本日2月19日、「フクシマ2011」ロケ終了。51日目だった。
今日は素敵な「サプライズ」があった。
南相馬市唯一の大ホール「ゆめはっと」(1102名収容)で
開催された「南相馬ダイアログ」。
市内のさまざまな15団体が集合。ボランティアの人々も
大勢駆けつけ、にぎわった。目指すは「街の復興と再生」。
そのために何ができるのかを考え、動き出そうとする思いが
漲っていた。
私が昨年6月に知り合った詩人、若松丈太郎さんが1994年に
作った「神隠しされた街」。
チェルノブイリ事故から8年後のプリピャチ(爆心から3キロ)を
訪ね、チェルノブイリ事故から、東京電力福島原発事故を
想起(予言)したような詩である。
30㌔圏内立ち入り禁止となったチェルノブイリに倣うと、福島原発
ではどうなるのか?考えた若松さんは、一つ一つの村や町の
名前を 列挙している。そして自分が住む原町市も30㌔圏内である
事に気付く。その当時、南相馬市は無く、小高町、原町市、鹿島町
に分かれていたのだ。
加藤登紀子さんに、この詩を最初に見せたのは、7月半ば。
そして加藤さんが「アトミックカフェ」(8月9日・代々木公園)で
「神隠しされた街」を朗読して戴いた。既にその時に私の発想の
萌芽があったともいえる。
先月、「神隠しされた街」を歌にしてもらえませんか?と加藤さんの
事務所のプロデューサーを通じて伝え、返事を待った。
断られると思った、だが加藤さんは「やるよ」と言い、最初の打合せ
の時に、詩を一部改訂し、ギターをつま弾いて、聞かせてくれた。
2月初め、1回目の録音。不定型詩を歌にするのはかなり難しい。
歌うところとメロディバックに言葉を繋ぐところ・・難しい。
一応録音はしたけれど、とても完成品とは言えなかった。
さらに加藤さんと電話でやり取り。
一時私は「神隠しされた街」を記録映画「フクシマ2011」のテーマ曲と
するのは諦めるしかないかもしれないと思った。
3日前、加藤さんの2回目の録音。6分半あった曲を4分20秒に縮めて、
しかも歌と語りの交互の妙味を出すことができた。ピアニストと加藤
さんは粘り強く取り直しを続けた。
これでいいのか?と思案顔のスタジオサブにいる私に、
ブース内から加藤さんは、
「稲塚さん、何か悩んでいるの?」と気遣ってくれた。
無謀な提案、私の妄想が、今日「ゆめはっと」で具体的な「音楽」に
なった。
2月19日 稲塚秀孝