まきどき村物語1 本当のサツマイモ掘り
テーマ:まきどき村物語22歳の秋。
私はひとり、畑にいた。
サツマイモ掘りをした。
掘ってみた。
次から次へとサツマイモが出てきた。
お店で売っているような、立派なサツマイモだった。
なんとも言えない感動に包まれていた。
あの細い苗を植えただけなのに、
こんなに大きなサツマイモができている。
私はただ、水をやっていただけだ。
太陽、水、空気、土、微生物、そして私の愛情。
全ての合作でサツマイモができた。
畑というのは、すごいところだ。
まるで魔法だ。
この日、私は本当のサツマイモ掘りを経験した。
幼稚園の頃、芋掘りイベントで、イモを掘ったことがある。
しかしあれは掘っただけで、地中からサツマイモが出てきた。
ただそれだけである。
5月に、細い苗を植えて、
生きるか死ぬかの瀬戸際を水をやりながらすごし、
夏には葉が広がって秋になって掘ってみるとサツマイモがある。
これこそが「本当にサツマイモ掘り」だ。
そして元来おせっかいな私は、
「この感動を味わうことなく生きるのはかわいそうだ」
「生きているなら、この感動を味わって欲しい」
と思い、種まき・苗植えからの野菜作りをより多くの人が体験できる場所を作ろうと思った。
まさにこのことがまきどき村の出発点である。
今から8年前のことである。
つづく






