけよと思うのは記者だけではないでしょう。

しかもキタベン、こともあろうかあの内容を法廷でみなに聴かせるつもりだったようですよ。


「どうしても聴かれたくなければ・・・」


菊治に気ぃ遣ってどうすんだよ!


遺族だろ、遺族に気を遣えよ。
そんなもんを法廷で公開すること考えるなよ。
なんで菊治が「どうしても聴かせたくなければ」なんだよ。

おまえ、弁護士っていう以前に、人間としての最低限のモラルもねえな。
菊治とまったく同類じゃねえかよ・・・。


まさに無神経さ全開のキタベンですが、無計画ぶりもただものじゃありません。
法廷で「情状証人2名の喚問を申請したい」と高らかに請求し、検事に「然るべく」と同意をもらったこの期に及んで被告人に「誰かいい人いませんかねえ」と相談しております・・・。

こんなテキトーに請求できるものだとしても、せめて目星くらいつけとけよ。
アイ○ルのマッスルお父さんもプ○ミスのワカパイも真っ青だよ・・・。

さらに驚くべきは証人に証言してもらう内容です。


「あなたがきちんとした、常識ある人物であること」


55歳といい年齢で学歴も職も(当時)あり、ベストセラー作家でもあった人間について、「常識人であること」を証明することが必要というのも情けない話です。
しかし普通なら情けない馬鹿げた話でも、今回はそうとは言えません。
なぜなら殺害当時の菊治は、


学歴と職歴と知識うんちくはあっても、常識はない


男だったからです。
なにより菊治自身、常識人であることに自信がないくらいなんですから。
でもまあ自覚しているだけマシでしょうか・・・あ、いやいや。

そもそもキタベン、自分の論の展開に無理があることに気がついていないのでしょうか。
だって、


きちんとした常識ある人間なら、セックス中にいくら相手が「殺して」と叫んでも、殺したりはしない。


そうでしょ?
ちょっと考えればわかるじゃないですか。


セックス中の叫びに応じて嘱託殺人を実行したと主張するきわめて非常識な被告人がきちんとした常識人であることを証明せよ。


そんなの無理だってんですよ。
こんなのが試験の第一問にあったらソッコー後回し、時間が余ったらとりあえずなんか書いてみる、それくらいの扱いの問題ですよ。

そんな難問を前にしてるのに、なぜかノリノリのキタベン、


「次回は大事な審理ですから・・・」


だからもっと大事な最初の方針を間違えてんだって!!


しかしとにかく有利なものはすべてぶつけようと身を乗り出すキタベンを前にしても、菊治はイマイチ乗り切れません。


自分が殺した正当性を、裁判で争うことに馴染めない。


菊治・・・だったらやっぱ弁護士とっ替えて、過失致死の線で争えよ・・・。
正当性とかじゃなくて、事故だったって主張したいんだろ。
記者がいい先生を紹介してやるよ。
お世話になってる先生が何人かいるからさ・・・。


・・・え?


菊治の弁護なんてまっぴらゴメンですか?
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2005年11月24日

今日の愛ルケ(#379)

テーマ:連載小説
この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ストーリーをブログ上で知りたくない方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
と断っておりましたが、最近は性的な描写はほとんどでてまいりませんので、むしろ性的な描写をお望みの方はご遠慮なさったほうがよいかもしれません。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。



野分 十一

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弁護士は菊治の意見を認めたうえに弁護士の見解を加えて訴えたが、それだけでは客観性に乏しいと考えたようで・・・
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かなり独自の見解のようですが、客観性に乏しいのは確かですね。


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・・・被告人がもともと殺人を犯すような凶暴性や激情性を持ち合わせておらず、むしろ理知的で温厚な性格で前科もないことを証明するために情状証人二名の証人喚問を申請したいという。
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前科がないことの証明に証人はいらないと思いますが、理知的で温厚であることを証言してもらうためにとにかく証人を呼びたいそうです。
情状証人だそうです。

織部検事!
記者、情状証人でも何でも、菊治が理知的でないことを証明するために検察側の証人として出廷する用意がありますよ!


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裁判長が検事に意見をきくと、「然るべく」と答え、「検察側も被害者の夫と、被害者の友人を証人として申請したい」と述べる。
弁護士は同様に「然るべく」と答える
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「然るべく」。

これはおそらく法廷での常套句なのでしょうが、そんな部分部分はいいですから、訴訟全体の流れを「然るべく」描いてくださいよ。

検察はさっき証拠調べ申請を済ませたんじゃないですか?
なんで弁護側の証人の申請に意見を求められたのに応じて負けじと申請を仕返してるんですか?
しかも「被害者の夫」って、そんな大事な証人をこんないい加減なタイミングで・・・。

それとも裁判って、けっこうこんな感じで流れ次第でやるものなんですか?


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次回は証人同士のぶつかり合いになるようだ。
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いや、証人同士がぶつからないことは素人でも分かると思いますが・・・。


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これで本日の裁判は終るが次回は十一月十日午前十時からでよいか、との裁判長の問いに検事と弁護士が同意し、閉廷となる。
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どうやら次回は平日、木曜日のようですね・・・。


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菊治は左右の警務官に再び手錠をかけられ、立上る。
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しかし「警務官」は意地でも「刑務官」ではないようです・・・。


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振り向けば傍聴席の人々に会えるが、うつむいて背を向けたまま法廷を出、誰にも見られないことに安堵する。
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「振り向けば傍聴席の人々に会える」って、おい・・・。


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第一回の審理は無事終ったが、結果はどうなるか、傍聴人はどういう印象を持ったか。
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菊治、お前が世間体を気にするのはよく知ってるけど、いいか、この際、大事なのは傍聴人の印象じゃなくて、裁判官の心証だぞ。
間違えるな。

それとさ菊治、おまえ的には「第一回の審理」、無事だったというけどさ・・・


法廷描写的には全然無事じゃねえぞ。


手続きめちゃくちゃ。
専門家の方々もここまで読んでいま何をやっているのかわからんっておっしゃってるし・・・。
たぶん、今話もそうだろうし・・・。


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次回、冬香の夫を証人として出すといったが、どういう人だろうか。
想像してもはっきりイメージできなかったが、自分を怨み、憎んでいることは間違いない
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冬香の夫は菊治を憎んでいるでしょうが、「妻を奪ったからではなく、自分に恥をかかせたから怒っている」という、ひどい男としてでも描かれるのでしょうか。

それはわかりませんが、とにかく・・・


色黒なのは間違いない。


あ、いや、いままでの挿絵を踏まえての話ですので、誤解なきよう・・・


============================
そんな男が法廷でどんなことをいいだすのか不安で無気味だが、反面、会ってみたい気もする。
=======================ここまで=

いや、記者はあんたら(菊治&北岡)が法廷でなにをいいだすかのほうが、よっぽど不安で無気味ですが・・・。


・・・ということで、


「愛ルケ」小法廷・弁護側証人尋問編

北「・・・証人にうかがいます。あなたは被害者との性交時、きちんと前戯をほどこしていましたか?」

織「裁判長!いまの質問は証人尋問の範囲を超えています!」

裁「異議を認めます」

北「では証人、被害者はあなたとの性交時、絶頂に達して満足していましたか?」

織「裁判長!いまの質問も証人尋問の枠を超えています!」

裁「・・・異議を・・・認めます」

北「・・・では証人、あなたは被害者との性交時、嫌がる被害者に無理矢理あなたの性器を握らせ、あまつさえそれを・・・」

織「裁判長!証人に対してこのような質問は許されません!!」

裁「・・・い、異議を・・・み・・・きゃ・・・却下します!

織「え?さ、裁判長!?」

裁「弁護人、続きをきかせてください」

北「よろしいですか?」

織「裁判長!!」

裁「弁護人、いいから詳しくきかせなさい。そうでしょうお客さん!」

傍「おぉーっ!

織「くっ・・・膨張人どもめ・・・」




法曹関係の方々、いつもお世話になっているのに悪乗りしてゴメンナサイ・・・。
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2005年11月24日

あおぞら銀 普通銀行に -流れ-

テーマ:金融
最後の長信銀 姿消す -1面ほか-

日本で唯一残る長期信用銀行のあおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)は、来年4月をメドに普通銀行に転換する方針を固めました。長信銀の制約を外して経営の自由度を高め、個人向け金融を強化するのが狙いです。


ニッサイギンの、ワーリシン。


長信銀がまだ元気だった頃、やたらと耳にしたフレーズですね。
記憶にある方も多いでしょう。
記者にとっては就職活動で金融の勉強をするまでまったく意味不明のCMでした。(それもどうかと思いますが)
そのワリシンを発行していた日債銀の後身、あおぞら銀行が長信銀から普通銀行に転換し、長信銀がなくなることになる、というニュースです。

長期信用銀行とは、金融債という債券を発行することが特別に認められており、それにより調達した資金を企業向けの長期資金として貸し出すという、普通の銀行とは少し違った形態の金融機関でした。
企業は長期資金を供給されることで先を見据えた設備投資を行うことができ、これが戦後の日本経済の発展を支えてきた側面もあります。
しかし金融の自由化が進展して普通銀行にも債券発行が認められるようになり、一方で長信銀には発行した金融債を保有しない一般顧客との取引が制限されるなど、個人取引が重要な位置づけとなる中で長信銀は不利な業態となっています。

興銀は第一勧銀、富士銀らとともに「みずほホールディングス」傘下を経て、2002年にみずほグループの普通銀行(実質的にみずほコーポレート銀行)となり、長銀は98年に破綻後、2000年に新生銀行となったのち昨年やはり普通銀行に転換しており、日債銀あらためあおぞら銀が唯一の長信銀となっていました。

いやあ、時代の流れというものを感じますね。
それも相当に速い流れですよ。

長信銀はバブル経済がすでに崩壊していた記者の就職活動時代、すなわち90年代初頭においても、都銀と並んで人気の業種でした。中でも興銀、長銀はいわゆる「エリート」的なイメージが強かったものです。
それがほんの数年で長銀、日債銀と相次いで破綻するとは、思いもよらないことでした。

もっとも、現在のメガバンクの合従連衡ぐあいも当時としては考えられないことですけどね。
記者の学生時代には都銀13行、長信銀3行、信託銀7行がありましたが、そのほとんどが経営統合もしくは破綻で名前を変えてしまう時代がすぐにやってくるなんて、誰が思っていたでしょうか。
なんせ、ボーナスシーズンには都銀13行が合同のCMを打っていた時代でしたから。

きょうわ、さいたま、さんわ、すみとも、だいいちかんぎん、たいようこうべ、だいわ、とうかい、とうきょう、ふじ、ほっかいどうたくしょく、みつい、みつびし
いつもの~ぎんこ~うへ~♪


こんなCMをやっていたのを覚えていますが、今にして思えばなんとものんびりした時代ですね。

そういえば同じ頃だったか、「ぎゅわんぶらあ自己中心派」という麻雀マンガで企業名が牌になっている変り種麻雀をやったとき、「『都銀無双13面待ち』、ダブル役満!」なんてネタもありました。
でも今じゃりそなを入れたって4グループ、これじゃあ大四喜どまりですよ。
いやいややっぱりダブル役満じゃないかといったって、なんか違いますよねえ。
あ、喩えが分かりにくいですね。スミマセン。

とにかくその当時の都銀、長信銀、信託銀あわせた23行のうち、破綻も経営統合もせずにそのまま残っているのは、なんと住友信託1行だけなんですよ。
しかもそれがUFJ信託との統合を破談にされた結果というのは、なんといっていいのかよくわからない話です。

今回、長信銀がなくなることになった最大の理由は金融の自由化で長信銀独自のメリットがなくなったことでしょうが、いまや普通銀行、信託、長期信用という銀行内部の業態間のみならず、同時に証券、保険という他の金融業態との垣根もどんどん低くなりつつあります。
金融不安も一服した中、三菱UFJグループの誕生で大規模な経営統合はさすがに落着いた感がありますが、1面のこの記事を見て10年ほど前の状態と認識を振り返り、やっぱり10年後の金融業界がどうなっているかなんてわかったもんじゃねえんだろうなあと思った次第であります。
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2005年11月23日

今日の愛ルケ(#377-378)

テーマ:連載小説
この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ストーリーをブログ上で知りたくない方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
と断っておりましたが、最近は性的な描写はほとんどでてまいりませんので、むしろ性的な描写をお望みの方はご遠慮なさったほうがよいかもしれません。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。



野分 九

「わたし弁護人は、今回の被告人村尾菊治による殺人は、きわめて偶発的、かつ突然的なものであることを主張します」
北岡弁護士は穏やかな口調でいう。
その第一点は、被告人は圧倒的に被害者を愛していた、という事実です。それは知り合って何度もの逢瀬、時間のやりくりや経済的負担などから察することができます」
菊治はただ逢いたかっただけで、あらためて真剱な愛だったなどといわれるのは気恥ずかしいが、それも情状酌量をかちとるための必要な手段なのだろう。
「第二点として、被告人のあのような行為は被害者の求めに応じたものである点です。被害者は被告人と関係して性的快感の絶頂期に「殺して」と訴えるようになり、被告人はこれに応えて首を絞めたが被害者はさらに強くこれを求めるようになり、被告人が戸惑うと『意気地なし』と、ののしることもありました
あれは冬香の誕生日、箱根の夜。久しぶりに遠出して、二人でゆっくり泊まったせいか、冬香はいつになく興奮して、さらに強く首を絞めろといった。戸惑うと意気地なしといわれ、さらに強く絞めても大丈夫だと思った。
「それ以来、エスカレートする被害者の要求に応じてさらに強く絞めたが殺す気はなく、事件の際も死ぬとは思っていませんでした。求めに応じて絞めつけるうちに狂気の状態となり、思わず異常な力がくわわり、殺すにいたった、というのが実情です
菊治のいってほしいことを主張してくれる弁護士が、菊治には白馬の王子のように見える


#は、白馬の王子…・・・。

傍から見ると問題大ありの弁護士でも、菊治にはそう映ったようです。

えらく年をとった王子様ですが、うーむ、しかし白馬の王子のキタオカさんよりも、たとえ畑違いでも白馬の騎士ホワイトナイトでおなじみのキタオさんのほうが頼りになりそうな気がしますよ・・・。


さてとにかく弁護側の冒頭陳述が始まっています。
罪状認否ではどう読んでも認めたと思える殺意を、なぜだかいまさら否定し始めました。
しかし今回の件を「事故」ではなく「殺人」と認めるあたり、いったいどうしようというのかまったく理解に苦しむところです。

しかも、その内容たるや・・・


逢瀬のための時間のやりくりや経済的負担などからも、十分に察することができます


は、はぁ??

経済的負担はめちゃくちゃケチりまくってましたけど??

9ヶ月の交際で金を使ったのはせいぜい数回京都に行ったのと、いくらだかわからないホワイトメタルのペンダントだかネックレスと、正月と二月の連休の晩御飯とタクシー代と箱根旅行の代金くらいですが??
たしかに小田原-芦ノ湖間は「圧倒的に無駄な」タクシー代も費やしていましたが。

しかも冬香が引っ越してきてからは毎週2回だか3回だか部屋に呼びつけて食事はおろか水も飲ませなかった事実もあるのですよ。
これのどこが「圧倒的に愛したことを証する経済的負担」ですか?

「時間」に至ってはちゃんちゃらおかしいですよ。
どう考えても圧倒的に冬香のほうが無理してます。

これで改めて「真剱な愛」だとは、菊治どころかこっちが気恥ずかしくなるような話ですよ。
いや、弁護士はどこにもあらためて「真剱な愛」なんていってませんけどね。

ていうか「圧倒的に愛して」って、なんで弁護士まで愛ルケ臭ぷんぷんのフレーズ使うかなあ・・・。


それはさておき、弁護士は続いて「殺して」「意気地なし」発言で被害者の求めを主張しますか。
それをききながらの菊治は・・・


いつになく興奮した冬香がさらに強く首を絞めることを求めてきた。戸惑うと「意気地なし」といわれたので、さらに絞めても大丈夫だと思った。


ほんとに犯罪者の言い訳そのまんまの思考回路だな・・・。
しかも言い訳じゃなくてマジなだけにむしろタチが悪いよ・・・。
ていうか「いつになく興奮した」やつのいうことを真に受けてんなよ・・・。


おっと、北岡弁護士もその線に乗って、被害者の求めに応じただけで殺す気はなかったと主張し始めました。
さあ、白馬の王子は美人検事にどこまで立ち向かえるのでしょうか。
そして最後には勝利の嘶きをひひんとあげることができるのでしょうか。

って、それじゃ王子じゃなくて馬だって・・・。



野分 十

北岡弁護士は第三点として、被告人には被害者を殺す理由はなく、ひたすら被害者を愛し、逢いたいと願っており、恋愛が順調に進んでいるのに被害者を殺してもメリットはなかった、と続ける。
まさにそのとおりで、マスコミがなんといっても菊治は冬香との愛をいつまでも続けたいと願っていた。
そこで弁護士は『虚無と熱情』の本を手にかざし、この本を証拠として採用して欲しいという。「この本は事件の一ヶ月前に被害者との愛の体験をもとに書き上げられたものです。その証拠に、冒頭に、「愛するFへ捧げる」と記されていますが、このFはまさしく、被害者の頭文字そのものです
菊治は「そうだ」と思わず心の中で叫ぶ
「本が出たらお祝いしようと誓い合っていたのになぜ殺すことがあるのか」
傍聴席はやはり静まり返っているが、検事の冒頭陳述のときよりは空気が和んでいるようだ。
「相思相愛、それも精神だけでなく、肉体的にも見事に癒合した、いわゆる大人の成熟した関係で、被告人も被害者も心身ともに深く溺れていました。いわば肌が合うというか、躰そのものが求め合っていたのです
さすがに年令の功か、いうことのひとつひとつに薀蓄がある
「殺す理由などないのに、求められて興奮のあまり首を絞めつけた以上のことから、計画性のない、嘱託殺人に相当すると考えます


#前の回のコメント欄で「先はさらにひどいことになっている」ときいていたのですが、今回読んで見て驚きました。
なんでしょうか、これは・・・。


いうことのひとつひとつにあるのは、
薀蓄じゃなくて含蓄だろ!!


それともそういう言い回しもあるのでしょうか・・・って、ん?
そこじゃないですか?
そうですか。
じゃあここですかね??


年令の功って、弁護士はお前より年下だろ!!


まったく、誰と比べて年の功っていってんだか・・・って、あれ?
そうじゃないですか?
・・・そうですよね。
菊治じゃないですよね。
ええ、やはり今回の問題児は北岡弁護士でしょう。

いやあ、いきなり「キョムネツ」をとりだして、丸ごと一冊「証拠」として採用を迫る強引さには参りますね。
だいたい、愛し合っていたことの証拠、二人が心身ともに溺れていたことの証拠、肌が合っていたことの証拠として提出したつもりかもしれませんが、「Fへ捧げる」献辞があろうがなかろうが、とにかくこれ、フィクションですから。
主人公は無意と満子ですから。
ついでに本が出たら二人でお祝いしようと誓い合っていたっていいますけど、事件があったのは思いっきりボツになった後でしたから。

ていうかそもそもこの小説・・・


二人が別れる話ですから。


愛し合った挙句に、最後は男が虚無の荒野に旅立っていくんですよ。
北岡センセイ、ちゃんと最後まで読みました?

まったく、そんな本をわざわざ持ち出して、「肌が合う」とか「躰そのものが求め合う」とか、冒頭陳述から薀蓄も含蓄もない下世話な表現でなにいってるんでしょうかねえ。
「肉体的に癒合」ってのも「愛ルケ」外では通じない言葉ですし・・・。
ましてや「大人の成熟した関係」だなんて、


お前は細川護熙元首相か!?


っつうんですよ。(覚えてないですか?)

そしてとどめに、そうまでしてなんとか証明したいってことが・・・



「これは計画性のない嘱託殺人」



・・・。


なんで?

Why?


殺す理由がないんだから当然殺す気もない、よってこれは我を忘れての首絞めプレイ中の事故、それでいいじゃないの。
なんでわざわざ圧倒的に立証の難しい「戯れや口癖ではない冬香の殺人の依頼」が必要な「嘱託殺人」の線を選ぶのよ。

あんたも冬香はセックスのたび絶頂のたびに「殺してー」「殺してー」と叫んでいたのは知ってんでしょうが。
それを客観的に「自分を殺すことの依頼」もしくは菊治がそう受け取っても仕方がないと証明するのは無理でしょうが。


つうか菊治本人もそう受け取ってなかったでしょうが。


いやはやまったく理解できません。

頼みますよ、弁護士会さん。
いくら当番弁護士っつっても、こんな弁護士をよこされちゃたまりませんよ。

・・・ん?

そういやあこの弁護士、逮捕後に最初に現れたときに菊治は「国選の弁護士か」なんて納得してたけど、弁護の依頼もしなかったのにそのあと何度も現れて、しかも現時点で資力のある菊治の弁護を担当してるってことは・・・


菊治、おまえたまたま当番弁護士だった仕事のないダメ弁護士に、知らないあいだに依頼したことにされちゃってんじゃねえか?


そうか!
なるほど、インチキ弁護士。
殺人でも過失致死でも被告人は遺族への賠償で無資力転落は間違いないし、それならいっそ「嘱託があった」って方が支払いは少なくなるかもしれないと・・・。
そしてなにより被告人の資力形成のため、

「キョムネツ」の宣伝は欠かせない

ってか?


法廷の「虚無と熱情」
担当弁護士も絶賛!!
挿画:小松久子先生




追伸
えっと、裁判の進行のほうですが、とりあえず検察側の証拠調べは終わりにして、弁護側が冒頭陳述を行い、証拠調べ請求(キョムネツの提出?)をやった、ってことでよいのでしょうか?
正確な答えが出しうるのかどうか、記者にはわかりません、ていうかどうやら出せないらしいです・・・
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