今年で第8回目を迎える、

サンタ・プロジェクト、

今年は初めて国内避難民支援のNGOと連携し、

「平和」をメインテーマに公演を行いました。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
 

 

 

"Amaterasu-La luz en un mundo de oscuridad-"

『アマテラス~闇を照らす光~』

 

原作:日本神話「天岩戸」

 

 

 

 

サンドラ・プエルタさんから

最初のメールを受け取ったのは

4月の始めでした。

 

サンドラさんは国内避難民のエンパワーメントおよび

平和教育に取り組むCOAPAZ(コアパス:平和の中心)という

NGOの代表で、自身が第一子の長女を妊娠中に

長女の父親であった恋人を殺され、

故郷を追われた国内避難民であり、

今メデジンの大学で法学を学び弁護士を目指す学生でもあります。

 

ゲリラやパラミリタレスに土地や財産を奪われ、故郷を追われた

国内避難民はコロンビア国内だけで600万人以上いると言われ、

その数は760万人のシリアに次いで世界第2位です。

 

南米コロンビア

国内避難民600万人

 

 

コロンビア

~平和の夜明け~

 

 

もともと田舎で農業に従事していた人々が

ボゴタやメデジンなどの都会での生活を

余儀なくされ、政府からの援助も国内避難民としての

審査を受け、証明書を発行されないと支給されません。

審査を待つ間、生き延びるために

仕事を探しても学歴も経験もない元農民を

雇ってくれるところはほとんどなく、

結局道路に座り込んで物乞いをしている避難民も

珍しくありません。

 

そして証明書をもらい、政府からの

支援金が支給されるようになった人々も

ただそれをあてに働くことも勉強することもなく、

最低限の生活に甘んじて日々を過ごす人が

たくさんいます。

 

そんな避難民の現状を変えようと、

サンドラさんは数人の仲間と自助グループ、

COAPAZを立ち上げました。

 

今サンドラさんは女手一つで娘さんを育て、

仕事をしながら、大学で法律を学んでいます。

弁護士の資格を取り、

証明書や奨学金など知識がないためせっかくの

制度を活用できずにいる国内避難民の人々の生活を

改善し、自立の手助けをしたいそうです。

 

 

そんなサンドラさんからの

協力依頼に正直当初はとまどいました。

 

メールは

 

「(前略)このまま政府とFARC(ゲリラ)との和平交渉が進み、

停戦が実現した場合、ゲリラの兵士たちはコロンビアの

一般社会に戻って来ます。

(注:このメッセージを受け取った時期はまだ未確定でしたが、

現在はすでに和平交渉が成立しています)

自分の父を、母を、子どもを殺したゲリラやパラミリタレスが

罪にも問われず普通の生活に戻ることを許せないと

感じる被害者はたくさんいるでしょう。

さらには町の通りやスーパーで

自分の家族を殺した当の相手とばったり会うかもしれない。

その時に相手に復讐をせず、平常でいられるかどうか。。。

内戦が終結しても、私達の心の中の戦争が終わらない限り、

真の平和は訪れません。。。

 

今我々に必要なのは責め合うことではなく、

許し合うこと。

復讐の連鎖を乗り越えられた時、

初めて私達は前を向いて、

自分の人生を考えられるようになります。

我々国内避難民、そして内戦で被害を受けたすべての

人に必要なのはこの「許す」というプロセスであり、

ここを乗り越えない限り、この国の発展はありません。

 

日本は文化も歴史も国民性も

コロンビアとは異なりますが、

第二次世界大戦の原爆や敗戦、

さらには地震や津波という

厳しい問題に向かい合ったという

コロンビアとの共通点があります。

 

戦時の敵国であったアメリカとも

現在良好な関係を築いて、

経済大国に発展した日本の経験から

私達が学べることがきっとあるはずです。

 

国内避難民のエンパワーメントを中心に動いていた

COAPAZですが、内戦終結という局面を見据え、

今年は国内避難民居住地域での

平和教育にさらに力を入れるつもりです。

ぜひ何かの形で協力してもらえないでしょうか」

 

だいたいこのような感じの内容であり、

数年前の日本文化週間で私のワークショップに

参加したことがあり、

そこからコンタクトを探したことが添えられていました。

 

メールを読んで、

数年前のワークショップを手がかりに

私を見つけ出し、連絡をくれたことは

とてもありがたく、

できるだけの協力をしたい気持ちはありましたが、

同時に「これは私達の手に負えるのか」という

大きな不安も感じました。

 

「日本の経験」と言っても

私自身に戦争の経験はないし、

何より実際に大切な家族や恋人、友人を亡くした

被害者の方に、

部外者の私や日本クラブのメンバーが

「復讐はよくない」

「許すことが大切だ」

などと果たして言えるのでしょうか。。。。

「自分の大切な人を殺した相手を許す」

というのはとてもデリケートで、

プライベートな問題であり、

関係のない人、ましてや外国人が気軽に

立ち入るべき領域ではありません。

 

 

けれど、サンドラさんと実際に会い、

 

センシティブな領域に

立ち入る必要はないんです。

ただ彼らに寄り添うことで

お互いの違いを尊重しあうという

これまでにない経験につながる。

その異文化体験が彼らが自分時自身で新しい人生を

構築していくための一つのステップになるかもしれない。

 

と語る熱い想いに触れ、

迷いは消えました。

 

依頼があった以上、

できるだけのことをやってみよう。

 

 

平和教育、と聞いてすぐに、

サンタ・プロジェクトを使えるのでは、と

ひらめきましたが、これまでのサンタ・プロジェクトは

日本文化紹介や異文化理解をメインテーマに

公演を重ねており、

サンドラさんから連絡があるまでは

「平和」を表立ったテーマにすることは考えて

いませんでした。

 

でも日本神話の「天岩戸」が思い浮かんだ時、

これはつながる、と確信しました。

 

台本作成と平行して、

事前の交流も行いました。

 

 

サンタ・プロジェクトは例年12月中旬ですが、

毎年11月下旬くらいから

サンタ・プロジェクトに招待予定の施設を訪問し、

今年の劇の宣伝をしたり、

折り紙やクリスマス・ソングのワークショップを行ったりと

子ども達との時間を過ごしています。

 

 

但し国内避難民の居住地域を訪問するのは

今年が初めてになります。

 

サンドラさんが深く関わっている、

Ajizal(アヒサル)という地域に行くことが決定しましたが、

以前よりずいぶんマシになったとは言え、

決して治安がよいとは言えない地域です。

その上、メトロのItagüí(イタグイ)駅からバスに乗り換えて

ひたすら坂道を上り、バスを降りた後は

舗装されていないじゃり道や細い階段をひたすら上って、

やっとたどり着く不便なところで、

ここへの訪問に同行してくれる人はいるかな、と

少々心配でしたが、1回目の訪問も2回目の訪問も

サンタ・プロジェクトのメンバー数人と、

日本人の留学生やバックパッカーの皆さんが参加してくれて、

にぎやかに訪問することができました。

 

 

アヒサルは上下水道が整備されていないので、

水道のあるところからチューブで水をひいて使用しています。

住居はバラック小屋のような感じで、

室内に家具は一通りそろっていますが、

床はなく、土や石そのままです。

 

 

 

この地域の女性リーダー、

ルディスさんはもともとコルドバという村の

出身でしたが、内戦の影響で教育が受けられなかったため、

文字が書けません。

 

ある時はゲリラに住んでいた家と農地を奪われ、

ある時はゲリラとパラミリタレスの戦闘に巻き込まれ、

ある時は息子さんを失い、

計3度も国内避難を繰り返して

ここアヒサルにたどり着きました。

 

 

アヒサルでは外部からのお客さんは

珍しかったようで、

どんどん人が集まってきて、

子ども達はおおはしゃぎでした。

 

 

 

 


 

 

 

サンタ・プロジェクトは

ここアヒサルを始め、

周辺8地域の子どもたちが通う、

Megacolegio(メガコレヒオ)と呼ばれる

巨大な公立学校(小中高)の未完成のホールで

12月11日(日)に行われました。

 

 

12月11日(日)Institución Educativa Maria Josefa Escobar

午後1時からと午後4時からの

二回公演

 

12月14日(水)モラビア文化センター

午後6時から

 


 

 

アメノウズメの踊り↓

 

 

12月17日(土)午後6時から

12月18日(日)午後1時半から

べレン図書館公園

 

内容等の詳細はまた次の記事で!

 



応援クリック、よろしくお願いします↓

Haga click aqui, Por favor!!

にほんブログ村 旅行ブログ 中南米旅行へ
にほんブログ村

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ コロンビア情報へ
にほんブログ村

 

 



人気ブログランキングへ