夢に見ていた、
子供のころから眠りのたびに幾度となく見た、
輝きをなくさない、終わりも果てもそこにない、
想い出ばかりを詰め込んだ、回転続ける木馬に乗せて、
最期のときに浮かんで消える、
優しいものだけ廻り続ける、夢の世界をひとつ生みたい、
彼はすでに老境になり、創り続けた、可憐極めた夢うつつ、
鈴やラッパと金や銀、
支柱から伸びる傘には装飾が、
終わらないよう回転を、
その瞬間だけは想像だけが尽きない世界、
廻り道ばかりに生きた、それでも見るのは変わらなかった、
淋しさも、虚ろなる知らせもない、
ただただ豪奢な虚構が廻る、酔いに任せて並べた奇跡、
青年期にはそれもひとつ夢想した、
電気仕掛けのサーカスは、
紛いの光に包まれて、今日も歓声、笑顔と共に、
歳を経ても綻びない、ベルベットの夜のなか、
祝祭には遠くとも、
電気仕掛けのサーカスは、この瞬間も廻ってる、
メリーゴーランドができた日は、回転するサーカスを見て、
描いたものとは違ったと、彼のため息さえ乗せた、
電気仕掛けの夢の国、誰がいなくも廻りゆく、
<check it please>
⇒“リル・リー”
⇒“love your life”
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